だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

スパーズのスターターPGがトニー・パーカーからデジョンテ・マレーへ

ついに来るべき時が来た。スパーズは今日のペイサーズ戦でスターターのPGをパーカーからマレーへ変更、しかも怪我のリハビリのための負担軽減目的ではなく、恒常的な変更のようです。SAENのトム・オースボーン記者の記事あたりを読みましょう。

ポポヴィッチが試合前にパーカーに対して世代交代の時が来たと思うと告げ、パーカーはそれに対して問題ないよと快諾したようです。「ポポヴィッチがチームにとって良いことだと考えていることがあるなら、僕は自分のベストを尽くし、それをサポートする。僕はデジョンテを出来る限りささえてやり、マヌやパティとともにセカンドユニットで全力を尽くしたい。("If Pop sees something that is good for the team, I will try to do my best...I will support Pop's decision, and I will try to help DJ as best as I can and try to be the best I can in that second unit with Manu and Patty (Mills).")」

重要なのはミルズではなくマレーと入れ替わったことで、スパーズが目先の勝利よりも長期的な勝利を目指している点でブレがないこと、現時点で十分ではなくともスターターで使うに値する能力がマレーにあると認識していることでしょう。マレーをパーカーの後継者にするという覚悟がある程度定まったと言えそうです。ディフェンスに関しては昨シーズンとは別人と言っていいほど良くなっており(特に粘り強さが格段に上がった)、ガードではチームで最もディフェンスが良い選手に成長したと思います。リバウンドに関しては、ガードの選手としてはおそらくリーグナンバーワンと思われます。足りないのはゲームメイクとシューティングでしょう。AST/TOやTO%などを見る限りでは、ゲームメイク能力が昨シーズンから着実に成長してきているのは間違いないでしょうが、不用意なTOが多いのも確かで、まだ求められる水準にありません。シューティングに関しては全然ダメです。昨シーズンはほとんど相手のサードユニットとのマッチアップで、今シーズンはファーストユニット・セカンドユニットでのプレーのため難しくなっている部分はあるでしょうが、求められる水準にないことだけは確かです。オープンスリーをちゃんと決められないとペネトレイト等の他の手段の効果が弱くなるので、ジャンプシュートの質を高めることが最大の課題と言えます。しかし実際昨シーズンと比べて全く成長していないかというとそうではなくて、FT%は大学時代の66%から安定して向上させており、3P%こそ昨シーズンから落としているもののBBRのデータを見る限りではミッドレンジジャンパーの本数と率は良くなっており、シューティングレンジの拡大は進んできているという印象です。数字が悪くなっているから成長していないということではなく、一歩々々階段を上がっている姿が見えるスタッツではないかと思います。

前回ディフェンス面でのサイズの重要性について書きましたが、マレーはベン・シモンズを除けばおそらくリーグで最もサイズのあるスターターPGではないかと思います。インタビューやその他から今シーズンはマレーのウィングスパンについて「7フィートある」というような情報がよく聞かれるようになりましたが、ESPNの6' 11"という情報が多分正しかったのでしょう(代理人にでも教えてもらったのだろうか)。4番までとは言いませんが、3番までならサイズ面でミスマッチを作られることはほぼなく、マレーがPGを務めるのであればディフェンス面で他チームに対して大きく有利になることは間違いないと思います。

デジョンテ・マレーのドラフト指名とスパーズの育成・スカウティング思想の最後に「なるべく2年後までに結論出して」と書きましたが、これで出たと考えていいでしょう。マレー以外の選手がスパーズのスターターPGになるとしたら、それはミルズではなくデリック・ホワイトだと思います。昨年のドラフトで指名されたPGの中で、総合的に見てホワイトよりも実力が優れていると確実に言えるのはマーケル・フルツだけで、シューティングとクイックネスと経験以外でホワイトがミルズに劣る部分はおそらくないはずです。中長期的にマレーの競争相手になるのはホワイトでしょう。来シーズン何かの拍子にクリス・ポールあたりが転がり込んできたらどうなるかわかりませんが、キャップスペース的にまず考えにくい話です。なんにせよ、今シーズンは最後までマレーがスターターを勤め続けるということになりそうです。高いレベルでたくさんプレーすること以上にプレーヤーを成長させるものはありません。これから加速度的に成長していってくれれば嬉しいです。SAENのジャバリ・ヤング記者が最近書いた非常に良い記事を読んで、これなら大丈夫だろう、とKはある程度楽観的です。

NBAはsmallにはならない

small lineupないしsmall ballの拡大

以前「ウィングの質がチームの質を決める、3ウィングが今後主流になる」と書きましたが、今回はそれに関する話をします。

現在NBAにおいてsmall lineupないしsmall ballと呼ばれる戦術が主流になっている、少なくとも将来において主流になるという認識はNBAファンの間では常識的なものと言えるでしょう。なんと言っても2014-2015シーズンのファイナルにおけるウォリアーズのプレーが決定的に重要で、現在のsmall ballブームは多かれ少なかれ皆がそのコピーをし始めたということでしょう。そのインパクトや影響について書かれた記事は数多くありますが、ESPNのバクスター・ホルムズ記者の記事ESPNのケヴィン・アーノヴィッツ記者の記事ESPNのザック・ロウ記者の記事あたりが良いものだと思います。small ballはウォリアーズ、というかスティーブ・カーの革命的な発明品のように扱われていますが、「ポゼッションが変わってから7秒以内のシュートが最も効率がいいなら、それをし続ければ勝てるじゃないか」という発想に基づいたダントーニのラン&ガンオフェンスが引き起こした高速化と効率性重視の大きな流れ、2012-2013シーズンと2013-2014シーズンのスパーズのボールムーブメントによってスペースとオープンなプレーヤーを作りだすアンセルフィッシュなチームバスケットを受けてのものであって、けしてカーの完全なる独創というわけではなく、オフェンス戦術の歴史的な展開から必然的に行き着いた形と言えます(アーノヴィッツの記事で、2014-2015シーズンファイナルの途中からデビッド・リーを外してアンドレ・イグダーラをスターターにしたことについて、カーは「スペースを作るために、2013-2014シーズンプレーオフのスパーズとサンダーのシリーズでのスパーズのsmall lineupのようにプレーした」と語っています。カーはこのシリーズのTV解説者でした。また、2012-2013シーズンを筆頭としてBig 3期のヒートはCを重視しないラインナップで、ダントーニ・サンズを含めてsmallであること自体はけして革命的なことではありません)。だからこそ、ウォリアーズだけが可能な特殊な戦術とは見られないで、現在NBA全体で流行し、長期的な「正しい方向性」と捉えられていると言えます。

small lineupやsmall ballと呼ばれるものをどう定義したらいいでしょうか。この戦術の本質な目的は、一定以上の機動力のあるプレーヤーをフロアに多く置き、プレーヤーとボールを動かしてスペースを作り、オープンスリーやレイアップなどの得点期待値の高いシュートを打つ機会を増やすこと、特に相手のディフェンスの整わない早いタイミングでのトランジションオフェンスを重視することと言えます。バスケにおける古典的なポジション分類はPG / SG / SF / PF / Cの5分類法で、PFとCをひっくるめてビッグマンと呼ぶわけですが、古典的なラインナップとはつまりビッグマンを2人置くラインナップということになります。しかしビッグマンは一般的に機動力とパス能力、スペーシング能力が低く、上述の戦術を取る上では足かせになってしまうため、ビッグマンは1人ないし0にすることになります。ものすごく大雑把に言えば、「ビッグマンが1人以下のラインナップがsmall lineup」ということになるでしょう。もちろん、ビッグマンの数が少ないからと言って上述のような戦術をとっているとは限らないわけですが(Big 3期のヒートと現在のsmall ballとでは、ゲームの高速化や3PA比率、ボールムーブメントといった面で違います)、今現在の文脈でsmall lineupを取るということは往々にしてスペーシングが目的のウォリアーズ的戦術をとっていることとだいたい同義であると捉えても見当違いではないでしょう。

NBAにおいてビッグマンが1人以下のラインナップ=small lineupは実際にどれぐらい増えているのか、Nylon Calculusのマット・イグナル記者が調査しています。2013-2014シーズンと2014-2015シーズンではsmall lineupが取られる比率はほとんど変わりませんが、その後の2シーズンでは急激にsmall lineupが取られる比率が向上し、2016-2017シーズンのプレーオフではついに古典的ラインナップよりも長い時間small lineupで戦うようになっています。また、古典的ラインナップとsmall lineupのぶつかり合いになった場合、small lineupのほうが得失点差でプラスになることも発見しています(2017年のプレーオフでは古典的ラインナップのほうが有利になっていますが、サンプル数が少なく、全体としてはsmall lineupのほうが有利になっています。おそらく、東でキャブスがラブとトンプソンのラインナップで圧倒していたことがプレーオフの数字の逆転に大きく影響していると思われます)。small  lineupの拡大はやはり必然でしょう。

しかしながら、small lineupとかsmall ballという言葉は悩ましい表現と言えます。なぜなら、smallという言葉はプレーヤーのサイズを指しているわけですが、本来は戦術を指すべき言葉です。そしてその戦術とは上述のとおり「一定以上の機動力のあるプレーヤーをフロアに多く置き、プレーヤーとボールを動かしてスペースを作り、オープンスリーやレイアップなどの得点期待値の高いシュートを打つ機会を増やすこと、特に相手のディフェンスの整わない早いタイミングでのトランジションオフェンスを重視すること」で、これを実現できるのであればプレーヤーの身長が標準より低い必要はありません。条件を満たすのであれば7フッターのプレーヤーがいても構わないでしょう。我々がsmall ballと呼ぶものをするために、プレーヤーがsmallかどうかは本質的には関係ないことと言えます。ウォリアーズのsmall ballの唯一のビッグマンであるところのドレイモンド・グリーンの身長が6' 7"でPFとしてアンダーサイズであることから、背の低い選手を揃えることが重要であるかのような誤った認識を与えやすい、サイズの重要性を見誤らせやすい状況にあると言えます。

ディフェンス面におけるサイズの重要性

small ballと呼ばれる戦術と同じものを指す言葉としてpace and spaceやpositionless basketballというものもあり、一番新しいものではskill ballというのもあります。いずれにしろ、モーション・ボールムーブ・ボールシェアリングによってスペースを作り出し効率的な手段でシュートし続けるという戦術を指すものであるということは同じです。いずれもsmall ballよりは実態にあったマシな呼び方でしょう。

さて、こういった戦術が主流になるとして、それに対してどう守るべきか。もちろん方針は相手にスペースを作らせずオープンショットを打たせない、特に3Pとレイアップをオープンで打たせないということになります。問題はそれをどうやって実現するかです。マンツーマンで対応する選手を追いかけ回すだけでは、スクリーンを多用されるといずれペリメーターでオープンなプレーヤーを作られてしまいます。これに対応するためには、徹底的にスイッチしてすべての選手をオープンにしないようにするしかありません。例えばスパーズはステフィン・カリーをオープンにさせないためにオールスイッチでマークし続ける戦略をとっています。しかし、ピック&ロールなどでカリーのシューティングやペネトレイトに対応できない選手にスイッチさせてしまえば(例えばパウ・ガソル)容易にアイソレーションから得点できます。また、サイズのミスマッチを作らせてしまえばこれもアイソレーションから容易に得点できます(例えばケビン・デュラント対トニー・パーカー)。またこうしたミスマッチでペネトレイトされればディフェンスはダブルチームに行く必要がありますが、それは他のプレーヤーに大きなスペースが生まれることと同じことです。オールスイッチへの対処についてはGolden State Of Mindのこの記事がわかりやすいでしょう。しかし、このような戦術を無効化するにはスペースを与えないように徹底的にスイッチする以外にありません。つまり、現在興隆するこのオフェンス戦術に対抗できるディフェンダーとは、1番から4番(できれば5番)までディフェンスできる技術があり、フィジカル的に誰に対しても大きなミスマッチを作らないプレーヤーということになります。こういったプレーヤーをすべてのポジションで揃えることで完全に対応することが可能になります。現在、これを理解したうえで実際にそのようなチーム構成を行っていると考えられるチームが少なくとも2つあります。ウォリアーズとセルティックスです。

ウォリアーズは実際にはsmallではないし、そうならない最大の理由はディフェンスにある、ということを実証的に論じたThe Athleticのトッド・ホワイトヘッド記者の記事をぜひ読みましょう、非常に優れた内容です。ホワイトヘッドは昨シーズン100分以上プレーしたすべてのチームの5マンラインナップ(合計135)の中で、ウォリアーズのそのようなラインナップ(合計6)は相対的にどれだけsmallなのかを調べています。その中でいわゆるデスラインナップ(カリー、トンプソン、イグダーラ、デュラント、グリーン)の平均身長は16パーセンタイルで実際に小さいものの、スタンディングリーチの平均は49パーセンタイルで、機能的にはリーグ平均レベルのサイズであるということを発見しています。また、スタンディングリーチの平均で見るとむしろリーグ平均よりも全体的に高いことがわかります。しかし、それ以上に重要なのは身長のばらつきが極めて少なく、特にリビングストンがPGを務めるベンチユニットはリーグで最も身長のばらつきが小さい事を発見していることです。こうした構成では全員がすべてのポジションの選手に対してスイッチすることが可能です。また、135ユニットの平均身長とDRtgの間には特に相関はなかったものの、身長のバラつきとDRtgの間にはあまり強くはないものの相関があることも発見しています。ビッグマンの身長にはチームごとの違いはあまりないと思うので、おそらくこれは(ばらつきを主に発生させる)平均よりも小さいガードがいるチームはミスマッチをつかれてディフェンス力が下がるということを示しているのではないかと思います。ウォリアーズの昨シーズンのロースターとの違いは、6' 3"のイアン・クラークを6' 7"のニック・ヤングに、6' 7"のマット・バーンズを6' 9"のオムリ・カスピに変え、6' 9"のジョーダン・ベルを加えたことです。今季のロースターで最も身長が小さいのが6' 3"のカリーで、3人のCを除いた11人が6' 6"から6' 9"の範囲に収まることになります。6' 6"はイグダーラだけなので、15人中10人が6' 7"から6' 9"の範囲に収まることになります。明らかにこれぐらいのサイズのプレーヤーを意識して揃えていると考えられます。これぐらいのサイズのプレーヤーは少なくともsmallではありません。ディフェンスの観点から見て、smallなラインナップでは戦えないとウォリアーズは見ているものと思われます。

smallなラインナップのディフェンス力――2016-2017シーズンのセルティックスについて

smallなラインナップのディフェンス力について考えるとき、主力をガードの選手が占め、しかもサイズ的に極端に小さい選手が多かった昨シーズンのセルティックスは良い材料となります。

stats.nba.comで見ると、昨シーズンのセルティックスのDRtgは105.5でリーグ12位と、平均よりも少し良いチームでした。ところが、昨シーズン多く見られたと思われるトーマス、ブラッドリー、スマートの3ガードラインナップのDRtgは112.5と跳ね上がります。これにクロウダーを加えた4マンラインナップのDRtgは113.7で更に悪くなります(アミール・ジョンソンが加わると多少良くなりますが、それでも平均以上にディフェンスが悪い。ホーフォードが加わってもまだ111.3です)。リーグ最低のDRtgはレイカーズの110.6だったので、この3ガードラインナップはリーグ最低のディフェンス力のチームよりもディフェンスがひどかったということになります。サンプルが必ずしも多くないことを頭に入れておく必要はありますが、この4人のうちトーマス以外の3人は各ポジションでリーグ最高レベルのディフェンダーと認識されていること、ディフェンスで足を引っ張っていると思われるトーマスのDRtgが108.6でこれらよりは良いこと、トーマスとブラッドリーの2マンラインナップではDRtgが107.9スターターラインナップのDRtgが106.2ということを合わせて考えると、評価の高いディフェンダーが揃っても3ガードになると大幅に成績を落とすということになり、ここから「サイズはディフェンスにおいて決定的に重要である」と言ってもいいのではないかと思います。もっと具体的に言えば、「ウィングはガードをディフェンスできるが、ガードはウィング以上のプレーヤーをディフェンスするのが難しい、小さいということはディフェンスにおいて一方的に不利である」ということになるのではないかと思います。

もちろん、点を取られる以上に取れば勝てるわけですから、たとえsmallでも圧倒的に点を取れればそれでも勝てます。しかし、すでに論じたように流行のオフェンス戦術を実行するためにプレーヤーがsmallである必要はなく、その一方でこの戦術を止めるためにはプレーヤーがsmallではいけないわけです。ディフェンスはバスケの半分であり、これを切り捨てて勝利を得るのは容易ではありません。少なくとも、リーグ1のオフェンス力を持ちディフェンス面でもトップレベルのウォリアーズ相手には勝てないでしょうから、優勝はまず無理です。優勝を目指すならサイズを捨てることはできないでしょう。

今シーズンのセルティックスも全体的にサイズは小さく、ガードに偏った面があることは否めませんが、それでもガード陣のサイズを全体的に底上げし、更に昨シーズンかなり軽視していたウィングを厚くし、7フッタークラスのCを外してビッグマンのサイズを落とし、全体的に6' 6"から6' 10"の範囲でサイズを揃える狙いが見えるロースターになっています。プレシーズンと開幕戦ではブラウン、テイタム、ヘイワードのサイズのある3ウィングで戦っており、そこに機動力のあるホーフォードをCに置く。おそらくウォリアーズと同じ方向性を見据えてチーム構成をしているものと思われます。

ビッグマンの重要性

small ballとはビッグマンを減らすことを想定したネーミングで、名前だけでなく実態としてもビッグマンの役割は減少していると捉えられています。この戦術で求められるビッグマンとは、シュートレンジが広くフロアをストレッチでき、ディフェンスではペリメーターでちゃんと守れるプレーヤーというような認識をされていることが多いのではないでしょうか。ビッグマンのオフェンス面での役割といえば主にポストアップとスクリーンということになりますが、効率性が第一義の現代の戦術においてポストアップはアイソレーションとともに最も効率の悪い手段の一つとして軽視されており(例えば2016−2017シーズンのポストアップアイソレーションのPoint per Possessionはともに1を切っています)、「レイアップか3Pか」という極端なショットセレクションを実践するロケッツはポストアップを徹底的に切り捨てています。こうなってくると、そもそも現代においてビッグマンの必要性はあるのか、という話にもなってくるでしょう。これではサイズが大きいウィングというだけの存在でしかありません。3Pしか打たない、ポストアップもしないというのであればガードとウィングだけでいいのではないか。ところが、そう単純な話にはなりません。ビッグマンはスペーシングにおいて重要な働きをするからです。

効率的に得点するためにはスペースを作ってオープンなプレーヤーにシュートさせることが最も重要で、スパーズ的ウォリアーズ的な戦い方は全てそれを実現するためのものと言えます。そしてその上で最も効率の良い手段がリム付近のシュートと3P(特にコーナー3)ということになります。ではそれを実現するために必要なスペーシングとはどういうものかというと、相手のインサイドディフェンダーをペリメーターにおびき出すことと、相手のディフェンダーをインサイドに引きつけることです。前者においては高い位置でのピック&ロールや3Pを打てるビッグマンがペリメーターに引くなどして行うことができますが、3Pを打てないビッグマンはストレッチ能力がないなどとして現代では忌避されがちです。フロアをストレッチできないというだけでまるで役に立たないような扱いを受けてしまいがちな状況になっています。しかし、後者の相手ディフェンダーをインサイドに引きつけるという仕事をする上でビッグマンの働きは決定的に重要なものとなります。

インサイドに相手ディフェンダーを引きつけるにはインサイドにボールを運ばなければいけませんが、そのために有効なのがピック&ロールなどのスクリーンと無駄と考えられているポストアップです。BBALLBREAKDOWNのコーチ・ニックによる記事と動画がポストアップによるスペーシングについての良い解説になっています。動画が非常にわかりやすいので貼っておきます。

この記事と動画で示しているのは、同じ3Pでもどのような方法で導出されたかによって3P%がかなり違うということです。ペリメーターでパスを回して3Pを打つもの、ピック&ロールなどからドライブ&キックで3Pを打つもの、ポストアップからキックして3Pを打つものの3つをあげています。このうちペリメーターからのパスからキャッチアンドシュートで3Pを打つものの3P%はかなり悪い数字で、eFG%で換算しても到底効率的とは言えない30%代前半の数字がずらりと並んでおり、半数以上のチームでチーム平均より悪く、さらにリーグ平均の3P%(この記事が書かれた2015−2016シーズンであれば.354)よりも悪くなっています。また、3PA全体に対する比率が高いチームが多く、こうして導出される3Pはむしろオフェンスの効率を下げているものと考えられます。なぜこうなるかといえば、ペリメーターでボールを動かしてもペリメーターにスペースが作りにくく、高い確率でコンテステッドショットにされてしまうからだと考えられます。ドライブ&キックに関してはそれよりも少しマシになる傾向があるようです。しかし、ポストアップからのパスを受けての3Pは大半のチームで平均より大幅に効率が良くなっています。ポストアップは相手ディフェンダーの注意をインサイドに引き寄せやすいため外のスペーシングに極めて有用だということでしょう。またポストアップからの得点力のあるビッグマンはダブルチームを引きつけやすくより外のスペーシング能力が高くなります。ポストアップでの得点力とパス能力の高いビッグマンは3P中心の現代的な戦術においてむしろ重要と言えます。極端に3P偏重でポストアップを殆どしないロケッツの3P%が毎シーズンリーグ平均程度にとどまっているのは、外一辺倒であるが故にかえってアウトサイドのスペーシングが困難になっているからだと思われます(逆に外に徹底的にディフェンダーを引っ張りだす結果2P%が極めて良い)。

NBAで最も得点効率が高いプレーはFTですが、その次に効率がいいのは3Pではなくリム付近でのシュートです。例えば昨シーズンであれば0-3フィートの距離からのシュートのFG%は.631で3P%は.358(eFG%に換算すると.537)、コーナー3は.388(eFG%に換算すると.582)で、リム付近で得点することやリムプロテクトは非常に重要であると言えます。これらの点についてビッグマンが有効なことは言うまでもありません。また3PAの比率が増えるということはFG%が下がるということですので、OREBを取れるビッグマンの価値は相対的に上がります。NBAの主流からビッグマンが消え、インサイドのサイズとパワーがなくなってくれば上述のようなビッグマンの利点は相対的に大きくなります。

現代的な戦術における理想的なビッグマンとはどういうプレーヤーになるか、おそらくこんなところではないかと思います。

  • ディフェンスにおいてペリメーターからリムプロテクトまで対応する技術がある
  • オフェンスにおいてトランジションでしっかり走れる走力がある
  • ポストアップでダブルチームを引きつけられるだけのパワーと得点力がある
  • 3Pを打てて相手のビッグマンをペリメーターに引き出せる
  • アンセルフィッシュでパス能力が高い
  • オフェンスリバウンドを取る能力が高い

すべて揃えているプレーヤーはどれだけいるでしょう。最も完成に近いのはドレイモンド・グリーン、ポール・ミルサップ、アル・ホーフォードあたりでしょうか。スイッチディフェンスで全体をカバーできないビッグマンは高いレベルでは厳しい時代で、最低でもこれができることが求められると思います。

NBAはsmallにはならない

現代的な戦術は、まず古典的なCを駆逐します。FiveThirtyEightのクリス・ヘリング記者の記事では、数字の上では圧倒的に効率的なボバン・マリアノヴィッチがなぜ全く試合に出れないかを説明していますが、やはりディフェンスなのです。しかしその一方で、サイズのないプレーヤーがサイズのあるプレーヤーを守ることは難しいので、サイズがないプレーヤーもまた必要とされない時代になっていくと思います。古典的Cの次に駆逐されるのは、点を取るのだけはうまいがゲームメイク能力がPGの代替になれるほどではなく、ディフェンス力がないアンダーサイズなSGでしょう。こういう選手は活躍が目立ちますしオフェンス面だけで言えば現代的戦術でも必要とされますが、そのためにそれ以上点を取られるのであれば元も子もありません。いまNBAで行われているのはsmall ballというよりもskill ballなのです。skillがあればsmallである必要はなく、同じだけのskillがあるならsmallであることは不利です。結局のところ、ガードに求められるボールハンドリングやゲームメイク能力を持ったウィングがいるのであればガードは不要になるでしょう。

NBAはウィング中心になっていくはずです。ボールハンドリング、パス能力、3Pシューティング、リムに飛び込める能力、そしてオールラウンドなディフェンス力、これらを兼ね備えたアンセルフィッシュな万能型ウィングが最も理想のウィングであり、こうした理想に近いウィングをできるだけ多く揃えるのが現代バスケにおける理想のチーム作りになっていくのではないかと思います。一方で、現代的な戦術はモーションオフェンスが中心とはいえ、ピック&ロールの頻度は多くスクリーナーは必要であり、先述のスペーシングの観点からもビッグマンは必要でしょう。行き着くところは4ウィング1ビッグであり、究極的には4人のクワイ・レナードと1人のドレイモンド・グリーンのようなものが目指されるのではないかと思います。ビッグマンが少ないという点では古典的ラインナップに比べてsmallと言えますが、smallなプレーヤーがいないという意味では全くsmallではない、そういうラインナップへと向かうと思います。現在の戦術的な流れが続く以上は、古典的Cとガードの役割は減少し、ウィング偏重になることは避けがたいのではないでしょうか。

現在NBAの平均身長は6' 7"で、長期にわたってこれを維持しています。Nylon Calculusのクリシュナ・ナルス記者の記事によると、この20年ほどはじわじわとこれを切り上げているようです。傾向としては。PGとSFは近年はっきりとした上昇傾向、SGは横ばい、PFはやや上昇傾向、Cは下降傾向と言えるようです。サイズについては、ウィングスパンやスタンディングリーチも加味して考えたほうが良いのですが、ウィングは6' 7"程度、ビッグマンは6' 9"程度の身長に収斂していくと思います。

リハビリお写真帳 Vol.07

(クリックで拡大。1600x1070px。はてなfotolifeにオリジナル

季節感が無。

バスケの季節

NBAの新シーズン始まる。まだ開幕の2試合とスパーズ対ウルブズ戦しか観てませんが、そんなに暇でもないのでそう何試合も見れない。今年もスパーズを中心に適宜面白そうなのを観る感じでしょうか。

ウォリアーズとロケッツの試合はボックススコアをどう見てもなんでロケッツが勝ったのか分からない。お得意のFTも稼げてないし、TS%もかなり差をつけられているのに、最終的にはシュートをたくさん決めている。OREBとTOで勝っているのでそれでシュート自体が多かったということだろうけど、試合見ててもそんな感じは全然しなかった。ずーっと「今日はウォリアーズが問題なく勝つな」という流れだったのにわけわからんうちに追い抜かれてしまったという感じで、内容的にはウォリアーズの勝ちでしたな。ロケッツは組織的にはディフェンスは悪かったと思いますが、個々のプレーヤーは結構よく守っていたと思うので、ウォリアーズのオフェンス力が際立っていた印象です。一方で昨シーズンからそれほど顔ぶれが変わらないにもかかわらずウォリアーズのディフェンスはだいぶひどい、特にペイントまで侵入されると無力に近く、また全体的にパワーがなくポストアップでほとんどの選手を押し込めるので、今シーズンも崩すならインサイドからかな、と思いました。しかしこのオフェンスはどう止めたら良いのか……。

スパーズの試合は特に感想はないです。普通でした。というか、1年ブログ続けて思ったんですが、はっきり言って試合の感想なんて殆ど無いんだよなあ、特にこのチームは。基本的には毎回同じようなことを続けていってブラッシュアップしていくような感じだし、あんま派手なこともしないし。究極的に言えば、毎試合「普通」です。たまに「なんでこのチームのファンやってるんだっけ」と思うぐらい平静に見れる普通さ。こちとらも別に見巧者というわけでもないし、動画貼ってあのプレーはこうでみたいな話もできないので、まあ、感想は今年も頑張らない。この試合は、強いて言えば、シボドーまた太ったか?ぐらいの印象です。ある程度競ってはいましたが、終盤で地力の差が出たような内容で、問題ない勝ち方だったと思います。マレーはボックススコアを見るとすごい数字ですが、試合見ててもそこまで目立っていた印象がないのでスパーズの普通力恐るべし。ディフェンスは良くなってたのでそこはとても嬉しいです。しかしあれだ、NBAの殆どのPGよりサイズで上回っているのにティーグをスピードで置き去りにし、ジョーンズをパワーで押し込み、バトラーの上からシュートを決め、オフェンスリバウンドのポジショニング・タイミング・高さも素晴らしくガード相手ではリバウンドで負けそうにない、本当にすごい素材だ。他のチームは指名しなくてよかったんでしょうか。

他の試合は観てませんが、やっぱり気になるのはサンズ!勝っても負けても馬鹿試合ばかりのサンズでなければシーズン開幕戦ホームでこの試合はできないだろう。2戦目も強烈な馬鹿試合の予感がするスコアで、これは観ておきたい。サンズの試合って、サンズファンでなければ他人事なのでゲラゲラ笑いながら見れて最高に面白いのですが、ファンの人は心臓への負荷が高そう。心臓の筋トレには良いと思います。サンズ以外だとネッツが随分馬鹿そうな試合をしていて楽しそう。ラッセルがかなり頑張ってるみたいだし、キャロル、ホリス=ジェファーソン、ブッカーと好きな選手がいるので、今季は東はネッツを応援しようかな。終わり。

日本語版Wikipediaに項目のあるNBA選手のウィングスパンの数値を信用してはいけません

先日ラスベガスで例の銃乱射事件があって、ラスベガス出身であるレイカーズのスティーブン・ジマーマンが心を痛めている、というニュースを読んで、あれ、ジマーマンって別のチームにいなかったっけ?と全く別のことに気が向いてしまう。なんとも注意散漫な。それで検索かけたところなんと日本語版Wikipediaにジマーマンの項目があって、随分マイナーな選手の項目があるんだなあ、と感心しつつ前の所属ってどこだっけとクリックし、なるほどマジックだっけか……と目的の知識を得る前にとんでもない情報が目に入ってひっくり返ってしまいました。

ウィングスパン7' 7"!?んなアホな!!

このブログで比較的よく使用するデータにDraftExpressのポジション別身体測定値の平均値のデータがありますが、ドラフト指名されたCの平均値は身長(靴込)が6' 11.25"でウィングスパンが7' 2.25"でスタンディングリーチが9' 2.25"程度で、7フッターの選手のウィングパンはだいたい7' 2"から7' 3"程度というのがNBA愛好家の常識的な認識でしょう。目視で正確に認識するのは難しいですが、7' 5"を超えるぐらいで見た感じにも腕が長いという印象を抱かせるのではないでしょうか。7' 7"ともなると相当腕が長い印象を受けるはずです。ジマーマンのプレーする姿をみて、NBAのCとして特別腕が長いという印象を受けるでしょうか?Kは、長いっちゃ長いかな、とは思いますが明らかに桁外れのウィングスパンという印象は全く受けません。なぜ腕が長いように見えないか、当然ながら、実際にそこまで腕が長くないからです。ジマーマンの身体測定値は2016年のNBA Draft Combineを基準にすると身長が6' 11.75、ウィングスパンが7' 3.25、スタンディングリーチが9' 0.25"で、平均的なCと比べて特別サイズがあるわけではないのです。常識的な、よく見るサイズのCです。7フッターでウィングスパンが7' 7"に達する選手と言えばハッサン・ホワイトサイドで、NBAでおそらく最もウィングスパンがあるルディ・ゴベールが7' 8.5"。ウィングスパンの大きさで受ける印象が強いであろうビッグマンを他に挙げると、アンドレ・ドラモンドが7' 6.25"、アンソニー・デイビスが7' 5.5"、ダマーカス・カズンズが7' 5.75"、デアンドレ・ジョーダンが7' 6"といったところです。こうした数字を見ればいかに7' 7"というのが常識はずれの異常な数値かよく解ると思いますし、そして見た目にそのような印象を与えないジマーマンという選手に似つかわしくない、目にした瞬間「んなアホな!!」とKが思ってしまう数値であることもご理解いただけるでしょう。

そんなにあれこれWikipediaをあら捜ししたわけではありませんが、他の選手でも同様の事態になっています。前回の記事でちょこっと名前を出したアンテ・ジジッチという選手の項目があり、この選手のウィングスパンは7' 6"と記載されています。ヨーロッパの選手については、合衆国のように身体測定をする機会が多くないのでそもそも身体測定値のソースがないことも多いのですが、ジジッチの場合は2016年のEUROCAMPでの7' 2.5"というソースがあります。また、キャブスのサイトの10 Facts and Stats About Ante Zizicというページではウィングスパンについて7' 3"という記述があります。この選手のウィングスパンも、我々のよく知る7フッターのCの常識的な範囲に収まるものであるということになるでしょう。7' 6"というのは明らかに実態からかけ離れた数値です。

ジマーマンもジジッチも、英語版のWikipediaのページにはウィングスパンについて記載がありません。また、どう検索しても彼らのウィングスパンが7' 7"だとか7' 6"だとかという説の根拠になるようなものを見つけることができませんでした。現に、日本語版Wikipediaにはこれらの数字のソースは示されていません。どちらの項目もエリクセンという人が作成し、この人だけが更新しています。Kはこのエリクセン氏が捏造した数値であると考えています。

身体測定値は大変明快な数値である一方、ソースによってばらつきがあります。調べてみて様々な数値が出てくるときは、基本的にはNBA Draft Combineのデータを参照すべきです。多数のドラフト候補が参加し、同一の測定方法で測られるため公正な比較が可能です。またstats.nba.comに掲載され、公式データとして参照できます。NBA Draft Combineに参加していない選手に関しては、測定された機会が明確な公式の公開情報(先述のAdidas EUROCAMPやNike Skills Academyなど)に依拠すべきでしょう。

選手のウィングスパンを調べたければ、「選手名 wingspan」で英語で検索すれば事足ります。データが存在すればすぐに見つかりますし、データがない、信用できそうなデータがないというときでも、「この選手のウィングスパンについて信頼できるソースがないな」ということはすぐにわかります。数分かければ目処がつくことです。Wikipediaの執筆者は、信頼できるソースがあればそれを根拠にして書けばいいし、ソースがなければ書かなければいいのです。調べる時間・体力がないなら、そのときも書かなくていいのです。しかし、調べもせずいい加減な数字をでっち上げる、ましてNBAの常識的な知識があるなら明らかに異常と分かる数字を創作するのは馬鹿馬鹿しい行為です。そのような情報は間違っており、無用かつ有害であり、無い方がはるかにマシです。マイナーな選手の項目があるのは大変良いことですが、日本語版Wikipediaの執筆者はこのような間違ったデータは削除するか、正当な根拠があるならそれを注で示すべきでしょう。身長体重は各チームの公式サイトに記載があるので間違いようがありませんが、ウィングスパンはそうではないので、日本のNBAファンがこういった間違った(日本語版にしか存在しない)数字をWikipediaで知ってそれを信じてしまうようなことにならないようにしてほしいところです。現状では、日本のNBAファンは日本語版Wikipediaに記載された選手のウィングスパンの数値を信用してはいけません。

(10/11 23:55追記)

エリクセン氏の作成した項目には常にウィングスパンの記載がありますが、ほぼ全てで数値が間違っています。何故かたまーに当たっているのもありますが(ルーク・ケナード)、当てずっぽうとしかいいようのない数値ばかりです。ケナードは多分まぐれ当たりでしょう。特にひどいのがディロン・ブルックスで、ウィングスパンを6' 11"と書いていますが実際は6' 6"しかありません。この選手はドラフト絡みで言うと、ウィングスパンがこのポジションの選手として小さすぎることでむしろ有名なぐらいで、この選手の弱点を挙げる際はほとんどのスカウティングレポートが真っ先に腕の短さを挙げる程です(例えばnbadraft.net)。6' 11"というのはウィングとしては理想的とも言える大きさで、むしろ美点として高く評価されるサイズでしょう。全く実態からかけ離れたおかしな数字なのです。

とにかく、ひどい。「でっちあげ」「捏造」というマイナスの言葉で表現するにしてもまだ足りない、度を超えてひどいとしか言いようがありません。憶測で書くぐらいなら書かないほうが絶対マシです。「憶測でものを書くな」はWikipediaの基本的な方針でしょう。書くのであればきちんとソースを示すべきです。日本語の項目を作ってくれる事自体は非常に良いこと、ありがたいことですが、しかしこのような捏造までする必要性がどこにあるのか、全く理解できません。ウィングスパンは大事な要素であるだけに、甚だしく間違った情報を載せることは読者に重大な誤解をさせることになり、それははっきりと有害であると言い切れます。とにかく、でっち上げるぐらいなら何も書くべきではありません。本文で取り上げたジマーマンとジジッチに関してはこのブログの読者と思われるHITNOMという利用者が修正してくれてますが、その都度個別に修正しても根本的な解決にはならないので、できるなら、この記事のURLを示すなどして、エリクセン氏に直接ウィングスパンの記載をやめる・削除する・書くならちゃんと調べてソースを示すように伝達していただければ非常にありがたいです。

この問題はエリクセン氏に限りません。例えばカイリー・アービングの項目ではウィングスパンは6' 6"と記載されています。これには変遷があるようで、2015年3月27日 (金) 08:35 HITNOMの投稿まではウィングスパンの記載がありませんでしたが、2015年3月28日 (土) 11:15 ソメイヨシノの投稿で6' 9"という記載が加わります。これが、2015年6月13日 (土) 05:38 Teammoneyの投稿で6' 6"に修正されており、これが現在まで続いているようです。しかし、いずれも論拠は示されていません。アービングに関してはNBA Draft Combineでの測定という強固なソースがあり、ここでは6' 4"と測定されています。DraftExpressにはその他の機会での測定結果もありますが、いずれもほぼ同じ数値です。6' 6"とか6' 9"という数字には根拠はありませんし、信頼できる公式の公開情報はそれらが間違ったものであることを示しています。過去に何十回と更新されたであろう、これほどの人気・有名選手の項目ですらこんな具合です。他の言語ではそもそもウィングスパンの表記がされてない場合がほとんどだと思います。身長・体重は各チームの公式サイトに記載がありますが、ウィングスパンはそうではありません。NBAのオフィシャルの測定は、NBA Draft Combineのものしかなく、全ての選手について揃っているわけではありません。日本語版WikipediaNBA関係の執筆者たちは、そもそもウィングスパンを書くこと自体やめたらどうでしょうか。あまりにもいい加減な数字を創作するよりも、そうした方が害がないだけ良いはずです。

(10/13 08:00追記)

エリクセン氏、自供する。繰り返しになりますが、身体測定値に対してソースを示さないことはエリクセン氏だけに限った問題ではなく、日本語版WikipediaNBA関係の執筆者全体に通底する問題であるように思われます。書くなら調べる、調べないなら書かない、ということをコミュニティ全体で再確認したほうがいいのではないでしょうか(Wikipediaにどんなコミュニティ機能があるのか、それがちゃんと機能しているかは分かりませんが)。他の分野と違い、絶版古書をほじくり返さないと目的の情報が得られないということなどなく、検索一発ですぐ分かることなんですから。ウィングスパンはソースがあったりなかったり、ソースがバラバラだったり、ソースが信頼できないものも散見されたりするので、そもそも書かないというのが最も確実だと個人的には思いますが、どういう方針にするかは内部の人たちが議論して決めるべきでしょう。