だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

プレーオフ出れてよかったね、オースティン優勝してよかったね、今年のドラフト予想はやらないかも、ルカ・ドンチッチは"mystery"ではない、の話。

プレーオフ出れてよかったね

絶対プレーオフに出るスパーズの光の力と絶対プレーオフに出れないゲイの闇の力の戦いとか適当なこと書いたらここまでもつれてしまった。ゲイの闇の力やばすぎでしょ……。レナードなしでよくここまでやったなとも言えますが、見方を変えるとゲイの闇の力でレナードの怪我が長引いたと考えることもできますからね。くわばらくわばら。

怪我だらけで大変なシーズンでしたが、本来強みのはずのベンチが悪かったのが苦しんだ要因でしょうか。ベンチプレーヤーが出ているときのNETRTGがだいたいチーム平均以下。オルドリッジにおんぶに抱っこの戦い方で、実際そうするのが一番良かったんでしょうけど、これだとボールを動かしにくいので全体の効率が悪くなるのは必定で、来シーズン以降戦い方やロースターをそれなりに変えていかなければいけないのは確実でしょう。個人的にはオフェンスはどうしようもない部分も多かったのでしょうがないとして、ディフェンスがかなり悪かったという認識です。数字の上ではリーグ3位なのでかなり良いということになりますが、終盤もろくて勝てる試合をむざむざ落としたケースが多く、主観的な印象としてはスパーズらしくない、本来そういう場面できちっと凌げるようなチームでしょ、という感じ。特にパーカーはひどい。あと意外といえば意外だけど、グリーンも終盤でダメ。パーカーは攻守両面で全くダメで、はっきり言って2nd Unitとしても不合格のレベル。来期以降も契約すると思いますが、今シーズンより良くなる要素がないので、ホワイトを2番手PGにしてパーカーは3番手まで下げるべきでしょう。あまりこういうことは言いたくないけど、オフにパーカーと1000万ドルクラスの契約をしてアンダーソンあたりをみすみすリリースするようなことになるのが最悪の将来でしょう。アンダーソンがいくらになるかわかりませんが。パーカーFA、グリーンとゲイがオプトアウトで3400万ドルぐらいスペースができますが、さすがにアンダーソンに1500万ドルとかになると出せないのかな。今シーズンはオルドリッジの次に貢献度が高かったと個人的には思うので極力残すべきだと思います。

しかしまあ、47勝してやっとプレーオフ出れるウェストが地獄という他ない。近年の最地獄シーズンだった2014-2015が45勝でプレーオフ落ちで、今シーズンが46勝でプレーオフ落ち、10位のクリッパーズが勝ち越しで終盤までプレーオフ争いとかひどかった。東西格差で言うと今シーズンの勝率が東は49%西は51%で、2014-2015が東は47%で西は53%なので小さくはなっていますが(実際のところ、西の下の方のチームが平然とタンキングしていることで数字上差が縮まっているだけで、質的には大して縮まってないのではないか)、混戦具合で言うと史上最高レベルなのではないでしょうか。プレーオフ出れてよかったね、ホント。

オースティン優勝してよかったね

強っ。デリック・ホワイトがここ何試合か30点ゲームしまくっててすごかったですが、最後に大ゴケしてて笑う。ジャロン・ブロッサムゲームはGリーグでは全く問題なし、特にシーズン後半になるほど内容が良くなっていたので良いことです。多分来シーズンはNBAで契約するのでしょう。ハンランはどうかわからん。オースティン、チームのFT%が80%で1位とか普通にスパーズより良くて羨ましい。今年からHCになったブレイク・エイハーンが現役時代Dリーグ通算でFT%が.956(!)あったとかいう話なのでシューティング教えるのがうまいのかもね。高校コーチから転身して1年目からチームを優勝させるんだから偉いものです。オースティンにもSASにもいた選手なので、現役時代から資質があるとあのGMのギョロ目に見ぬかれていたのでしょう。優勝セレモニーが可愛いので見ましょうね。

今年はドラフト予想やらないかも

DraftExpress死亡でやる気が無いです。スパーズはしばらくぶりに10位台の指名権になりそうなんだけど。多分19位辺りで、今のところではトロイ・ブラウン、あるいはミルズと指名権でトレードに出してクリッパーズの13位かサンズの15位あたりと交換してケビン・ノックスやマイルス・ブリッジス、ロバート・ウィリアムズなどが落ちてくるのを狙うとか、やり方はいろいろあるでしょう。なんにせよ6月の話ですか。

あと、インターナショナルプレーヤーの指名はやりにくくなっているのではないか、という気もします。1巡目だと指名から3年経つとルーキースケールに縛られないのですが、近年はヨーロッパ強豪チームの年俸がかなり上がっているのか、スタッシュしても年俸数百万ドルレベルの契約になってしまうケースが最近では多く(ボグダン・ボグダノヴィッチが年俸900万ドルアレックス・アブリネスが年俸600万ドル、いずれも3年保証契約)、スタッシュして仕上がるのを待ったり有力選手をFAで獲得しようとすると下手なNBAのFA選手よりもリスキーな契約になる可能性があります。というか、昨オフにアダム・ハンガと契約につながらなかったのはおそらくそういう面もあったのではないでしょうか。一方で北米選手の場合はNBA志向が強く、ヨーロッパで100万ドル単位の契約が可能な場合でもルーキーミニマムで契約したいというブランドン・ポールのような選手もいる。バイアウトの費用も上がってきているだろうし、スタッシュして仕上がった選手と安く契約するというインターナショナルプレーヤーの旨味が得にくくなくなってきているので、スパーズに限らず経済的にキツめのチームはドラフト&スタッシュがやりづらくなってるのではないかと思います。今年のオフは多分ニコラ・ミルチノフと契約があると思いますが、これもルーキースケールよりは高くなるのではないか。あとネマニャ・ダングビッチは確か今年で契約切れだったような。二人共ユーロリーグでかなりよくやっているので契約するなら今オフでしょう。

DraftExpressの死後にできたThe Stepienというサイトが結構頑張っているので、あの手のスカウティングレポートが好きな人は見てみると良いのではないでしょうか。多分DraftExpressがなくなって、じゃあ俺達が代わりになるもの作るぜという感じでできたのではないかな。実際にプレーを生で見たりワークアウトのたぐいを直接取材しているわけではなく、マニアがビデオ分析をしているだけだと思いますが、複数人でやって負荷を分散しているためか、個別の書き手が時間をかけたと見える結構濃い分析もあってよくやるなあという。

ルカ・ドンチッチはmysteryではない

もう本当にいい加減にしてほしい。大量のハイライトと分析記事、インタビュー等があるのに未だにドンチッチを"mystery"などというアメリカ人はどういうつもりなのだろうか。youtubeで「luka doncic highlights」で検索すると引っかかるのは20100件、ジェイレン・ジャクソンJrとかモハメド・バンバよりも多い。この種の言論に関しては去年の8月の段階でCourtSide Diariesのニック・フリントが「ルカ・ドンチッチはミステリーではない」という記事を書いて厳しく批判している。これはYahoo Sportsのベン・ロウバック記者の記事に対するもので、曰く「全てのインターナショナルプレーヤーについてその能力がNBAでは通用しないのではないかという心配がある、とか書いてるけどそんなもんアメリカの大学生含めてあらゆるドラフト候補に言えることだろ。それで言ったら全員ミステリーだわ」「90年代と違って今はインターネット上に大量の情報があるのだから、北米の選手じゃない=ミステリアスとなる理由が大してない」という話。普通にバスケ関連のアメリカのメディアを眺めているだけでもドンチッチの情報は大半のNCAAプレーヤーよりも入ってくるはず。これだけ情報があってミステリーとか言うのは、単に情報収集の努力が足りないか思い込みに過ぎない。こういう馬鹿げたラベリングは、アメリカンスタンダードがワールドスタンダードだ、あるいはアメリカが世界そのものだと無自覚に前提にしているアメリカ的な思いあがりでしょう。大谷翔平についてもこの種の"mystery"論法が山ほどあったけど、お前らとこの全てのドラフト候補やAAA選手よりも遥かにたくさん材料があったろうて。ちなみに、ロウバック記者は「どこがミステリーだ」という批判に対して「ミステリーというのはドンチッチのオフコートのことについてよくわからないということだ」と弁明していたようだけど、そもそもあんたの書いた記事はそういう趣旨の記事ではないだろうに。

NBAに関してはそもそも米メディアのものを読まざるをえない場合が多く、いい記事もたくさんあるのでまるで米メディアが全て非常に優れているような錯覚を抱きがちだと思いますが、スポーツメディアは思い込みや調査不足のしょうもない記事のほうが多いと思います。ファンメディアというか、要は素人が書いているものも実際多く、読むだけ時間の無駄な記事が量産されています。このブログでは基本的にメディアと記者の名前を書くことにしていますが、それはその過程でメディアや記者の質というのがスクリーニングされていくと思うからです。信頼できるのは一部のメディアの一部の記者だけと言ってもいいと思います。スポーツ専門メディアはしょうもないものが多いです。各地方紙はきちんと取材した1次情報を提供するので、NBAチームに関してもドラフト候補などについても大変優れた情報源になります。