だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

大学時代のスタッツでNBA入りした後のWin Sharesと最も相関するのは何か、大学選手の成長曲線、ESPNのデータ解析に基づくドラフト候補ランキング

大学時代のスタッツでNBA入りした後のWin Sharesと最も相関するのは何か

Three and Layupのトーマス・バシンの記事。Win Sharesを成功の指標として、25歳時のNBAシーズンのWin Sharesとドラフトエントリーした年の大学での成績の相関をとって、どういったスタッツがNBAでの成功に結びつくかを調べたもの。ドラフト指名順位やポジションとNBAの成績は相関するのでそれを調整したWin Sharesとの相関をとっている。ガードとフォワードで分けて計算し、センターは除いている。

疑問点としては、そもそもWin Sharesは成功の度合いを表す指標として適当かあやしい。Win Sharesは累積数値で、たまたま25歳のシーズンに怪我などで試合に出れなかったら大幅に下げるわけだけれども、そういうものを使っていいのか。複数年の特定期間の平均か中央値を使うべきではないか。同じ累積数値でもVORPのほうがいいのではないか。Win Sharesはディーン・オリバーが開発したIndividual Offensive Rating及びIndividual Defensive Ratingからの派生スタッツで、チームスタッツに左右される部分があるので個人の成功度と純粋に見ることはできるのか。また、このIndividual Offensive Rating及びIndividual Defensive Ratingはポゼッションベースのスタッツなのに、この記事の分析では40分あたりのスタッツと相関をとっているのは問題があるのではないか(2000年ぐらいまでであれば時代を遡るほどPaceが遅くなるので、単位時間あたりのスタッツが小さくなる。この期間の平均の単位時間あたりのスタッツで計算した相関係数に、今の高い単位時間あたりのスタッツを当てはめると過大評価にならないか。Paceの早いチームでプレーしている選手ほど過大評価されて、今後の予想には使えないのではないか)。といったところ。そもそも完璧な総合指標がないのでWin Sharesを採用すること自体はあまりツッコんでもしょうがないのだけれども、せめてポゼッションベースのスタッツを使うべきではないかと思います。

結果としては、TS%、FT%、STL per 40minはポジション問わず相関が最も強い部類に入る。また、それほど強い相関ではないけれども、年齢が若いほど成功しやすいという傾向もある。若いほどポテンシャルがあるというのは大体の実感として我々が共有するところでしょうが、それよりもスティールのほうが相関が高いというのは不思議です。スティールは選手のどんな能力を表象するんでしょうね。FGAや得点数が全然相関しないのに対してTS%やFT%が強めに相関するというのは意味深長で、ショットセレクションの良さとシューティング技術はNBAでの成功に最も重要、あるいは大学時点での得点効率は過小評価されているということになります。例えば、ドラフト50位から60位ぐらいの間で指名された選手のうち、最もTS%が高い選手はその中で最も成功の可能性が高い選手、そのレンジで指名された中で最も過小評価された選手ということになりそうです。また、ガードにおいて身長・体重とWin Sharesが比較的強めの負の相関になっていて、サイズのないガードほど指名レンジの中で過小評価される傾向があることもわかります。しかしながら、ボックススコアが個人のディフェンス力をほとんど反映しないこと、それ故にそれをベースとしたDRtgと更にそれをベースとしたWin Sharesも個人のディフェンス力をほとんど反映しないこと、Kが以前書いたように、現代においてラインナップ全体のサイズはチームのディフェンス力にとって重要であることを考えると、サイズの小さいガードが狙いめとは思えません。むしろそういう選手はディフェンス力を捨象されてオフェンス力だけを評価されている、Win Sharesが過大評価している選手というべきでしょう。

この分析に意義があるとすれば、ショットセレクションやスティール能力に、プレーヤーの総合的な能力を示す何らかの面があることを示唆していることでしょうか。

大学選手の成長曲線

Nylon Calculusのアンドリュー・ジョンソン記者の記事。年齢別に各スタッツの平均値を出して、年齢が上がるにつれてどう成績が変化するかを追ったもの。

年が上がるほど成績がよくなる、という当たり前の事実を確認するものですが、どのスタッツがどのぐらい良くなるか、という変化率が見どころ。むしろ変わらない部分が面白い。これを見るとSTL%やBLK%、OREB%は全く変化しないことがわかります。OREB%はそもそも取りに行く選手がほとんど決まっているので、それを任されない選手が変わらないのは当たり前、年齢がどうこうの問題ではないでしょう。STL%の変化のなさからは、技術の向上や経験とは関係ない、この能力は生まれ持った身体的特徴やセンスでほとんど決まってしまうのではないか、という印象を受けます。上の記事でスティールがNBA入りした後のWin Shareと比較的強い相関があることがわかりますが、どうもスティールは技術や経験以上の「バスケの才能」のようなものが反映されるプレーなのではないか、と考えてしまいます。

身長別にガード・ウィング・ビッグマンに分けた、19歳と22歳の間のスタッツの変化率も計算してあります。サイズの大きい選手ほどDREB%とBLK%が鋭く伸びるところは、ウェイトトレーニングによる筋力向上がこういうフィジカルなプレーの能力向上に直結するのかなと思います。ガードのBLK%が大幅に落ちるのは謎ですが。ビッグマンのTO%がほとんど向上しないのに対してガードとウィングのTO%が大幅に改善しているのは、AST%がビッグマンでも向上していることを考えれば、経験やパス技術の向上よりもボールハンドリングの技術向上が反映されているのではないか。

こうした数字を見ると、ボールハンドリングやパスは技術的に向上の余地が大きいのだから、プロに入ってからも大幅に伸びる余地がある、TO%やAST%、あるいはDREB%についても、スカウティング段階で大学での成績のまずさはあまり気にする必要はないのではないかと思います。逆に伸びにくい部分、TS%やSTL%などは一般的に注目に値する部分ということになるでしょう。しかしTS%は全ポジションで安定的に向上していますし、オフェンスオプションとして優先度が高くなるとマークも集中して、実際の技術の向上ほどには数字が伸びにくい面もあることは注意すべきだと思います。

ESPNのデータ解析に基づくドラフト候補ランキング

ESPNのポール・セイビン記者とセス・ワルダー記者の記事。ドラフト指名予想ではなく、今年の指名候補で最もNBAで成功しそうなのは誰か、というランキング。分析の手法は記事の下の方にあり。NBAでの2年目から5年目までの期間のBPMの予想に基づく(1年目はしばし外れ値になるため除く)。予想はESPNのスカウトランキングと大学の直近2年間のスタッツを組み合わせたモデルを利用している。インターナショナルプレーヤーについても同様。それだけでは予測が難しい(特にインターナショナルプレーヤーが)ので、ESPNのスカウトランキング、合衆国の選手はNCAA・AAU・FIBAのPaceと相手チームのレベルを調整したスタッツ、インターナショナルプレーヤーも同様のものとリーグのレベルを調整したスタッツ、ポジションごとのNBA Draft Combineの身体測定値という別のモデルも用意して予測したとのこと。各モデルの計算式は不明。

これらを活用して有りうるBPMを予測したランキングと、それと実際のBPMとの相関を表したグラフが一番下にある。ドラフト指名順位との相関が最も高く偏差も小さいのでさすがと言ったところですが、TOP10以内の最上位レベルの選手の成績予測はこの解析によるランキングのほうが優れているでしょうか(偏差は大きい)。10位以下になるとほとんどランダムで当てにならなさそう。スカウトランキングが一番当てにならなそうではある。

というわけでランキング10位以内でみると、大体予想通りのメンバーの中にザイアー・スミスがいるのが注目すべきところでしょうか。あとマイカル・ブリッジスが5位で一般的なランキングやモックの順位よりも高い。この辺が来シーズンの「予想以上」になるかもしれないところです。まあ、このランキングが掘り出し物を見事に当てるとは全然期待していませんが。これより下はランダムくさいので当てにしなくてもいいでしょうけど、スカウトランキングよりは偏差も小さいので訳に立ちそうな気もします。一般的なランキングとはかなり違いがあるので、酒の肴に楽しむにはいいんじゃないでしょうか。

impressiveを「感銘的」と訳すこと

バスケの話でなくてあれですが。先月にFull-countという野球専門のニュースサイトに以下の内容のメールを送りました。

大谷翔平、3度目先発の相手は強豪Rソックスに 地元紙は争奪戦の“裏話”紹介」の記事の中で「感銘的」という形容詞が出てきます。
https://full-count.jp/2018/04/16/post121449/

元になったボストン・ヘラルドの記事を当たるとこれがimpressiveの訳語であることがわかります。
http://www.bostonherald.com/sports/red_sox/2018/04/red_sox_took_their_shot_with_shoehei_ohtani

この記事のみならず、他の記事でもこの「感銘的」という語がよく出てきますが、感銘的などという日本語はありません。「感銘」という単語を使うのであれば普通「感銘を受ける」という用法をするはずです。
impressiveは「ポジティブな印象を与えるようなもの / 強い印象を与えるようなもの」を修飾する語で、何かを褒める・良い評価をするようなときなどに頻用する口語です。我々日本人が何かをほめたり良い評価をするときに、「感銘的だ」などと言いますか?そもそも、「感銘的」などという言葉を口から外に出したことのある日本人など皆無ではありませんか?「感銘を受ける」ですら滅多に使わないのではありませんか?アメリカ人が頻用する口語を翻訳するときは、日本人が頻用する口語でもってするべきです。素晴らしい、優れた、印象的な、すごい、こんなような語で十分でしょう。件の記事の文であれば「ほんとうに素晴らしかった」とでも訳せばいいでしょう。日本語に存在しない語をわざわざでっち上げて使う必要はありません。Full-countに限らず、何故か様々なスポーツメディアの翻訳記事で「感銘的」という語を近年良く目にします。誰が最初に使い始めたか知りませんが、いい加減やめるべきです。「不自然な、下手くそな日本語」という印象しか受けません。私だけではなく、ほとんどの日本人がそう感じているはずです。訳者は、翻訳スポーツメディアと関わりの薄い周囲の人間に「感銘的」という語が日本語として不自然かどうか聞いて回るべきでしょう。

 「我々日本人」とか主語がでかいのが恥ずかしいですが、言いたいことはこれが全てです。Kは日本人として平均的な英語力しかありませんが、オックスフォードケンブリッジロングマンウィクショナリー等々の英辞書の定義と理解は離れていないでしょう。アメリカ英語としてのimpressiveは強めの褒め言葉、というのはこの手のニュースを読む機会が多い人なら自然とわかってくることです。そんなことは訳者も分かっているはずで、問題は、なんでこんな変な日本語で訳すのか、普通に訳せばいいでしょということです。

言語は変化していくので、過去に常用された語も時代の流れでなくなったり変わったりしていくものです。新しい語も生まれます。個人的には「言葉の乱れ」をあげつらう立場を取るのは好きではありません。しかし、「感銘的」という語は特定のスポーツメディアでしか見かけず、社会においても全く定着していない語です。既存の、完璧に定着している自然な語で訳出できるものを、わざわざ全く不自然な造語を使う必要性がありません。

殆どの人は訳出された文章を原文と突き合わせたりしません。翻訳の上手さとは、結局日本語の上手さです。極端に言って、原文と全く趣旨の異なる訳をしても、日本語として全く自然な文章であれば読み手はそれを「上手い翻訳」と認識します(もちろん、まるででっち上げの「翻訳」などしてもわかる人にはすぐバレて問題になるので、そのようなことをしてはいけません)。だからこそ普通の自然な語を使って訳すべきでしょう。

また、ニュースの翻訳の場合は言葉の細かいニュアンスを訳し分けることに腐心する必要はないと考えます。「impressive」「great」「excellent」「terrific」「beautiful」「outstanding」「awesome」等、「強めの褒め言葉」で使われる形容詞はたくさんありますが、こういったものはその微妙なニュアンスの違いを気にせず、全部ひっくるめて「素晴らしい」とでも訳しておいて問題ないと思います。そもそも、それらの違いに対応するような常用の日本語のバリエーションはそれほど多くあるでしょうか、「素晴らしい」で全てのニュアンスを内包しているのではないでしょうか。そういった違いを訳し分けようと努力した結果、不自然で読みづらい日本語になってしまっては本末転倒でしょう。「どう訳し分けるか」という点に翻訳家の腕の見せ所があるのはわかりますが、翻訳家目線の訳の上手さと読者目線の訳の上手さは異なるので、その違いを忘れると翻訳家の一人相撲になってしまいます。文芸作品や、用語の正確性を問われるような専門的な分野の翻訳はともかく、普通のニュース記事で出てくる普通の語の翻訳は、文意を外さない限り些細なニュアンスは気にせず、読者目線で全く違和感のない自然な日本語での翻訳を目指すべきではないでしょうか。

このメールを送ったのは4月16日の夕方頃だったかと思いますが、yahooで「感銘的」でニュース検索すると、4月17日07:03配信のこの記事を最後に感銘的という訳語を使わなくなったようです。検索結果を見るとそれまでかなりの頻度でこの語を使っていたのが解ると思います。原文と突き合わせてないのでわかりませんが、impressiveは頻用される語ですし、この1ヶ月の間にホームランもかなりいいピッチングもあり、大谷上げのニュースの需要が極めて強いことを考えても、impressiveを訳す機会がなかったのではなく感銘的という語を使うのをやめたのだと思います。Full-count以外ではTHE ANSWERというサイトとFootball ZONEというサイトで特徴的に使われ、それ以外ではほぼ使われていない訳語です。Full-coutTHE ANSWERはともに株式会社Creative2というところが運営、Football ZONEはfangate株式会社というところが運営、ただしいずれも「広告管理:株式会社メディア・ヴァーグ」とあり、所在地も同じ「東京都目黒区上目黒5-8-8 リネアB」なので実質的に同じ会社なのでしょう。社員が翻訳業務をしていて、その中の特定の社員がこういう変な訳をしていたということだと思います。

今回はこのメディア・ヴァーグのimpressiveの変な訳についての狭い話でしたが、翻訳系のスポーツメディアはどこも訳の質、ひいては日本語の質が低いと感じます。yahooニュースにも配信していて目に触れる機会も多いのだから、汚い訳文を大量供給するのはわりと有害だと思います。自分たちで取材しているわけでもなく、アクセス稼ぎ出来そうな記事の翻訳を商売でしているのだから、金をもらうに値する水準の仕事をして欲しいと思います。Kもこのブログで必要に応じて訳出はしますが、他人をとやかく言えるような代物でもないので、他山の石としなければいけないことではあります(ビタイチ収入になりませんが)。

今年のNBA Draft Combineの数値

身体測定値などのデータが出ている。シューティングに関してはあまり意味がないので、身体測定値身体能力値だけ眺めるといいでしょう。

まず、ジョージア工科大のジョシュ・オコーギーという選手の身体能力が飛び抜けているように思います。身体能力値は意外と得意不得意が出て、スプリント系はいいけどジャンプ力が意外とないとかバラつきが出ますが、オコーギーはレーン・アジリティ以外の全ての項目で最高レベルで、ここまで揃って数値のいい選手はなかなかいないように思います。靴なしの身長が6' 3"でウィングスパンが7' 0"と腕も非常に長く、今回の測定で最も評価を上げたのはこの選手でしょう。2年生ですが年齢も9月までは19歳と若く、スタッツもかなりのもの。このサイズ・ポジションの選手としてはREB%やBLK%もかなり高く(STL%も素晴らしい)、サイズと身体能力が活きているのでしょう。2P%が悪いのでTS%が低いですが、ワンマンに近いチーム事情のようでマークが集中したのだろうと思います。3P%は高く、FTArもかなり高いため、シューティング技術とフィジカル的な頑強さを兼ね備えているだろうと思われ、効率的なプレーに集中させれば使いでのある選手になりそうな感じはします。TO% が悪いのは問題で、The Stepienによるとボールハンドリングは悪いとのこと。技術的な面が伸びしろと言えそうです。サイズやフィジカルから見れば1番から3番までは守れるでしょう。個人的にはこの選手が最も目につきました。今年の身体能力番長はハミドゥ・ディアロかザイアー・スミスかなー、と思ってましたが、オコーギー、お前がナンバーワンだ……。あと、意外と言ってはなんですが、ドンテ・ディヴィンチェンゾも相当いいですね。低い方ではトニー・カーがひどい。PGでこれはないぞ。シェイク・ミルトンも測ればこんなもんだったと思いますが。正直にテスト受けてる分だけ誠実で信頼できると言えるか。

(5 / 19 12:30 追記:昨日見た時から身体能力値が追加されていました。ミルトンはまあ悪い方ですが、カーほどはひどくないですね)

身体測定値はモハメド・バンバのウィングスパン7' 10"に目がくらむ。こんな数字はじめて見た。スタンディングリーチ、ウィングスパンともゴベール超えで、来シーズンNBA最大の選手ということになるかもしれません(マリアノヴィッチのほうがでかいかもしれないけど)。計測の仕方の違いもあるかもしれませんが、シーズン前に出回った数値より全体的に上がっている。あんまり育ってもペリメーターディフェンスで不利になりそうなのでいいのか悪いのか。あと、大学No.1リムプロテクターのサガバ・カナテという選手はサイズ的にも身体能力的にも飛び抜けた面がないので、主にタイミングでブロックしてるんだなと思いました。

以上。

カイル・アンダーソンの技術

こないだ書こうと思って忘れてたんだけども、BBALLBREAKDOWNのセラー・チレアの記事が非常に出来がいいので読みましょう。カイル・アンダーソンの攻守両面の多彩な技術、インテリジェンスの高さ、サイズの優位を活かすプレーについてこれほど良く書けてるものって他にないんじゃないかなあ。NBA有数のマニア受けする選手だと思いますが、ちゃんと注目してくれる人がいてこれだけ書いてもらえるなら幸せなことでしょう。

プレーオフ出れてよかったね、オースティン優勝してよかったね、今年のドラフト予想はやらないかも、ルカ・ドンチッチは"mystery"ではない、の話。

プレーオフ出れてよかったね

絶対プレーオフに出るスパーズの光の力と絶対プレーオフに出れないゲイの闇の力の戦いとか適当なこと書いたらここまでもつれてしまった。ゲイの闇の力やばすぎでしょ……。レナードなしでよくここまでやったなとも言えますが、見方を変えるとゲイの闇の力でレナードの怪我が長引いたと考えることもできますからね。くわばらくわばら。

怪我だらけで大変なシーズンでしたが、本来強みのはずのベンチが悪かったのが苦しんだ要因でしょうか。ベンチプレーヤーが出ているときのNETRTGがだいたいチーム平均以下。オルドリッジにおんぶに抱っこの戦い方で、実際そうするのが一番良かったんでしょうけど、これだとボールを動かしにくいので全体の効率が悪くなるのは必定で、来シーズン以降戦い方やロースターをそれなりに変えていかなければいけないのは確実でしょう。個人的にはオフェンスはどうしようもない部分も多かったのでしょうがないとして、ディフェンスがかなり悪かったという認識です。数字の上ではリーグ3位なのでかなり良いということになりますが、終盤もろくて勝てる試合をむざむざ落としたケースが多く、主観的な印象としてはスパーズらしくない、本来そういう場面できちっと凌げるようなチームでしょ、という感じ。特にパーカーはひどい。あと意外といえば意外だけど、グリーンも終盤でダメ。パーカーは攻守両面で全くダメで、はっきり言って2nd Unitとしても不合格のレベル。来期以降も契約すると思いますが、今シーズンより良くなる要素がないので、ホワイトを2番手PGにしてパーカーは3番手まで下げるべきでしょう。あまりこういうことは言いたくないけど、オフにパーカーと1000万ドルクラスの契約をしてアンダーソンあたりをみすみすリリースするようなことになるのが最悪の将来でしょう。アンダーソンがいくらになるかわかりませんが。パーカーFA、グリーンとゲイがオプトアウトで3400万ドルぐらいスペースができますが、さすがにアンダーソンに1500万ドルとかになると出せないのかな。今シーズンはオルドリッジの次に貢献度が高かったと個人的には思うので極力残すべきだと思います。

しかしまあ、47勝してやっとプレーオフ出れるウェストが地獄という他ない。近年の最地獄シーズンだった2014-2015が45勝でプレーオフ落ちで、今シーズンが46勝でプレーオフ落ち、10位のクリッパーズが勝ち越しで終盤までプレーオフ争いとかひどかった。東西格差で言うと今シーズンの勝率が東は49%西は51%で、2014-2015が東は47%で西は53%なので小さくはなっていますが(実際のところ、西の下の方のチームが平然とタンキングしていることで数字上差が縮まっているだけで、質的には大して縮まってないのではないか)、混戦具合で言うと史上最高レベルなのではないでしょうか。プレーオフ出れてよかったね、ホント。

オースティン優勝してよかったね

強っ。デリック・ホワイトがここ何試合か30点ゲームしまくっててすごかったですが、最後に大ゴケしてて笑う。ジャロン・ブロッサムゲームはGリーグでは全く問題なし、特にシーズン後半になるほど内容が良くなっていたので良いことです。多分来シーズンはNBAで契約するのでしょう。ハンランはどうかわからん。オースティン、チームのFT%が80%で1位とか普通にスパーズより良くて羨ましい。今年からHCになったブレイク・エイハーンが現役時代Dリーグ通算でFT%が.956(!)あったとかいう話なのでシューティング教えるのがうまいのかもね。高校コーチから転身して1年目からチームを優勝させるんだから偉いものです。オースティンにもSASにもいた選手なので、現役時代から資質があるとあのGMのギョロ目に見ぬかれていたのでしょう。優勝セレモニーが可愛いので見ましょうね。

今年はドラフト予想やらないかも

DraftExpress死亡でやる気が無いです。スパーズはしばらくぶりに10位台の指名権になりそうなんだけど。多分19位辺りで、今のところではトロイ・ブラウン、あるいはミルズと指名権でトレードに出してクリッパーズの13位かサンズの15位あたりと交換してケビン・ノックスやマイルス・ブリッジス、ロバート・ウィリアムズなどが落ちてくるのを狙うとか、やり方はいろいろあるでしょう。なんにせよ6月の話ですか。

あと、インターナショナルプレーヤーの指名はやりにくくなっているのではないか、という気もします。1巡目だと指名から3年経つとルーキースケールに縛られないのですが、近年はヨーロッパ強豪チームの年俸がかなり上がっているのか、スタッシュしても年俸数百万ドルレベルの契約になってしまうケースが最近では多く(ボグダン・ボグダノヴィッチが年俸900万ドルアレックス・アブリネスが年俸600万ドル、いずれも3年保証契約)、スタッシュして仕上がるのを待ったり有力選手をFAで獲得しようとすると下手なNBAのFA選手よりもリスキーな契約になる可能性があります。というか、昨オフにアダム・ハンガと契約につながらなかったのはおそらくそういう面もあったのではないでしょうか。一方で北米選手の場合はNBA志向が強く、ヨーロッパで100万ドル単位の契約が可能な場合でもルーキーミニマムで契約したいというブランドン・ポールのような選手もいる。バイアウトの費用も上がってきているだろうし、スタッシュして仕上がった選手と安く契約するというインターナショナルプレーヤーの旨味が得にくくなくなってきているので、スパーズに限らず経済的にキツめのチームはドラフト&スタッシュがやりづらくなってるのではないかと思います。今年のオフは多分ニコラ・ミルチノフと契約があると思いますが、これもルーキースケールよりは高くなるのではないか。あとネマニャ・ダングビッチは確か今年で契約切れだったような。二人共ユーロリーグでかなりよくやっているので契約するなら今オフでしょう。

DraftExpressの死後にできたThe Stepienというサイトが結構頑張っているので、あの手のスカウティングレポートが好きな人は見てみると良いのではないでしょうか。多分DraftExpressがなくなって、じゃあ俺達が代わりになるもの作るぜという感じでできたのではないかな。実際にプレーを生で見たりワークアウトのたぐいを直接取材しているわけではなく、マニアがビデオ分析をしているだけだと思いますが、複数人でやって負荷を分散しているためか、個別の書き手が時間をかけたと見える結構濃い分析もあってよくやるなあという。

ルカ・ドンチッチはmysteryではない

もう本当にいい加減にしてほしい。大量のハイライトと分析記事、インタビュー等があるのに未だにドンチッチを"mystery"などというアメリカ人はどういうつもりなのだろうか。youtubeで「luka doncic highlights」で検索すると引っかかるのは20100件、ジェイレン・ジャクソンJrとかモハメド・バンバよりも多い。この種の言論に関しては去年の8月の段階でCourtSide Diariesのニック・フリントが「ルカ・ドンチッチはミステリーではない」という記事を書いて厳しく批判している。これはYahoo Sportsのベン・ロウバック記者の記事に対するもので、曰く「全てのインターナショナルプレーヤーについてその能力がNBAでは通用しないのではないかという心配がある、とか書いてるけどそんなもんアメリカの大学生含めてあらゆるドラフト候補に言えることだろ。それで言ったら全員ミステリーだわ」「90年代と違って今はインターネット上に大量の情報があるのだから、北米の選手じゃない=ミステリアスとなる理由が大してない」という話。普通にバスケ関連のアメリカのメディアを眺めているだけでもドンチッチの情報は大半のNCAAプレーヤーよりも入ってくるはず。これだけ情報があってミステリーとか言うのは、単に情報収集の努力が足りないか思い込みに過ぎない。こういう馬鹿げたラベリングは、アメリカンスタンダードがワールドスタンダードだ、あるいはアメリカが世界そのものだと無自覚に前提にしているアメリカ的な思いあがりでしょう。大谷翔平についてもこの種の"mystery"論法が山ほどあったけど、お前らとこの全てのドラフト候補やAAA選手よりも遥かにたくさん材料があったろうて。ちなみに、ロウバック記者は「どこがミステリーだ」という批判に対して「ミステリーというのはドンチッチのオフコートのことについてよくわからないということだ」と弁明していたようだけど、そもそもあんたの書いた記事はそういう趣旨の記事ではないだろうに。

NBAに関してはそもそも米メディアのものを読まざるをえない場合が多く、いい記事もたくさんあるのでまるで米メディアが全て非常に優れているような錯覚を抱きがちだと思いますが、スポーツメディアは思い込みや調査不足のしょうもない記事のほうが多いと思います。ファンメディアというか、要は素人が書いているものも実際多く、読むだけ時間の無駄な記事が量産されています。このブログでは基本的にメディアと記者の名前を書くことにしていますが、それはその過程でメディアや記者の質というのがスクリーニングされていくと思うからです。信頼できるのは一部のメディアの一部の記者だけと言ってもいいと思います。スポーツ専門メディアはしょうもないものが多いです。各地方紙はきちんと取材した1次情報を提供するので、NBAチームに関してもドラフト候補などについても大変優れた情報源になります。