だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

グッバイDraftExpress

DraftExpressのオーナーのジョナサン・ギブニーとスカウトのマイク・シュミッツがESPNのスタッフになり、今後DraftExpressが更新されることはないそうです。

ここはとにかくスカウティングビデオとレポートが質量ともに素晴らしく、モックドラフトの精度も抜群、海外にもちゃんとスカウトがいてインターナショナルプレーヤーに対する評価もフェアで、NBAドラフトに関するリソースとして間違いなく最良のサイトでした。更新停止は本当に残念です。今後はESPNでおそらく同等の情報を提供していくのでしょうけど、ドケチESPNのことなので、他のドラフト絡みの情報と同じく、多分有料会員のみの提供でしょう。まだどうなるか分かりませんが。ESPN Insiderは月5ドルか年40ドルだったと思いますが、DraftExpressは元々タダでいいのかという内容の素晴らしさだったので、仮に有料会員向けのコンテンツだったとしても好きな人は払う価値があるかもしれません。雑誌版のESPNを読めたりしたと思うし。

残ったコンテンツで特別価値があるのはこのブログでも何度か活用しているポジション別身体測定値の平均データでしょうか。他で同じ情報を提供しているところは多分ないはずなので大変貴重です。このデータが更新されなくなるのはもったいない。他所でフォークしてくれるところがあればいいんですけど、毎年のデータの追加がかなり大変なので無理かなー。

ドラフト候補の大学入学時の一般的な評価を知りたい場合はRSCIを参考にするのが最も良いでしょう。その他のモックやスカウティングは個々の記者が目の届く範囲でしか評価できず、とりわけインターナショナルプレーヤーに対する評価が大変アンフェアなものになるので、DraftExpressの代替になるような情報源は基本的にないと考えるべきです。ESPNがどれぐらいの情報を提供できるか、非有料会員がそのうちどれだけアクセスできるかで、来年以降のNBAドラフト関連の一般的な情報の質が変わってくると思います。

ウォジナロウスキもESPN移籍で、業界の優秀な人材が過度にESPNに集中しててつまらないですね。昔からこんなもんだったかな。ESPNは情報の提供の仕方がケチ臭いし他メディアとの競争も弱まるので、エンドユーザーにとっては基本的に無益なことです。

(7/29 17:30 追記)

ESPNのNBA Draftのページでシュミッツの記事が出始める。今の所2本の記事があってInsiderとオープンなものがそれぞれ1本。オープンな方の記事の内容は充実しているものの、DraftExpress並みの量は書けないんじゃないかな、この感じだと。Insider記事も多くなりそうだし、今まで通りとは行かないでしょうね。

ファンの忠誠度、NBAコーチの年齢、コーチのなり方、ウェストブルックはトリプルダブル狙いのプレーをしていたか

ブックマークの在庫処分。

どのチームのファンが最もチームへの忠誠心が強いか

HSACのニコラス・ヒースの記事。このレポートではファンの忠誠心を測る方法として、チームの勝率とスタジアムの収容率を1991-1992シーズンから取り両者の相関を調べています。相関が強いチームはチームが勝っているときはスタジアムまで見に来るけど負けているときは見に来ないファンが多く、相関が弱いチームはチームが勝っていようが負けていようがファンがスタジアムに通いつめているということになります。相関の弱いチームのファンは忠誠心が強く、相関の強いチームのファンは忠誠心が弱いということになります。本拠地やスタジアム移転を行ってサンプルサイズの少ないサンダー、ネッツ、マジックは除かれています。

結果はリンク先をみてもらえばいいですが、なんと言ってもマブスがすごい。キューバンが買収してスタジアム移転してからチーム成績に関係なく毎年100%に近い収容率を記録し、相関係数はマイナスにすらなっています。途中1回しかプレーオフ出場を逃していないのでファンも見に来る気になるというものですが、今シーズン買収以来初めて勝率が5割を切って、シーズン終盤はタンクしにいったにもかかわらず、収容人数811366人で収容率は811366/(41*21146)=.936と高い数字を記録しており、本当にファンが熱心なのだと思います。まあ、昨シーズンの成績が来シーズンのチケット売上に影響する可能性はありますが。また、ペリカンズも非常に相関が低い。ペリカンズは成績もけして良くなく、ニューオーリンズ都市圏もNBA全体でかなり人口の少ない方だと思いますが、にもかかわらず高い収容率を記録し続けています。一方で最も相関が高いクリッパーズについては、うん、まあ、でしょうね、という。

分析の問題点も挙げています。一つには、ファンの献身性を示す行動としてTVで試合をみたり、グッズを買ったり、ニュースを熱心に追ったりというものもあり、スタジアム観戦だけを問題にしていいだろうかということ。もう一つに、スタジアム観戦を左右する要因として、都市の人口、平均所得、スタジアムの立地、スター選手の存在など勝利以外の要因があること(3番目に相関が低いニックスはアメリカ最大都市、最も高い所得、最良の立地という条件を兼ね備えている)。逆に、ホームの観客が多いことでチームが奮起して勝率が上がるというロマンチックな因果関係もありうる(でもこれはファンの力というのを過信しすぎ)。Kの認識では、第一の要因については、そうだとしてもそこから「忠誠心」というものをどうやって計ったらいいか、分析方法がよく分かりません。そういったものの単純な数を問題にするならば、それは単純にファンの絶対数が反映されるだけです。TV視聴率などは、ファンの絶対数が少ないチームは低くなるし、多いチームは高くなるだけです。つぎ込んだお金の額を問題にするのも、所得にほぼ左右されるでしょうが、金を使うほど忠誠度の高いファンかというとそういうこともないでしょう。可処分所得に対する支払い額率というのも考えられますが、これは逆にファンの所得の多いチームほどファンの忠誠心が低いという結果になりそうですが、これもそれでいいとは思いません。第二の要因について、人口や立地を考える上では、レイカーズクリッパーズが全く同じ条件なのに全く異なる結果になるのだからそこはほとんど影響がないのではないか。また、上記の条件をほとんど備えてないように見えるペリカンズの相関が歴史的に低いことをどう説明するか。また、単純に都市圏人口と収容率を比べてみても、それほど相関の強さに関係がないように思われます。シャーロットやミルウォーキーなどはNBAでかなり小さい方でしょうが、収容率はボストン、ロサンゼルス、マイアミ、シカゴ、ヒューストンなどのずっと大きな都市のチームよりも高いわけですから、人口の絶対数・ファンの絶対数・ファンの忠誠心は案外バラバラなのではないかと思います。要素をあれこれ増やしたり複雑にしすぎるとかえってツッコミどころが多くなります。個人的には、歴史的な勝率と収容率の相関を取るというのはシンプルながら結構いい方法だと思います。

この分析は他のスポーツにも使えます。NPBJリーグ、BJ(B)リーグなどでやってみても面白いかもしれません。暇な学生はレポートのネタに真似してやってみてはどうでしょう。

HSACはハーバード大学の学生が組織して運営しているものですが、たまに面白い分析が出てきます。

NBAコーチの平均年齢が上昇傾向にあるのは何を意味するか

同じくHSACのヘンリージョンソンの記事。前編後編。前編でNBAコーチの平均年齢が上昇傾向にあることを確認し、後編でコーチの年齢と成績の相関を調べています。結果はなかなか興味深く、コーチの年齢と成績に正の相関があり、年齢の高いコーチの方が成績が良くなるようです。ただし生存バイアスがあり、高齢のコーチは優秀だから高齢になっても続けられるのであり、高齢だから優秀であるというわけではない。そこで経験年数を調整すると、逆に年齢が若いほど良い成績を残すという結果が出てくる。ポポヴィッチなどの長期に渡って成功したコーチを除いて、1年目のコーチの成績を見ると、年齢は成績に対して優位に負の相関を示す。つまり、若さはコーチの能力にとってプラスの要因になるということのようです。若いコーチの方が柔軟で頭の回転が早く、データ解析などにも融和的かもしれません。しかし、その上で経験年数には年齢の上昇が招くマイナスの影響以上のプラスの影響があることもここからわかります。優秀なコーチが若いうちから実績を残し、淘汰を乗り越えて長期に渡って経験を積み上げていくことで「名将」が生まれる、ということでしょうか。NBAコーチの全体的な高齢化は、そうした経験の力が自然に現れてきているものと言えるのかもしれません。

NBAコーチはどうやって選ばれるか

Business Insiderのスコット・デイビス記者の記事。データから見れば上記のように「優秀な経験の多い人物が選ばれやすい」などと考えることができるかもしれませんが、ジャーナリストの調査が示すのは「人の繋がり(connections)」という非常にアナログな要因こそが重要だということです。経営者は自分の知らない人間を雇わない、という大変身も蓋もない事実を教えてもらえる記事です。その繋がりの出来かたは多種多様、とにかく自分の仕事を一生懸命こなしていたら周りの優秀な人に引っ張り上げてもらえた、もとNBAプレーヤーだった、高校の教え子がどんどんNBAで活躍してそれでスカウトされた、親のコネ。色々ありますが、良い仕事をしていれば必ず自分を見つけてくれるなどとは限らないが、結局優秀で高い評価を受けなければNBAでコーチの仕事をし続けることは出来ない、最終的にはやはり能力に返ってくるというのが多くのコーチたちの結論のようです。

ウェストブルックはトリプルダブルのためにスタッツ稼ぎのプレーをしていたか

これもHSACのオースティン・ティミンズの記事。これは面白いよー。この件に関してはKも以前検証していますが、少なくともリバウンドに関してはスタッツ稼ぎのプレーをチームぐるみでしていたことは間違いないと考えていますが、ティミンズはプレーの性質を見るのではなく、Play by Playからプレーの間隔を調べることで、ウェストブルックがトリプルダブル狙いのプレーをしていたかどうかを検証しています。

出てきた結果は見事で、10リバウンドないし10アシストが近づくと、次のリバウンド・アシストまでの時間がはっきりと短くなるという事実を発見しています。つまり、2桁達成が近づくとそれを達成しようと急ぐ心理がプレーに反映されるということです。また、ゲームの残り時間が少なくなるほどスタッツを稼ぐ間隔が短くなることも示されています。さらに、大差勝ちや大差負けの勝敗がだいたい決まったゲームの場合は、リバウンドについてはスタッツ稼ぎのプレーをする傾向が弱まるようです(アシストは同じ状況でも変わらず稼ぎプレーをする)。これはなんでしょう、アシストは稼ぎづらいので状況に関わらずできるだけ稼ごう、リバウンドは稼ぎやすいからそこまで頑張らなくていいや、という心理でも反映されているのでしょうか。また、リバウンド・アシストが10を超えると、次のリバウンド・アシストまでの間隔がそれまでと比べて明確に長くなるということも発見しています。つまり、2桁達成したからもう頑張らなくていいという心理がここに現れていると言えます。

個人スタッツはチーム全体の影響を受けるので個別のプレーヤーの能力を正確に測るには問題がある、個人スタッツの分析はより細かくより具体的で基礎的なデータを見ることで個々のプレーヤーの(能力じゃなく)個性を知るために行うほうが有意義で面白いのでは、というのが最近のKの考え方ですが、この分析は基礎的なデータからプレーヤーの心理にまで迫るという、スタッツ分析でも最高に面白い部類の成果です。ウェストブルックが己の数字のためにプレーしていることがこうしてまた証拠付けられて、いやー、リスペクトが減りますなー。

デリック・ホワイトとジャロン・ブロッサムゲーム

デリック・ホワイト

ビュフォードGMがホワイトのことを「単にステップアップしてきたのではない、食物連鎖を駆け上がるように勝ち上がってきたのだ(He’s not only stepped up, but excelled as he’s moved up the food chain.)」と評していますが、驚くべきストーリーを持ったプレーヤーです。

ホワイトの辿ってきた道についてYahoo Sportsのジェフ・アイゼンバーグ記者の記事が最もよくまとまっていると思います。ホワイトは高校時代に全く無名で大学からのオファーがなかったようです。そこで父親のリチャードがホワイトのプレーをまとめたDVDを作り多数の大学にそれを送って関心を持ってもらおうとしたものの、身長6'0"体重150lbsしかかったために殆どの大学に「小さすぎて通用しない」と断られました。唯一高校時代からホワイトに積極的に関心を持っていたのがNAIA所属の料理学校で、ホワイトは料理人になることに全く関心がなかったのでこの誘いは断っていました。結局、様々な大学にアピールしたものの奨学金付きのオファーがあったのはワイオミング州の短期大学1校のみ。ところが、ホワイトを勧誘していた料理学校のコーチがNCAA Division2所属のコロラド大学コロラドスプリングス校(UCCS)のコーチに就任したことから同校から奨学金付き(全額ではなく一部支給)のオファーを受けられることになり、UCCSに進学できることになりました。つまり実質的にはNCAA Division2の大学からすらオファーを受けることはなく、UCCSに入れたのもほとんど運が良かっただけということになります。しかしまた幸運にもその後急激に身長が伸び、UCCSで成長を続け3年時にはNCAA Division2のオールアメリカンサードチームに選ばれています。ファーストチームですらないというのは驚きですが、このあとNCAA Division1のコロラド大学ボルダー校へ転校、NCAAの移籍ルールに基づき1年のレッドシャツを経て、1年だけの挑戦でオールPac-12ファーストチーム、Pac-12オールディフェンシブチーム選出という結果を残し、NBA Draft Combineで素晴らしい身体能力値を記録し、5 on 5でも最高レベルパフォーマンスを見せることで急激に評価を上げ、最終的にスパーズに1巡目指名を受けるところまで上り詰めました。まさに食物連鎖を駆け上がるようにしてNBAプレーヤーに成り上がったと言えます。しかし、この成り上がりの第一歩は「ホワイトを評価していた唯一の人物がタイミングよくUCCSのコーチになったこと」であり、本当に運が良かったとしか言いようがありません。また、コロラド大HCのタッド・ボイルがカンザス大でプレーしていたときにカンザス大のACを務めていたのがビュフォードで(HCはラリー・ブラウン。アルヴィン・ジェントリーもACをしていたようです。すごいメンツだ)、このときの繋がりもあってドラフト前にビュフォードがボイルとホワイトについて話し合い、それが指名に影響したようです。なんと人に恵まれた人生だろうか。

(2019/04/23 22:40 追記:ホワイトが最初に勧誘を受けていたJohnson & Walesを「料理学校」と訳しましたが、これは間違いです。本文中にただJohnson & Walesとあるためなんとなくそう思い込んでいましたが、正式にはJohnson & Wales Universityですので立派な大学です。調理の専門課程で知られた大学、と認識・訳出するのが正しいです。調査不足でした、失礼いたしました)

重要なのは、この選手が殆どゼロの状態からドラフト1巡目指名選手へと5年で急激に成長したことで、この成長力はこれからもおそらく続くだろうと思われることです。経歴自体が成長余地と高い向上意欲を示すものと言えると思います。諸々のスカウティングレポートが弱点として「それほど優れたクイックネスはない」事を挙げていますが、ドラフトコンバインの数字を見る限りでは身体能力自体はかなり高く、ボールハンドリングの改善やディフェンス技術の向上、経験によってまだまだ向上するのではないかと思います。

ホワイトに関する記事で他に良いものがいくつかあります。まずはThe Ringerのジョナサン・チャーク記者のスカウティングレポートで、ホワイトのスカウティングレポートの中でもかなり質の良いものです。NBA.comのクリス・ドーチ記者の記事ではボイルがホワイトについて存分に語っています。ボイルがウィングだったホワイトをPGとして着実に鍛え上げたことでホワイトの能力的限界を押し広げ、今ドラフトでもトップレベルの万能型プレーヤーへと成長させたことは間違いないでしょう。The Denver Postのキャメロン・ウルフ記者の記事はホワイトのコーチたちや友人たちからのホワイトへの見方が伝わる、地元紙でしか書けない良い記事です。ホワイトが3年間を過ごしたコロラドスプリングスの地元紙Colorado Springs Gazetteのポール・クリー(画家のパウル・クレーと同じ綴だ)記者の記事は、UCCS時代のホワイトのことも忘れないでくれよ、という地元紙記者の熱のこもった良い記事。同記者はナゲッツが24位でホワイトを指名しなかったことを批判する記事も書いています。生まれも育ちもコロラドのスター候補となるとそれこそチャウンシー・ビラップス以来、しかもナゲッツのPGはやや将来が不透明なポジション、しかもおらがまちでステップアップした、UCCS初のNBA選手がナゲッツNBAプレーヤーになってくれるとしたらストーリーとしては完璧です。怒る気持ちも分かる。

(7/3 18:10 追記)

Spurs.comのローン・チャンの記事が大変良い出来ですのでこちらも読まれたし。

ジャロン・ブロッサムゲーム

驚異的な身体能力を持った選手ですが、意外というべきかかなりの大怪我を乗り越えてきたようです。myAJC.comのキャロル・ロジャース・ウォルトン記者の記事がブロッサムゲームの障害を乗り越えるプロセスを丁寧に描いています。ブロッサムゲームは2012年にクレムソン大学に入学する予定だったようですが、その年の4月に練習中にダンク後の着地で左足を骨折、骨が突き出るほどの大怪我で最初のシーズンはレッドシャツで過ごすことになり、更に翌年6月には回復を早めるために尻の骨の骨髄を移植する再手術を行い、骨折から復帰まで1年半ほどかかったようです。更にフレッシュマンシーズンの最後には、軽いものではあるもののまた左足を骨折。読んでて嫌になりますが、これほどの怪我を乗り越えてNBAに手がかかるところまで来たその精神力はすごいです。「チタンロッドで補強したからもう骨折の心配はない」「骨折前よりアスレチックになった」と語っていますが、実際ゴリゴリにアスレチックなプレーをしていて、よく怖くないなあと思ってしまいます。こうした状況で自分をサポートしてくれた周囲の人々に対する感謝の念は非常に強く、昨年のドラフトでエントリーを取り下げて大学に戻ったのはそうした周囲の人々へ恩返しの気持ちもある程度あったのではないかと思います。ちなみに、nbadraft.netの昔のモックでは「去年クリッパーズが25位で指名を確約していたという噂があったのにエントリーを取り下げた」と書かれていますが、流石にこれは間違いでしょう。当時のコーチのコメントを読むに、1巡目で指名されたかったけど、ドラフトコンバインやワークアウトからその手応えを得られなかったから戻ってきたというのが一番大きい理由でしょう。

これ以外ではHoopsHypeのアレックス・ケネディ記者の記事がかなり質の良いものだと思います。ブロッサムゲームがどれほど練習熱心で人間的に優れているかということをチームメイトが語っているのを読むと、これならスパーズで大丈夫だな、と安心します。ボランティア活動にも非常に熱心だったらしく、いい話が書かれています。また、このインタビューではクワイ・レナードと自分を比べていると語っています。サイズ的に似通っていることや、シューティングが下手な選手だったレナードがNBAトップレベルのシューターにまでなったことなどが自分に重なるようです。トーリーン・プリンスも「デマール・キャロルに近い」と言われるたびに「モデルにしているのはレナード」と答えていましたが、最近ウィングでレナードを目標にしている選手が増えてきているような気がします。プリンスはサンアントニオ出身なので余計にというところもあるでしょうが、レナードのこの「俺に似ている」と思わせる力はなんでしょうか。高校時代からトップエリートだったわけではなく、ディフェンス専門のロールプレーヤーから地道な努力で着実にNBAのトップまで上り詰めている感じが努力型のプレーヤーの共感を呼ぶのでしょうか。「誰もがレブロンにはなれない」とみんなが思う一方で「レナードにならなれるかも」と思われるのは、後の世代にいい影響を与えているのだと思います。サンアントニオ出身のプリンスがホークスに指名され、アトランタ出身のブロッサムゲームがスパーズに指名される、同世代の比較的似たタイプのフィジカルなウィングがクロスするのもなかなか乙ですね。

しかし、ブロッサムゲームも背番号5かあ。スパーズはほぼ毎シーズン誰かが5番つけてますが、ここ数年は渋滞に近い状態ですね。ジョセフが5番を4年つけてる間に大学まで5番をつけていたアンダーソンが入ってきて1番に変えて、ジョセフがいなくなったら今度マレーが5番つけて、更にブロッサムゲームがかぶりますよ。サマーリーグでは15番をつけているようですが、え、まさかと思うけど欠番にしないの……?

今更でもないドラフトーク2017

予想の答え合わせから

まずは結果。

全体の予想は正解率5/30。ものの見事に外しまくる。ひどいもんだ。それでも去年は4つしか当たらなかったからまだ良い方よ。順位は異なるものの指名したチームが同じ場合は正解とすると、DraftExpressは15/30nbadraft.netは8/30チャド・フォードは12/30でさすがの正答率。上の方は当てやすい一方で下の方はハズレが溜まって正答率が低くなっていくのだけれどそれでも当てているDraftExpressは流石と言うべきか。23位でアヌノビーとか普通は当たらん。しかし、毎年当たらなくても予想するのは、そのプロセスで諸々の分析をすることでこのチームはここが強いとか弱いとか厚いとか薄いとかそういうことが分かるから。ドラフト後のFAの動きも各チームの狙いがある程度わかってきます。当たったかどうかより理解したかどうかが重要なのです、と無様な言い訳をしておく。まあ、でも仕事で書いて5つしか当たってないやつもいるから大丈夫。

DraftExpressといえば、去年のドラフト感想で「DraftExpressのモックは当日のインサイダー情報に基づいてドラフト直前に変えている」と書きましたが、今年もやってましたね。証拠なしで言ってもしょうがないので今年は変更がある場合にできる限り全てに近いぐらいの頻度でarchive.isにデータを保存しておりました。で、6/22というのがドラフト当日なわけですが、これの09:37更新版では例えばニリキーナ(実況アナウンスからンティリキーナと表記していましたがこっちが正しいらしい)が15位で、その次の更新の14:26更新版でも同じでしたがドラフトが始まった直後の16:06更新版ではニリキーナが8位に変更され、その10分後の16:16更新の最終版でも同じ結果になっています。ドラフトが始まったのが東部標準時の19:00で、DraftExpressの更新時間は太平洋標準時で東部標準時に3時間遅れなので、ドラフトが始まってからの不自然で大幅な変更です。要はここでインサイダー情報が入って当てにいったということでしょうが、なんだかなあ、これで当てたとか言われてもねえという感あり。他ではアヌノビーとブラッドリーが前日までは異なる予想だったのに当日に「正解」の予想に変わっています。まあ、でも現場の各チームのGMなどは、こういうインサイダー情報に基づいた確実な予想があることで(特に複数指名権を持つチームが)指名戦略を変えたりできて良いのかもしれません。あと、去年に比べればこういう変更は少なかったと思います。去年はメイカーとかパパヤニスとか極端な順位変更が結構ありましたからね。nbadraft.netも直近までせせこましく変えたりしますが、アヌノビーやパセシニクスなど、自分とこで評価していない選手に関してはたとえ一般的な評価がどれほど上がろうともずっと2巡目予想で貫いています。これはもう予想というより評価の押し付けですが、Kの尊敬する格闘とんち漫画家の板垣恵介先生は「強さとは我儘を通す力」と語っておられます、nbadraft.netのモックは、強い、漢の予想と言えるでしょう。憧れちゃいますね。

あとスパーズの予想も完璧に外す。ポジション分析の段階でガードもありうると考えていたなら、ホワイトは確実にガードの本命にしていたと思いますが、スパーズって2年連続で同じポジションの1巡目指名とかなかったと思うし、特に去年マレー指名できちゃったので今年はガードはないなと思って外してしまった。ブロッサムゲームもまさか落ちてこないよなと思ってたら落ちてきてしまった。こっちに関してはいい方に外れたので良し。先に書いたようにスパーズ的な観点から言えば非常に素晴らしい素材です。シューティングが改善すればそれだけで平均よりだいぶ上のウィングに化けうる。ホワイトについてはこれでいいのかどうかよく分かりません。ミルズほどのスピードはありませんがそれ以外ではミルズの上位互換だと思うので(シューティングに関しては不明)、これでミルズが去ってもあまり問題にならなくなったと思います。サイズがあって身体能力が高くて視野が広くてバスケットボールIQが高くて、シューティングもパスもドリブルもあらゆる技術が高水準で、現時点でほぼケチの付け所がないんじゃないでしょうか、完成度が非常に高いです。特にプルアップ3Pを高率で決められること(2モーションなのにフィートセットからリリースまで一切無駄がなくかなり早いので、スペースが少しでもあれば安定したフォームで躊躇なく打てる)やFTを稼ぎまくることで得点効率が抜群にいいのが素晴らしい。ディフェンスでややフィジカルが弱いとか23歳とかマイナス点はそれぐらいか?ディフェンスといっても、ガードなのにBLKが1試合あたり1.4とかどうかしてるし(BLK%が4.9%とかC並み。ジャレット・アレンのBLK%が5.0%なのでこれとほぼ同じです。とにかく読みとタイミングが抜群。サイズと身体能力はもとよりIQの高さでブロックしている面が強い)、サイズがあってフットワークが軽いのでフィジカルと技術を鍛えればすぐにものになると思います。Pac-12のオールディフェンシブチームに選ばれてるし、そもそもディフェンスは大学レベルではかなり良い部類でしょう。ディビジョン2からの叩き上げで、しかも今までずっとウィングで、最終学年で初めてのディビジョン1チームでのプレーにして初めてPGでプレーしてちゃんとものになっているところとか、バスケットボールIQと成長力は恐るべきものがあると思います。マレーとの兼ね合いをどうするかが今後問題になるでしょうが、将来的にジョージ・ヒルみたいになってくれるといいなと思います。他にも山ほど優秀な選手がいる中でベストの選択として選んだのだろうから、これはこれでいいか。去年マレーを獲得していなかったら「最高!100点!」と喜んでいたことでしょう。

ホワイトやブロッサムゲームの記事は後で集めよう。しかし、インサイド、オルドリッジをトレードするとして特にPFはどうしたものだろうか。いっそアンダーソンにでもやらすのか。

ドラフト雑感

今年は人材豊富で、基本的にどこが誰をどの順位で指名しても「いい指名」になる感じでした。13位まではほぼ評判通りという指名で、それ以降も多少の順番の前後はあっても、基本的には波乱と呼ぶべきものはありませんでした。1巡目だとアデバヨが早いな、ハートが入るんだ、ぐらいのとこですかね、驚いたのは。去年の大荒れっぷりが恋しい。

指名が早い順から感想。てきとうです。

シクサーズは100点以上。一体これで誰がどこに文句つけるのか。シクサーズファンは少なくとも開幕までは毎日夢心地でしょう。サム・ヒンキーの方角に毎日礼拝しないとね。個人的には50位のレソートが好きで好きで……もう犬かってぐらいボールを追いかけ回して可愛いです。NBAでも一生懸命あっちへこっちへ走り回ってほしい。スタッシュだろうけど。なんかGM変わってからインターナショナルプレーヤーばっかり指名してますが、ブラウンの要望かなんかでしょうか。あとパセシニクスのために2020年の1巡目と2巡目指名権をトレードしたことに、ついにシクサーズも他所に指名権を与える立場になったか、という妙な感動をおぼえます。しかし、シクサーズの指名権ではなくサンダーの1巡目(1-20位でプロテクト、条件が複雑)とネッツかニックスの安い方の2巡目指名権なのが微妙に腰が引けていてダサい。感動がさめる。ここは男らしく「2020年には俺らトップチームになってっから!シモンズでフルツでエンビートだから!」と自分とこの指名権を出してほしかった。3年後にリーグのトップ10になっている、サンダーより上のチームになっているという自信がないってことよな。Kはこのトレード、ダサいって言い続けるからな……。

レイカーズも100点以上でしょうか。弱いところに的確にいい選手を指名していて賢いと思います。28位を30位と42位に交換して42位でブライアントというのは本当にうまい。それと各ポジションでシュートレンジの広い選手を揃えているのが、方向性がわかりやすい。あとはシューティングを改善するためには戦術構築が問題で、一番穴の大きいディフェンス力は現時点ではほとんど改善できないメンツだと思うので、長期的なコーチングと育成の成果がこれから問われます。オヤジが言うような「来年ロンゾがプレーオフに連れていくぜ」みたいなことには多分ならないでしょう。バスケットボールの半分はディフェンスですので、それがリーグ最低のチームはオフェンス力がリーグ最高のチームにならない限り、82試合の半分を勝つことはできません。まあ、半分どころか45勝してプレーオフに出れないこともあるのが地獄ウェストの地獄たる所以ですが。偉大なるポール・ジョージ様のお力をお借りして早くて2年、多分3年以上はかかるんじゃないですかね。なんにせよ1年でどうにかなるようなものではないでしょう。

セルティックスはこれ、いいのか悪いのかなんとも言えない感じで。セルティックスの主力って基本的に外様で、ドラフトから中心選手が育ってないんだよなあ。ブラッドリーは効率があまりよろしくないですがまあこれは良しとして、スマートは基本的には失敗に分類していいでしょう、オリニクもロールプレーヤー以上になれない、ロジアーもダメダメ、ブラウンは結論出すのに早すぎるとして、このチームはわりとドラフト下手なんではないだろうか、あるいは育成が下手か。うーん、主に育成かな。オジェレイはここで取れて羨ましいと個人的には思いますが、3位はジョシュ・ジャクソンで良かったのではないか、他にもっといい選手がいるのではないかと思う余地のある指名が今年もなされたという印象です。結果がいい方に行けばそれでいいですが。しかし、これだけ条件の良い指名権をたくさん持っててすでに良いプレーヤーがたくさんいて、5年以内に優勝できなかったら大問題だぞ。

サンズは病気が治ってよかったね。治ったと見せかけて54位でアイザイア・ブリスコーをぶっこんでくるのではないかと期待していたら違った。本当に治ったのだ。来年ぶり返すかもしれませんが。32位は他にもっといい3&Dプレーヤーがいたのではないかと思います。サンズにとって一番欲しいポジションに他の年なら1位指名されるような選手を取れたのは奇跡に近いですね。

元祖謎ドラフト本舗、キングスが実にらしくない真っ当な指名をして大変驚いています。10位を売って15位と20位で可能な限り良いSFの指名とPFのポテンシャルピック、本当にこれはキングスだろうかと不審になる上手さ。去年なんてトレードダウンした挙句13位以外は完全に成り行き指名してたのに……。ジャイルズについては、インサイドはかなり厚いので、また去年指名したラビシエが良かったので、失敗してもそれほど痛くないということでPFでリスクを取りに行けたんだろう、と理解しております。PGが本当にいないので34位で重ねてPGを取りに行ったのも良かったのではないでしょうか。新人二人にいきなりおまかせでは厳しいので、多分誰か堅実で新人の良い教材になるベテランPGをFAで取りに行くと思います。誰がいいかな、カリーかな。

マジックは選べる範囲でできる限りいい選手を選びましたという感じ。誰もケチはつけない感じ。うーん、これ以上特に書くことない感じ。

ブルズとウルブズのトレードについては批判的なことしか思い浮かばないです。ブルズファンとウルブズファンには申し訳ないんだけど、本当に不快な代物でしたね。まずトレード内容の妥当性を考えると、やはりブルズがバトラーを安売りした印象があります。シボドーが昨シーズンからバトラーを獲得を熱望していたことは明らかで、他に引き合いも多数あったため、バトラーのトレード市場は完全に売り手市場だったのだから、もっと条件を有利にできただろうと思います。ラヴィーンが来シーズンプレーできる試合数がかなり限られていることと来オフにRFAになることを考えると、バトラー(契約が3年残っている)対7位指名権+ダン(この選手もシニアドラフティーだ)でも安売りしている感があるのだから、16位指名権は出さなくても可能だったのではないか。全盛期を迎えたフランチャイズプレーヤーをこうまで安売りできるブルズGMの蛮勇ぶりは、よそから見る分には呆れを通り越してちょっと清々しい感じもしますが、怒れるブルズファンは石投げてOK、許可します。ウルブズ側の不快な点はラヴィーンを出したこと。そもそも、この手のプレーヤーを毎試合勝負が決まっても引っ張って長時間プレーさせ続けたらどうなるか、シボドーはデリック・ローズから学ばなかったのだろうか。さんざん使い潰した挙句当然のように壊して、それでトレードではいさようならってひどい話だ。シボドーはバトラーのトレードを主導したはずだし、社長なんだからトレードの内容に許可を出す立場なわけでしょう、本当に嫌な気持ちになります。トレードの一方が安売りしたとき、その相手方は得な買い物をしたことになりますが、だからといって「うまいトレードをした」とウルブズ側を褒める気には全くなりません。最低のコーチと最低のGMの最悪のコラボレーションがこの醜悪なトレードだったと思いますよ。ブルズの指名については足りないところにちゃんと選んだなという感じですが、ベルをウォリアーズに金銭トレードで出したのは謎。1巡目指名されててもおかしくないような選手を普通金で売ります?マルカネンとポルティスでPFが十分になったからというのであれば別のポジションで指名すればいいだけだし。なんで売ったのか理由が分からない。まず1年しっかり育成して、2年目の出来具合をみてその後のことを考えればいいと思いますが。毎年即戦力になりそうな選手ばかり指名するところといい、基本的に待つことができないんですかね。そういやDリーグチームもしばらく持っていませんでしたが、育成とかする気がないのだろうか。

ニックスは必要なポジションにいい選手を選びましたよ。問題は才能を消尽させない環境づくりをしてあげられるかどうかですよ、このチームの場合は。そしてそれが無理そうなのはご存知の通り。ポルジンギスほどのポテンシャルの持ち主でもスタッツに現れる限りでは1年目と2年目でほとんど質的な向上がみられない。NBA1年目から2年目の期間って多分1番と言っていいぐらいプレーヤーが成長する時期だと思うんですが。頑迷なフィル・ジャクソンをクビにするのが最大の補強なんだろうけど、いつもは悪い意味で行動力のあるドーランが、今や悪い意味で行動しなくなってしまった。仮にクビにしたとしてもドーランがまた悪い意味で行動的になるだろうし。関係者全員のHPをそこにいるだけで削っていく毒の沼地のようなニックスですが、ドラクエじゃないのでトラマナなど唱えられない。もはや立ち入らないのが一番という状況でしょうか。情けなや。今のニックスでプレーしたいと思ってるプレーヤーなんてほぼいないんじゃないでしょうか。

マブスはアスレチックで火力のあるPGという一番必要な選手をゲット。長期的に中心選手になっていく期待がかけられますが、よくも悪くもウェストブルック的なプレーヤーなので、非効率なボールを動かせないプレーヤーになってしまう恐れはありますが、カーライルならきちんと教育できるでしょう。人に恵まれたチームに指名されるのはスミスにとって幸運だと思います。

ブレイザーズ、ロースターの空きも3枠しかないし、10位と15位+20位の交換はうまい。しかしまさかPFを二人指名するとは。どんだけ現有PF陣を信頼してないんだ。信頼しろっつー方が無理か。アミヌが実質PFとして、PF5人。うーん、まあ取った二人は両方ともいい選手なので指名自体は悪くないのかな。

ホーネッツが謎ドラフトをしなかったのにはがっかり。残った選手で一番いいのを普通に指名しやがって……。ケチをつけるところがあるとしたらそれぐらいでしょうか。今年は謎ドラフトが少なくて寂しいですね。ホーネッツとキングスが頑張ってくれないと面白みが減るなあ。

ピストンズは、あ、そっち?という感じですが、足りないところに想定される選手を普通に取った形か。これも特に言うことないかな。非常に真っ当です。

ジャズはトレードしてミッチェルとブラッドリー。性格のいいウィングスパンのある選手を取るという実にジャズらしいと言うかなんというかな指名でしたね。最初ナゲッツがミッチェル指名したときは「またSG!!」と呆れましたがトレードして獲得したのが「またストレッチ4!!」だったので再び呆れました。ジャズがウィングにいかなかったのはヘイワード残留への自信の表れとKは受け取っておきますよ。あとやっぱり古典的Cは取るのね。ウィリアムス=ゴスもジャズらしい。全体的にチームカラーの出た指名だったと思います。

ヒートについて。Q.あのー、なんで?A.貪欲なハードワーカーが好きだからじゃい。とのことです。ホワイトサイドとどちらか片方だけという使い方はしないだろうから、サンダーみたいなダブルCの状況がどんどん出てきそうで、フロアのストレッチとかどうするんだ感。ディフェンスは次シーズンもまたバッキバキになりそう。まー、ヒートはスカウティングがかなりいいので結果的にやっぱり正解だった、という未来が来そうではある。

ジャスティン・パットンは全部がいい方に改善するとちょっとしたタウンズになりそう、とか書いたらタウンズのいるチームに指名されてしまった。PFという感じでもないので、シボドーがタウンズを壊してくれないとほとんど試合でれなさそう。ジェンも契約延長したし。シボドーって確かDリーグも全然活用しないよね。パットンが成長・活躍できる環境が整うということはウルブズにとって不幸な状況ということになりますし、ウルブズにとって順調な状況はパットンにとって不幸な環境になりそう。

バックスはポジションお構いなしとは書いたものの、まさかここまでとは。こりゃメイカーはCで使っていくということで確定か。なんか、全ポジションでかくてニョローンとしたのが揃ってる。

ペイサーズはあちこちのメディアで指名の評価が低いですが、結構良くない?2巡目でザ・センターという感じのアニボグも取れて、身体能力の高いスラッシャー型のコンボガードのサムナーも取れて、ほしいところにかなりいい素材を指名できていると思いますが。ウィングとPGも必要ですが、18位、47位、52位で指名するならこれでケチはつけられないでしょう。与えられた条件の中では十分良い選択をしたと思いますけどね。来年は今の所ウィングが充実しているみたいですし、長期で見ると悪い指名とは思えない。

ホークスは会心の指名ではなかろうか。点とリバウンドを取れるPFというホークスが一番必要としている選手がよく残ってたなあ。また、このチームならシューティングレンジもちゃんと広げられるだろうし、チームとコリンズの双方にとって最良のマッチングだと思います。バスケットボールIQがアレでディフェンスがひどいらしいのでそのへんの伸びしろが怪しいですが、なんとかするしかない。なんとかして。

サンダーはアスレチックな3&Dのウィングがほしいということかな。来季サンダーはサラリーキャップに全く余裕がないと言うか多分タックスラインをぶっちぎると思うので、ディフェンスは出来ても点を取れないロバートソンと高額の契約延長をするとは考えにくい、他のウィングはオフェンスかディフェンスのどっちかがさっぱりな選手が多いのでファーガソンに両方できる選手になってほしい、ということでしょうか。まあ、ああいう戦い方をしている以上誰が来てもシューティングの悪さはどうにもならないと思います。サンダーに来る前、シングラーはなかなか良いシューターだったことを思い出そう。プレーヤーの問題じゃなく戦術の問題ね。ボールが動かないチームのシューティングが改善することはないし、サラリーキャップ的に優秀なスコアラーが入ってくることもないので多分戦術も昨季とあまり変わらないでしょうから、来季は良くて現状維持ですかね。ファーガソンはフィジカル的に仕上がってないので、最低1年は育成期間が必要なのではないかと思います。

ネッツはドラフト以前にトレードが見事。どん底感は相変わらずだし短期的に良くなることはないだろうけど、少なくともその環境の中で長期的視点から打てる手は最大限に打っていて大変良いと思います。ロベス兄はどん底ネッツを長年支えてくれていたわけですから、できればもっと長くプレーしてほしかったという感もありますが、仕方ないか。ラッセルは心機一転ネッツで頑張ってほしい。アレンも22位では本来指名できない選手だと思うので良かったと思います。2019年にようやくドラフト1巡目指名権が使えるようになるので、あと2年は地ならし期間だな。ショーン・マークスGMの手腕は見事ですが、もうドラフト指名権と交換できるような資産がないので、来オフは今まで以上に難しいオフになりそうです。キャップルームがスカスカなので今年もRFA選手へのネッツ爆弾が炸裂しそうで非常に楽しみ。ブレイザーズはおかげでスカスカキャップルームからタックスライン超え目前まで急進しててすごかったですね。他所のチームに同じことをしていたので因果応報ですが。

ラプターズは安い買い物をしたのではないかと思います。シューティングはだいぶ怪しいですし時間がかかるでしょうが、このレベルのディフェンダーはそうはいないと思います。1年目はしっかりリハビリと育成に注力して、戦力として期待するのは2年目からでしょうか。

ナゲッツは去年エルナンゴメス取って更にストレッチ4を二人ですか……ダレル・アーサーもいるし……。シューター型のSGも4人ぐらいいてバランスが悪いっすね。実際今シーズン3Pポンポンチームになって得点効率がいいのだから、こういう方向に傾くのも分からいではないが。ロケッツみたいにC以外全員シューターみたいな方向に行きたいのかも。

2巡目はいい選手いっぱい。各チーム好きそうな選手を取ってるなあ、という。ハルテンシュタインとアニボグはここまで落ちたか、モトリーが指名されなかったのか、という部分は驚きでした。

今年は荒れなかったのであんまり面白くなかったし全体的に書くこともないですね。キングスが今年もSGを指名して我々の知性の限界を試してきたり、ジョーダンが「ワシャ大学で実績を残した者しか認めん!」と怒りのフランク・メイソン11位指名とかやらかしてたら大喜びでしたがそういうのもなかったので。来年は大荒れの指名を期待。おわり。