だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

Kubuntu 16.10にアップデート

Ubuntu 16.10が公開されて各種の派生ディストリビューションもこれに対応したアップグレードが行われたわけですが、安定性重視なのでUbuntuはずっとLTS版で使ってきましたし、KubuntuもLTS版を使っていましたが、じゃあKubuntu 16.04.1 LTSがそんなに安定していたかというと全然安定していなかったので、ほんなら最新版で使うわ、ということで16.10にアップグレードしてみました。

で、早速「16.04.1から16.10にアップグレードできない」という根本的な問題に足を引っ張られる。そこからかよ!アップデートマネージャーは「新バージョンあるよ!使ってね!」みたいなことを言っておきながらこれはどういうことか、と白目をむいて泡を吹いた次第。ここ2日ぐらいはこれが解決できなくてなんだよこれと思ってほったらかしていましたが、今日Kubuntuのリリースノートを見たら、ubuntu-release-upgrader-qtをインストールしないとアップグレードできない問題があったらしい。

Note: If the distribution upgrade process fails to launch, you may need to install the package ubuntu-release-upgrader-qt.  

ほお、と思ってMuonでパッケージをインストールしてからアップグレードしたら出来ました。解決したのが日本時間で言うと昨日ぐらいの話なので、うまくいかなかったのもしょうがない。パッケージマネージャーがMuonからPlasma-Discoverに移行した際に、もともとMuonではデフォルトでインストールされていた(依存していた)ubuntu-release-upgrader-qtがDiscoverにデフォルトでインストールされてなかったために起こった問題だそうで。

アップグレードして変わったことというと、まず描画が全体的にさらに派手かつかっこ良くなっていることでしょうか。KDE 5.5から5.7.5へと変わっていますし、それ以外にも色々アップデートされているようです。あと、前に書いたDiscoverで検索ができない現象も解決していた。これは大変嬉しい。というか前の状態がひどすぎた。それ以外には特に目立って変わった部分はないかな。まあ、派手でかっこいいのはいいことです。Windowsライクで非常に使いやすいというのもすばらしい。それでちゃんと動いて問題起こさなければ最高ですよ。現状はなかなか最高とまでは言えませんが。

スパーズの開幕ロースター予想、他

スパーズの開幕ロースター予想

してみんとす。まず保証契約をしている14人は確定として、ポジションごとに分けるとこうなります。

  • PG:パーカー、ミルズ、マレー
  • SG:グリーン、ジノビリ、シモンズ
  • SF:レナード、アンダーソン
  • PF:オルドリッジ、リー、バルタンズ、ジャン=シャルル
  • C:ガソル、デッドモン

この中で来年Dリーグで主にプレーしそうなのがマレーとジャン=シャルル。トシなので頻繁に休みを与えられそうなのがパーカーとジノビリとガソル。ということで相対的に薄くなりそうなのがPGとC。なのでロースターの15人目として最後に加えるとしたらPGかCということになるでしょう。

で、本命はどうなのかというと、「誰も加えない」のような気がします。つーのも、比較的10日間契約をよく使ってDリーグの選手をNBAで試したりっていうのをよくやるチームで、開幕から14人全部埋めることってそんなに多くないように思います。どうだったかな、勘違いかもしれませんが。PFを出来る選手は多いので、Cは場合によってはリーに任せることもできる。PGはマレーに経験を積ませる目的で多めに使うのもいいだろうし、シモンズも一応できないことはないし、アンダーソンは大学まではPGで、やらせればボールハンドラー・ゲームメイカーの仕事もできるでしょう。そもそもボールを全員でシェアするチームにおいては古典的なゲームメイカーは必ずしも必要ではないというのもある。ということで本命は「誰も加えない」ということで。

で、PGとCでどちらがより薄いかといえば、ガソルを休ませた時に専任のCがデッドモンだけということになりますのでCでしょう。そしてこのポジションでキャンプディールを結んでいるのが、経験豊富で堅実なジョエル・アンソニープレシーズンマッチでもいいプレーをしていたみたいで、やはり対抗となるのはアンソニーでしょう。

単穴がPGのニコラス・ラプロヴィットラ。単純にプレーの質では彼が一番インパクトのあったプレーヤーと言えそうです。南米とヨーロッパでプロとして十分なキャリアがあって技術的にはNBAでも全く問題なさそう。しっかりゲームメイクとディフェンスができて、何より3Pがよく入る。年齢も26歳でプレーヤーとしてかなりいい時期。プレーだけを基準にするなら彼が入っても全くおかしくないですが、ガードは人材が豊富すぎるぐらい豊富なので……。今年1年マレーをDリーグに閉じ込めて徹底的にたたきあげる気がスパーズにあるなら契約するかもなあ、という。

連下はブライン(ブリン、のほうが近いかな)・フォーブス。前にも書いたけど、シューティングだけなら天才といってもいいと思います。ただそれ以外の技術となると心もとない。特にディフェンスが。そしてピュアシューターである一方サイズ的にはSGでもやや厳しく、ディフェンスをかなり鍛えないとつらい。そして何よりSGはスパーズの中でも特に厚いポジションなので、ここに割って入るのは至難の業と言わざるを得ません。ラプロヴィットラ以上にポジション的な難しさが大きい。というわけで、フォーブスが残る可能性はあるが、かなり低いと思います。

アーチディアコノとガリーノは残らないでしょう。フォーブスと合わせて3人ともDリーグのオースティンで叩き上げコースだと思います。シモンズやジャマイカル・グリーン(次シーズンはザック・ランドルフに変わってグリズリーズの先発PFを務めるそうです。ここまでたどりつくなんて、感動だ!)のように、NBAで活躍できる選手へと成長してほしいものです。

というわけで、誰も残らなかったら大当たり、アンソニーが残ったらかすり当たりぐらいの感じでひとつよろしく。

クリス・グラントがスパーズのスカウトになるらしい

ということらしい。2010年7月から2014年2月までキャブスのGMをやってたのだった。2005−2010の間にキャブスのアシスタントGMなのでダニー・フェリー門下ということで、そう考えるとスパーズに縁がないこともない。しかしこの人も、キャブスのGM就任直後にレブロンに出て行かれ、解雇されたあとにレブロンが戻ってくるとか、なんとも損な仕事をさせられてきたものです。

2011年ドラフトのカイリー・アービングとトリスタン・トンプソンの指名は成功と言えるものの、2012年のディオン・ウェイターズ、2013年のアンソニー・ベネットは完全に失敗で、成績も低迷していたのでやっぱりGMとしては優秀とは言えなかったと思います。2013年ドラフトは不作過ぎて上位指名権のチームほどハズレを引くというちょっと特殊なドラフトだったので、あの失敗はあまりきつくは責められない性質のものだったと個人的には思いますが、2012年ドラフトは言い訳の聞かない失敗だったと思います。あの年のコンセンサスはこんな具合でしたが、4位でトーマス・ロビンソン、ハリソン・バーンズ、ダミアン・リラード、アンドレ・ドラモンドらが残っていたわけで、ロビンソン以外はどれとっても正解。というか、前年トンプソンをとっているのでポジションのかぶるロビンソンは選ばないとして、普通ならハリソン・バーンズを指名すべきドラフトだったわけです。SFも別に厚くなかったし(というか全ポジション薄かった)。バーンズをどう評価するかは人それぞれでしょうが、ウェイターズよりダメな選手だと思っている人は現時点でいないでしょうし、当時もいなかったと思います。何だったんだろうね、あのドラフトは。

スカウトといっても担当する役割が全然違うのですが、この記事でいうteam scoutってなどんなもんでしょうか。相手チームの戦力・戦術分析をするのは普通advance scoutと呼びますし、学生や外国のプレーヤーのスカウトはcollegeとかinternationalとかが付きますし。他チームやDリーグチームの選手の評価をするアレかなあ。正直良く分かりません。

GMの実績を見るとそこまで優秀そうな感じがしない人ですが、そもそも本当に優秀じゃなかったらダニー・フェリーに雇われないし、キャブスのGMなんて任されないと思います。スカウトみたいな裏方の仕事は表には出てこない(スパーズは特に)ので働きぶりを我々が知ることはないと思いますが、頑張ってほしいものです。キャブスを首になってからNBAで仕事がなかったみたいですが、ここからまたNBAチームのGMやらなんやらへと繋がる道もできると思うしね。

ポポヴィッチはデジョンテ・マレーをどう見ているか、他

ポポヴィッチはデジョンテ・マレーをどう見ているか

サンズとのプレシーズンマッチが行われましたが、まあ、特に語ることもなく……レナードすごいうまいね、ぐらいしか言うことがないっす。プレシーズンマッチのたかだか1試合の内容からレギュラーシーズン全体を貫く何か本質的なことがわかるわけではありませんし、そもそもKが素人感想あれこれ書いても大概的外れでしょうし、あれこれ考えたり語ったりするのは楽しいものですが、ここはインサイダーがどういう目でプレーヤーやチームを見ているかを知るほうが有益でしょう。例によってSAENがスパーズの細かいニュースを最もよく提供してくれてますのでそこからいくつか。

まずポポヴィッチのプレシーズンマッチでの新人選手に対する見方はかなり明快で、「誰がフィットして、よく学んで、素晴らしいチームメイトになって、自分の役割を受け入れられるかだ。それを主に見ている。誰がやるべきことに誠実に打ち込めるか、誰がチームメイトに最もよく応えられるか、そういうところを見たい。目先の戦術的な理解よりもそういう内面的なものを重視してるよ。」というものです。

“It’s who fits, who can learn, who will make a great teammate, who can accept a role,” Popovich said. “That’s mainly what I look for with the new guys that are young. You want to see who has a work ethic, who responds to teammates the best. More of the intangibles, I guess, than Os and Xs right now.” 

 この前にデジョンテ・マレーのドラフト指名とスパーズの育成・スカウティング思想で検討したように、スパーズの選手に対する評価の仕方は「能力よりも人格・人間性を重視する」という点で非常に特徴的なわけですが、それがここでも貫かれているということでしょう。マレーはこの辺は大丈夫そう、というのも検討済みなのでこの話はいいとします。

んで、このSAENの記事にはマレーがパーカーの言うことによく耳を傾けているらしい、ということも書かれている。ビュフォードGMはマレーをPGで使うのかSGで使うのかを聞かれて「いやー、まだわからないな、これから実際にプレーを見てそれからの話だよねー」みたいなとぼけたことをいってましたが、チームとしてはやっぱりパーカーの次を担うPGに育てたいのでしょう。

19歳でスパーズに入ったドラフト1巡目のPGということで共通点の多い二人ですが、パーカーがルーキーシーズンの第5戦からスターターを務めた一方、マレーに関してはそうは行かないというのが現在のスパーズの見方のようです。ポポヴィッチは「マレーはバスケットボールのことをまだよくわかってない。大学で1年プレーしただけで、全くの初学者でしかない。学ばなければならないことがたくさんある。ポテンシャルは明らかにある。でもどれだけ長くかかるか心配だ」と語ったうえで、「4試合した後でパーカーにボールをもたせたけど、2,3年プロでプレーしてたから全然ビビってなかったね。彼はすでにたくさんバスケットボールをプレーしてきていた。マレーは明らかにそれとは事情が違う。もっと時間がかかると思うよ」とマレーの置かれている状況についてコメントしています。

"The analogy we use is that he's like a newborn colt," Popovich said of Murray. "He looks like he's going to fall down, he's so gangly. He's new to the game. He only played one year at Washington, so he's truly a neophyte. He has a lot to learn. There's potential there, obviously. I'm anxious to see how long it takes him."

"I gave Tony the ball after four games and he ran the show," Popovich said. "He had played two or three years of professional ball (in France), so he wasn't intimidated by anything. He had played a lot of basketball. Dejounte obviously is not in that situation. I would think it would take longer." 

わかっていたことではありますが、今年はほぼ役に立たないでしょう。このチームのいいところは「その時」が来るまで1年でも2年でも待てるということですし、「その時」が来るまで我慢して待てる選手なら必ず大きく成長できることです。ファンの立場でできることはじっくり構えていることぐらいでしょう。

ディアウさんは今日もコーヒーを飲む。どこででも飲む。

ジャズの公式からしてこういう扱いですよ。もはや業界においてハムの人ならぬコーヒーの人ぐらいの存在となっているのではなかろうか。ディアウさんとコーヒーといえばロッカールームにエスプレッソメーカーをおいていることで一部で「どうかしてる」「もう依存症レベルでしょ」と話題になりました。

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しかしながら、ディアウさんの依存症たる所以は他の写真にさらに強烈に現れています。まずは合衆国はニューメキシコ州にあるホワイトサンズ国定公園でのこの一枚。

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更にグランドキャニオンでのこれ。

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電気も何もない広大なアメリカの大自然に佇むネスプレッソっぽいアレ……。バッテリー使ってでも動かしたいのか。ここまで来ると依存症というより、生命活動に不可欠なのではないか、ディアウロボの燃料的なものなのではないかという気がしてきます。ジャズはゲータレードの代わりに試合中にくれてやるといいと思うよ。

ディアウさんインスタは、ダンディ過ぎて見てるこっちの目が潰れそうなディアウさんの御尊影と、普通に超美麗なディアウさんの手によるお写真が見れてマニア必見でござんす。ダンディ目潰しと目の保養が同時にできるなんておとくだね。

ジサカーのサガ

ジサカー(PCを自分でパーツから組み上げることに無常の喜びを感じてブヒュブヒュ呻いている気持ち悪いオタクのこと。カルト宗教臭いマカーのほうが自分より気持ち悪いと思っている)の義務として、新しくPCを組んだら、構成を列挙して、どういう狙いでこういう構成にしたかについての独り言を言うという儀式をすることになっています。だからKもするよ。

  • CPU : Intel Core i3-6100T (11535yen)
  • MB : ASUS H110M-A/M.2 (6169yen)
  • MEM : CFD販売 DDR4-2133 4GBx2 Panram (3827yen)
  • PWR : Thermaltake TR2 450W V2 Bronze (4924yen)
  • SSD : Crucial 64GB MLCのやつ (使い回し)
  • HDD : Western Digital 2TB 5400rpmのやつ (使い回し)
  • CASE : Antec P180 mini White (使い回し)

しめて26455円。全部Amazonにて。5年前に組んだPCの中身をストレージ以外総とっかえ。前に中に入っていたのがCore i3-2100、ってプロセスルールが32nm世代なのな。古くもなるわ。動作がかったるく感じられるようになってきたのと、発熱が気になるようになってきた、CPUファンが劣化して音がキンキンしてきた、長時間電源入れっぱで使える低消費電力・静音PCが欲しくなってきた、ということで入れ替え。

CPUはPentium G4500にしようかな、と思っていましたが仕事が一段落してさあそろそろ注文するかという時に急に値段が上がりだして(Amazonだと2000円近く上がってたり)、一方Core i3−6100Tは逆にがくんと安くなって価格差があまりなくなってしまった。後者のほうが高性能(多分。マルチスレッドでは確実に)でより低消費電力、割と長時間電源つけっぱなしだし、電気代が浮く分だけで1年か2年もあれば価格差は埋まるなあ、多分また5年ぐらいこのままだし、夏場の発熱の不安が大幅に減るし、ってんでCore i3-6100Tに。タイミングが悪いようでかえって良かった。来年2月ぐらいにKabylake版のCore i3-7100Tが出るかもしれないけど、CPU部分には変更がなくGPUが少し強化されるぐらいであまり変わらないらしいので、待つ必要なさそう。

ASUSマザボちょうど同じ時期にガクッと安くなったので。定格運用だし、LGA1151でDDR4で一番安い奴にしようと思っていましたが、まさかお高く止まった(値段的に)ASUSマザボを買えるとは思わなかったです。ASRockのを買うことになると思ってたんですが。ASUSなんて使うのいつぐらいぶりだろうか。Kの今までの自作経験で、なんかおかしくなった時は、原因が何故かほとんどマザボの故障なんですが、前に使ってたASUSのもおかしくなってたなあ。買って1年半弱ぐらいで壊れたような気がする。GIGABYTEとかMSIも使って、このPCの更新前の中身はASRock。ということで4大メーカー全部のマザボを使ったことがあるのですが、色々使って一番安定していたのがASRock。ASRockって一番チープで信頼されてない(変態には愛されている)メーカーでしょうが、Kは一番信頼してるんだよねー。なので一般的には一番信頼されているASUSマザボを安値で買えてラッキー、とは必ずしも思ってないわけですが。

しかしながらこのマザボマニュアルがひどすぎる。シンプルで薄いのはいいのだけれど、各種ピンの配置や極性に関してひとつも書いてないのは大問題。ケースと接続する、特に電源やリセットスイッチがどのピンかなどはとても大事なのに、「ステムパネルコネクター (10-1 ピン F_PANEL) / PCケースのボタンやLEDケーブルを取り付けることができます」と説明するだけで、どのピンがどれで極性がどうとか一つも無し!規格が決まっているから調べればすぐわかるとはいえ、不親切がすぎる。フロントUSBなんかも頻繁に活用するものなのに、この説明書だけでは正しい接続の仕方がわからない。初めて自作する人が、ASUSが信頼できるらしいからと言ってこれを買ったとしたら、多分PC起動させられない。Kだって自作歴がそこそこあるとはいえ、何年かに一度組む程度で、マニュアルに書いててくれなきゃ正しいピンの配置や極性なんてわかりゃしませんよ。ネット環境がPC1台で、その1台を中身取り替え、なんて状況だったらここで1回詰みますな。ASUSのサポートページMB_Pin_Definition(Japanese)というピンの配置・極性をちゃんと書いた別紙のマニュアルがあるわけですが、最初からこれも入れてくれよという。ファイル名の"web_only"の文字が怒りを誘う。他の国では同梱されているのだろうか?なんか他の言語のファイルはweb_only表記がないので、日本の代理店がやらかしただけのような気もしますが。それとも他のASUSマザーボードにも、こういうピンの説明書が全く無いのだろうか。だとしたらASUSマザボは他人に勧められない。こんな全く意味も価値もない高難度要素なんてなくていいのに、なにやってんだか。

 メモリと電源は基本何でも良いのです。特にメモリ。電源は信頼できるメーカーで80+ Bronze、比較的新しい製品、ということでこれに。この電源は450W、500W、600Wのラインナップで、450Wと500Wで50Wしか差がないのに別々の商品にする理由も、その割に値段が結構違う理由もよくわからんなあ、と思っていたら、コネクタの数が違うのね。このマザボSATAコネクタが4つだけなので450Wので十分でした。

組み上げてワットチェッカーで消費電力を測ってみたらアイドル状態で23〜24W。すげ。前の中身ではアイドルで50Wとかいってました。負荷がかかる作業をすればもっと差が開きますね。電気代も下がるけど、それ以上に熱の心配がないのが素晴らしい。CPUファンの音もほとんど聞こえず、音がするのはケースファンだけ。よくよく考えたらこっちのファンは5年もののやつをまだ使ってるんでした。これも近く取り換えよう。

OSはKubuntuを入れています。前はUbuntuでした。新しいKDE5がどんなもんか、PCも新しいし重めのデスクトップでも問題なかろうということでこっちにしました。部分的に不安定というか微妙な問題が色々と言ったところですが、確かにデザインやエフェクトが美しいですし、Windowsライクで大変使いやすい。まあ、Unityよりは確実に使いやすい。ファイラーとか、なれない部分も多いのでまだ快適に使いこなせているとは言えない状態ですが、KDEプロジェクトの製品はどれもなかなかよく出来ていると思います。しかしながらたいへん大きな問題があって、付属のパッケージマネージャーのDiscoverの検索機能が全く機能しない(!)のです。どうやって公式リポジトリのソフトのインストールすんの。調べてみると同じ症状の人が結構いて、みんな結局Muonをインストールしてそれで良しとしているみたい。

sudo apt-get install muon

でMuonをいれて、これを起動してからDiscoverを起動すると、Discoverでも検索できるようになります。めんどくさ。Muonも、なんていうか味気ないし。もいっそGNOME Softwareでも入れてそっちで管理するかね。

KはPCはLinuxWindowsの2台体制で、LinuxでできることはLinuxで、WindowsでしかできないことやWindowsでするのがベターなことはWindowsで、という使い分けです。8割方Linuxでしょうか。セキュリティ方面でほぼ気を使わなくていいところや金のかからないところがいいところですな。しかしながら、Windowsはほぼ社会インフラに近く、これを前提として作られているサービスがほとんどですので、ないと困る局面が非常に多いのでやはり必要です。まあ、はっきりいってWindowsほどたくさんのことができてあれほど使いやすいOSなんて他に無いです。OSを10年もサポートしてくれるなんて他じゃ絶対ないですし、最新OS(Windows 10ね)へのアップグレードを無料でなんてAppleでは考えられない。Appleはサポートが短くて金払いの悪いユーザーの切り捨てに容赦しないし、CanonicalのUnity推進なんてWindows 8でのスタートボタン廃止が可愛く思えるぐらいひどいし。MSがどれほど良心的な企業か、MacLinuxをそれなりの期間使ったことのない人はわからないだろうなあ。Windowsに文句いってる人はほぼすべてWindowsしか使ったことのない人だろうけど、セキュリティ以外はWindowsがすべての面で勝ってるといってもそれほど間違ってはいないと思います。セキュリティだって、ちゃんとアップデートしてMS謹製セキュリティソフトとファイアウォールを動かして、Flash PlayerとJavaの自動再生を切ればまず問題ないでしょう。みんなもっとMSに優しくしてあげて……。

来年AMDのZen APUが出るので、それが出たらWindows PCを更新しようと思っています。

今更ドラフトーク

Q.え、今頃すんの?

A.しまーす。

ドラフトの話題はブログ始めた時点ですでに賞味期限切れだったわけですが、さらにデジョンテ・マレーのドラフト指名とスパーズの育成・スカウティング思想を書き始めたら、予想以上に調べることが多いかつ仕事が劇的に忙しくなって時間も気力もなくなってしまい、書き始めから書き上げるまでに2ヶ月もかかってしまったため、書こうとは思ってたネタだったんだけど結局ここまでずれ込んでしまったのだ。あの記事はできる限り詳細に、客観的にやろうとしたためにかなり手間取ってしまったので、この記事はテキトーに書きます。感想文感想文。ドラフト語りの前提として、NBA.comが各種のモックドラフトのデータを総合したコンセンサスを作っており、ドラフト直前までにどういう選手が特に評価をされていたかの全体的な雰囲気を知るにはこれが一番いいです。これと実際の結果を比べると、今年のドラフトがどれほど荒れていたかよく分かるのです。

ちなみに今回の文章は、まーたダラダラ長くなってしまった(原稿用紙30枚分ぐらい)上に有意義な内容が一つもない記事に仕上がってしまいました。別に面白くもないし。書いといて何ですが、読まなくていいです。純然たる自己満足よ。DraftExpressのモックは当たってても当たってないとか、そんぐらいかな、皆様のお役に立てそうなのは。

1,2位は予想がかんたんなドラフト

もうちょっと早くこのブログを始めていたらKの自己満足モックドラフトでも書いていたかもしれませんが、そして外しまくっていたでしょうが、1位ベン・シモンズ、2位ブランドン・イングラムというのは外しようがないというか、まあ分かりきっていた結果ではありました。

目先の戦力的にはシクサーズは、優秀なゲームメイカーが不在であること、点を取れるウイングが不在であることが最大の欠点だったわけですが、ここに来るとベン・シモンズは一人で両方こなせるわけですからピッタリの人材です。ジャンプシュートが弱いのでウイングとしては物足りない面もありますが、それは今後の成長次第。サイズはありますが実際のプレースタイルはスラッシャータイプのPGであり、レブロンやアデトクンポに近い資質のプレーヤーで、正直今ドラフトでベストのPGと見られていたクリス・ダンよりもPGとして上じゃないかと思います。少なくとも、相手のPFがマッチアップしてきたときに、シモンズの身体能力やボールハンドリングやパスに対応できるディフェンススキルを持ったプレーヤーはほぼいないのではないかと思います。誰が相手でも、技術的にもサイズ的にも、どこかしらの面でミスマッチを作れるのが恐ろしいところ。外に追いやってジャンプシュートを打たせるぐらいしか対応の仕方がないし、追いやってもスピードもパワーもあるから半端なディフェンダーでは簡単にペネトレイトされるしで、現時点でも正面から押さえ込めそうなのがレナード、ポール・ジョージ、レブロンぐらいしか思い浮かばん……あとクロウダーとか、PFだったらミルサップとドレイモンド・グリーンくらいかあ?ともあれ、今年のドラフト候補の中でほとんどの面で1番と言ってよく、しかもシクサーズの足りないところにピタッとハマる選手なので、シモンズを選ばない理由がシクサーズにないよな、と思っていました。逆にイングラムを指名してもまともなプレーメイカーがいないと使いようも伸ばしようもないしね。シモンズ自身はレイカーズに入りたかったみたいだけど、後述するようにレイカーズには合わないと思われるので、シクサーズで伸び伸びプレーするほうが彼にとってはいいでしょう。シクサーズは24位でティモテ・ルワウ=カバロー、26位でフルカン・コークマスと、この順位では指名が難しいと見られていた得点力のあるウイングを2人も指名できたのも良かった。PGを指名しなかったことを腐す意見も多少見られましたが、シモンズがいるし、いくらいいドラフトが出来たと言っても10勝しかできなかったチームがルーキーの力で1年で劇的に改善するはずもないので、黙って来年を待つべきでしょう。そもそも今年のドラフトはPGの層が極めて薄かった(コンボガードじゃない純粋なPGで1巡目指名されたのはクリス・ダンだけ)わけですし、一方来年のドラフトはPGがかなり揃っていると現時点では見られているので、やはり来年を待つべきです。

 一方レイカーズは、ラッセルとクラークソンと優秀なガードが2人いて、かつランドルというポテンシャルのある4番もいるので、目下長期的に必要な選手は、点を取れる(特に3Pを打てる)ウイングとディフェンス力のあるCといったところでしたので、イングラムはピッタリの選手と言えます。ラッセルとクラークソンがいる中にシモンズが入ったとしても、じゃあ誰がボールもって誰がゲーム作んのって話で、オフェンスが渋滞起こすでしょう。今年のトップ2は2人とも然るべきチームに入ったのでは無いかと思います。あとレイカーズは32位でイビカ・ズバックを指名できたのも運がいいと思います。割とどこも1巡目指名の予想でしたが、若くてかなりサイズがあって走れて技術があってアンセルフィッシュ、こういうCを2巡目で取れたなら大成功でしょう。

しかしシモンズは素晴らしいなあ。猛烈にアスレチックなディアウさんって感じで、一から十までスパーズっぽい。ジャンプシュートだけが弱点なところも育てろっつってるようなもんだし。かわいいね。ください。

3位から9位は順番が多少入れ替わっただけで予想通りのメンツ

3位がジェイレン・ブラウンというのが予想外でしたが。セルティックスはバランスの良いチームづくりをしている一方、PF/Cがやや薄く、信頼できる3Pシューターがいないことが欠点になっているため(チームの3P%は.335でリーグ28位)、これはドラガン・ベンダーで決まりかと思ってたらブラウンだった。まあ、今年のドラフト候補で一番アスレチックで、ポテンシャルだけで順位をつけるなら3位でもわかるのでそれはそれでいいと思うけど、クロウダーとの契約が4年も残っていて(去年のオフで結ばれた契約でベストでしたな。しかし、マーケット大出身の4年生選手って伸びるなあ、バトラーといいマシューズといい)、トーマスとエイブリーの2ガードが基本なのでウイングを2人置くとセルティックスの場合インサイドが弱すぎていくらスモールラインナップ流行りとはいっても厳しいのではないかと思うし、ウイング1枚ならブラウンよりもクロウダー優先だろうしそれだとなかなか育たないだろうし、うーん、考えがあって選んだんだろうけどその考えが読めない。セルティックスは指名権が7つもあって、全体的に持て余してる感が強い指名の仕方でしたね。Kは日本人だからある程度客観的に見れる(多分)けど、アメリカの大学生に知識も評価も偏向しているアメリカのファンから見ると「2巡目のほうが妥当な指名してんじゃねえか!」と言われそうな内容でした。16位でヤブセレを指名したのはKは好きですよ。

サンズもわりとセルティックスと事情が近く、モリス兄弟が両方去ってPF狙いだろうな、多分マーキス・クリスで余ってたらベンダーだろうな、と思ってたらまさかの両方。キングスが8位でクリスを指名したときは、長期的にはPFの1番手になれるだろうし、凄まじくアスレチックでシュートレンジも広いからSFでも優秀な選手になれるだろうし、サクラメント出身だしいいじゃないか、あとは育成がドヘタなキングスがこの素材を活かせるかどうか、と考えてたらまさかのトレード。ゾッとしました。いつまでわけのわからんドラフトを続けるつもりだ……そしてその交換した指名権で指名したのが……いやー、怖い怖い、その話はまた後で。

5位のダンは良い指名だとは思うけど、「シボドーはディフェンシブな選手が好きだからダンはぴったり!ぜひウルヴスのスターターに!」という意見が沸き立っていることには違和感を覚えます。だってルビオよりディフェンスのいいPGなんてNBAに何人もおらんでしょ。下手したら一番うまいかもしれない。ルビオはFG%が悪すぎるせいで過小評価されすぎてると思います。ゲームメイカーとしてもディフェンダーとしてもNBAのトップレベルで、シューティングだって、フリースローをもらう技術も決める技術もかなり高いおかげで去年のTS%は.529で、おそらくNBAの平均と殆ど変わらないぐらいでしょう。ESPNのReal Plus/MinusでみるとPG全体で5番目でDefensiveでは2番目!コンリーやウォールやリラードやケンバ・ウォーカーよりも上!ルビオは実際相当いい選手!皆ルビオをもっと正当に評価しよう!うおー!と、なぜかルビオの話になってしまった。ちなみに、ダンはKが偏愛しているカイル・アンダーソンと2012年のマクドナルド・オールアメリカンに一緒に選ばれていて、ウルヴスのチームメイトになるシャバズ・ムハンマドとも一緒。更にアンダーソンとムハンマドUCLAの同期で、1年後輩がザック・ラヴィーン。ムハンマドは1年でNBA入りしたのでラヴィーンとは直接の関わりがないが、アンダーソンとラヴィーンは1年一緒にプレーしている。つまり、チームメイトのムハンマドダンとアマチュア時代に直接のつながりのないラヴィーンが、アンダーソンを通じてこの二人と繋がりができるのだ。つまり、ウルヴスにはアンダーソンを中心とする小宇宙(ミクロコスモス)が存在するのだ!アンダーソンはミネソタの太陽だったのですね……!

6位はペリカンズが今年の大学ベストプレーヤーのバディ・ヒールドを指名。即戦力の点取り屋の指名は、アンソニーデイビスのオフェンス面での負担を分散しようという狙いでしょう。いい指名だと思います。エヴァンスはまだ1年いるものの、ゴードンがいなくなっちゃうし、イートワン・ムーアと4年契約したもののどれだけ期待できるかは不明だし、やっぱりヒールドにかかる期待は大きいと思います。ペリカンズはチーム全体での3P%は結構良く(.360)、多分シューターが機能しやすい戦術を作れているのだと思いますので、ヒールドにとってはプラスでしょう。

7位はナゲッツでジャマール・マレー。15位のフアン・エルナンゴメス、19位のマリク・ビーズリー、さらに53位のピーター・コーネリーあたりも合わせて、「もっと3Pをどこからでもボコボコ決められるチームにしたい」という意図を明確に感じさせる指名。前シーズンは数も率も良くなかったからなあ。ゲイリー・ハリスがかなり順調に伸びていて、ウィル・バートンもいて、そこにハイレベルなSGを2人もとってどうするんだろうとも思いますが、マレーはPGで使うのかもしれない。本質的にはSGだと思いますけど。しかし、ナゲッツはメンツがもうかなり揃っているのになぜか勝てないなあ。ウェストのレベルが高すぎるのか。そろそろじわりプレーオフ圏内に伸びてきてもおかしくないと思うんですけど。

ラプターズは特に言うことないかな。ビヨンボが抜けたところに一番いいCを指名しました、手薄なPFに27位でパスカル・シアカムを指名しました、以上。保守的と言うか意図が明確というか。でも27位のシアカムは意外。PFが厚かった今年のドラフトで、27位でもかなり事前評価の高い選手(ラビシエとデイビス)が残ってたんだけども。しかも9位の指名権があったから、ロッタリー指名がコンセンサスのその選手たちもワークアウトしてたと思うんだが、それでもシアカムのほうが上と判断したわけだよね。今後どうなるか、この選手は結構見ものではないか。

モックドラフト大虐殺祭り開催、波乱の10位以下

10位でソン・メイカーが指名されてからの超展開には、Kも驚きと呆れと爆笑の連続ですごい面白かったです。NBAドラフトは極上のエンターテイメントやで。

さて、モックドラフト大虐殺とは言うものの、おなじみDraftExpressは結構当てているのがわかります。10位メイカー、11位サボニス、14位ヴァレンタインあたりが目立ちますし、22位はパパヤニスですがキングスが指名したという点では正解です。他のモックとの評価の乖離から言うと、メイカー、ヴァレンタイン、パパヤニスの的中はかなり異様な感じがします。でもこれにはからくりがあります。6/23が最終的な予想をした日ですが、この日はドラフト当日です。そしてその前日の6/22にも予想を更新していますが、10位、11位、14位は全く違う予想でした。その痕跡は最初に挙げたNBA.comのコンセンサスモックに残っていて、NBA.comはこれの最終版を作るにあたってDraftExpressの6/22の予想をデータとして利用していて、それがコンセンサスモックに掲載されています。6/22の段階では、10位ディオンテ・デイビス、11位スカル・ラビシエ、14位ウェイド・ボールドウィンでぜんぜん違うわけです。それにもかかわらず当日になってピッタリと当ててきた、それもメイカーやパパヤニスは2巡目指名の予想だったのに全く予想を変えてきて当てています(Kはこの時期は毎日チェックしているので異常な変化には気づいていました。彼らは前日まで2巡目予想だったはず)。ブルズはローズを放出したのでPGがいなくなって、ボールドウィンの指名はある意味当然と見られていたのに変えてきた。要はこれ、ドラフト当日のインサイダーのリーク情報をもとにして当てに行ってるんですよね。例えばメイカーの予想の履歴を見てみると、6/16の次が6/23なので、この1週間に大幅に評価を変えるような出来事があったかのような印象を受けますが、単に当日にリークに基づいて変えただけです。他の「当たってる」選手の履歴も見てみると面白いですよ。で、これで予想が当たったといえるのか、DraftExpressのモックは信頼できると思っていいのかというと、まあ駄目でしょう。Kはこういうセコいのは大嫌いね。DraftExpressのモックは他のモックと同じぐらいあてになりません。

それでメイカーなんだけど、要はバックスがアデトクンポの育成に成功したことで「素材だけ」の選手の指名に自信がついたからできた指名、ということでしょうね。SGミドルトン、SFアデトクンポ、PFパーカーが軸になるとして、メイカーをどこでどう育成するつもりだろうか。Cが有力なんだろうけど、Cにがっちり据えるにはシュートレンジが広すぎて、もうちょっと自在なポジショニングができるようにしないともったいない。ならPFなんだけどもパーカーがいるし。これもどうなるか見もの。まあ、古典的なCにはならないでしょう。

 11位でドマンタス・サボニスはまあ分かるとして、マジックとサンダーのトレードには爆笑。イバーカがほしいのはわかるが、オラディポ、イルヤソバ、サボニスと3人も出すのはやりすぎだよ―。オラディポとイバーカの一対一でも十分なくらいだと思うんですけども。2人とも残り契約期間が1年とは言え、オラディポはRFAなのでチーム側に少し有利だし、更にイルヤソバを足せばそれで十二分、ここにさらに将来性のあるサボニスまで付け足す必要はあったんだろうか。これで来年イバーカに出て行かれたらこのドラフトは何だったのかという話にもなるし。優秀なヴォーゲル新HCに超超優秀なフォーシアーACまで来るんだから、鍛え甲斐のある若手は残しておいてよね。

12位トーリン・プリンスも驚きの指名。デマール・キャロルによく似た選手なのでいかにもホークスが好きそう、とみんな思っていたのか各種モックドラフトでも21位でホークスが指名で予想を立てていたところが多かった気がしますが、基本的には20位台での指名と見られていたのでかなりのジャンプアップ。更に21位の指名権で指名したデアンドレ・ベンブリーもパスファーストのアンセルフィッシュなウイングで、アスレチックで基本的な技術が高くて異様に視野が広くてバスケットボールIQの高いプレーをしていて、この選手もいかにもホークスが好きそう。3Pの精度が上がればウイングとしてはケチの付け所がないのではないか。21位の指名権であればどちらでも指名できたでしょうし、つまりは順位とか関係なくこの2人が欲しかったのでしょう。あと、今年はシモンズ、イングラム、ブラウンと最上位がSFで占められたものの、基本的にPFとSGばかり厚いドラフトでそれ以外の有力なSFがいなかったので、3&Dのウイングがほしいチームは21番より先にプリンスを指名しかねない状況ではあったので、それで早めにプリンスを指名したのかなとも思います。

そして語るも恐ろしいキングスの珍ドラフト。ここ10年ぐらいだいたい毎年一桁順位の指名権を得ておりながら、上位指名はカズンズ以外一つも成功してないのではなかろうか。特に、だいたい誰を引いてもあたりだった大豊作の2011年ドラフトで見事に外したのが逆にすごい(60位でアイザイア・トーマスを当てているのは普通に超すごい)。カズンズもメンタル面が不安定すぎて、チームにとっていいのかどうかなんとも言えない。スカウティングが悪いのか育成が下手すぎるのか、その両方か。両方だな、うん。それらのドラフト指名選手でチームに残ってるのってカズンズとマクレモアとコーリー=スタインだけで、マクレモアとコーリー=スタインは重要だからチームに定着しているっていう段階でもないし。去年も、その順位でC指名するならコーリー=スタインよりマイルス・ターナーのほうがベターだと結構言われてたと思いますが、コーリー=スタインもいい選手なのでそれはそれでいいとして、じゃあなぜまた2年連続でCを取るのかっていう。今年のドラフトを見ると、8位で地元出身でポテンシャルの塊のようなクリスを指名しつつも、サンズの持つ13位と28位の指名権さらにスタッシュしているボグダン・ボグダノヴィッチ(2014年の27位)と交換、ベリネリとホーネッツの22位指名権を交換して3つの一巡目指名権を行使し、13位でヨーゴス・パパヤニス、22位でマラカイ・リチャードソン、28位でスカル・ラビシエを指名。ボグダノヴィッチはヨーロッパの強豪フェネルバフチェでかなりいい成績を残しているので、この指名権はもらって損なしでしょう。しかし、今年のキングスのドラフトから明確にわかるのは「パパヤニスが欲しかった」ということだけで、あとはビジョンもへったくれもない行き当たりばったりの指名でしたな。今年はどこのチームも他チームの指名予想に苦労していて、欲しい選手はコンセンサスがどうであれできるだけ早めに確保したいという意図の見える指名が多かったように思いますが(複数指名権を持つチームによる12位や16位など)、パパヤニスの指名もそうでしょう。しかし、2巡目、しかもその中位ぐらいが大体のコンセンサスの選手を13位で指名せんでも良かったのではないかという感はあります。元々あった22位の指名権で十分でしょうに。そんなに急激に評価上げてたかなあ?んで22位と28位も謎。まずリチャードソンはだいたい10位台後半ぐらいがコンセンサスで22位で取れる可能性はそう高くないと見られていたわけだから、明確に彼を取るつもりで獲得した指名権ではそもそもない。この指名権は、使いこなせなかったベリネリのリストラとパパヤニスの獲得の両得を意図したものだったと思われます。でも13位でパパヤニスを指名する方針に変えて、それで持て余していたところにもっと早く指名されるはずだったリチャードソンを指名できそうだからじゃあ指名しようという、いきあたりばったりな印象だけが残りますな。28位はもっとそうで、ロッタリー指名確実だったラビシエが残っちゃったよおいおい、ポジション重なるけどじゃあ獲ろう、というだけでしょう。誰の目から見てもキングスで改善しないといけないのはガード(特にPG)で、あまり効率のよくないSFも長期的にはなんとかしなければいけない、一方インサイドはそろっている、にも関わらず3つのドラフト1巡目指名権で指名したのがビッグマン2人とSG1人(ボグダノヴィッチを加えるとSG2人)。確かにPGとSFがかなり薄いドラフトで、22位以下でわざわざ1巡目指名するほどの選手が残ってなかったのはわかるが(スパーズ目線では、未来のスターターPG、デジョンテ・マレーを残してくれてありがとうってな話ですけどね)、こうなるならクリスをコンボフォワードとして育成して22位でパパヤニスを指名したほうがまだよかったのではないかと思います。ラビシエがクリスより伸びれば今ドラフトの評価は完全に逆転するとは思いますが。ファンの期待する心を丁寧に折り続けるキングスのドラフトと育成とチームマネジメント。ウルヴスがシベリアだとかシクサーズが絶望だとか色々言われるけど、NBAの真の地獄はサクラメントにあるとKは思うね。

 14位は4年生選手大好きブルズが、ヒールドとともに大学ベストプレーヤーの一人であるデンゼル・バレンタインを指名。ブルズは基本的にあまり条件の良くない指名権が多いにも関わらずよく当ててるんだよなあ。もしかしてNBAで一番ドラフトがうまいのではなかろうか、育成もうまいんだろうけど。4年生選手はポテンシャルで劣るとか、バトラーを見てると思い込みでしかないなあと思いますよ。バレンタインはSGとしては身体能力が低いとかSFとしてはサイズが足りないとか膝の状態が疑わしいとか言われますが、技術的には今年のドラフトでもベストの1人でしょうから、比較的早くから活躍できるのではないかと思います。あと顔がハンサムなアンコウみたいで好き。

16位のグーション・ヤブセレは2巡目上位がコンセンサスだったのでこれまた驚きの指名。後でどういう選手だったっけ、と思ってDraftExpressの動画とかを見たんだけど、なんか見れば見るほど好きになる味のある選手。体型からは意外な身体能力の高さとオフェンススキル、広いシューティングレンジに高いバスケットボールIQ、かなり万能な選手で効率的であまり欠点がない。ついでに全体的に丸くてかわいい。うーん、Kは好きねー、こういう選手。このあとで指名される他のPFと比べても単純に実力で上だろうと思います。体重を落とした方がいいのか維持した方がいいのかは、パワーも効果的な武器になっているので少し考えどころですが、セルティックスはどうしたいんだろうね。中国で1年スタッシュするみたいですが、先に書いたセルティックスのチーム事情にも合致する選手ですし、これはいい指名でしょう。あとセルティックスは23位でアンテ・ジジッチを指名してこちらもスタッシュ。同い年の同じクロアチア人Cのズバックとどちらが良かったかは微妙。

17位ウェイド・ボールドウィンはコンリー移籍の保険でもあったでしょうが、ウイングスパンが6' 11.25"もあって(PFのサボニスよりも大きい)身体能力もシュート力も高いので、SGとしても攻守両面で問題なさそう。現時点でPGは2番手以降が薄いですし、チーム事情にあってるいい選択だと思います。どちらのポジションでもプレイタイムを稼げそうで、伸びそうな感じがします。で、グリズリーズは2019年の1巡目指名権をセルティックス指名の31位のディヨンテ・デイビス及び35位のラデ・ザゴラックと交換。デイビスはロッタリー指名がコンセンサスだったにも関わらずなんと2巡目落ち。グリーンルームに呼ばれた選手が2巡目に転がるのはよくあることですが、ロッタリー指名がコンセンサスの選手が落ちたのは初めて見ました。他の年でいましたっけ?正直言ってロッタリー指名されるほどいい選手ではないとは思ってはいましたけど。メイカー、パパヤニスとともに、今年のドラフトの波乱っぷりを象徴する選手ではないでしょうか。この悔しさが成長のモチベーションになればいいのですけど。

18位のヘンリー・エレンソンもいい指名。身体能力が低いところ以外は現代的なPFとしてケチの付け所がない。身体能力がないっつってもアンダーソンよりずっと動けるから大丈夫大丈夫。問題があるとしたらピストンズのインサイドが厚すぎて1年目は出番がほとんどなさそうなところか。

20位のキャリス・ルヴァートは2巡目指名がコンセンサスだったのでかなりの驚き。でもウイングとしてできないことは一つもないし、しかもあらゆる技術が一級品、サイズもあって身体能力もなかなか高い、実力的にはロッタリーで選ばれてもおかしくない選手だが、2年間大きな怪我続きでそれで大幅に評価を落としていたそうで。ルヴァートの3回目の手術をしたのがネッツのチームドクターで、あらゆる面から見て怪我が完治したと判断でき、その情報をネッツが得られたことから今回の指名に至ったそうな。1巡目指名権のなかったネッツの賭けの代償は、数少ないまともな選手であるサデウス・ヤング。めちゃくちゃリスクのあるギャンブルだと思うんですが、でも勝たないことには未来がないんだな。オーナーが変わってから今まで全部の博打で負けてきたネッツでしたが、GMが代わって今年からゼロ以下からの出発。自由競争のおかげで基本的に金で勝利が買えるヨーロッパのスポーツ文化からやってきたプロホロフオーナーも、寡占市場故に可能なNBAサラリーキャップ&ラグジュアリータックスと、資源価格暴落とロシアへの経済制裁によるルーブル暴落による資産価値の急減(確か半分以下まで減ったはず)によるダメージを経て、ようやく普通のチーム経営をするようになりました。プロホロフの資産が81億ドルでネッツの赤字が1億ドルだもん、もう無視できないでしょ。目先の勝利のために一切我慢できなかったわりに、あの無能なキングGMを5年も使い続けたんだから、今のショーン・マークスGMも5年余計な口出しせずに我慢して使い続ければ、5年後にはまともなチームになれてると思いますよ。

 25位は大学ナンバーワンPFのブライス・ジョンソン。クリッパーズはスターターにすげーのが4人いる一方、それ以外が薄い。ベンチでこの選手がいて安心というのがジャマル・クロフォードだけで(ディフェンスが酷いので総合的にプラスになっているか疑問ですが)、スターター陣が稼いだリードをベンチが食いつぶす、というのが去年一年通じて見られましたし、それでスターター陣を引っ張らざるをえなくなり、ポストシーズンに向けてかなり消耗してしまった感があります。強豪チームのルーキーとは言え、案外出番はあるのではないかと思います。ただ、SFはほとんど人材が無きに等しい状態なのにインサイドは案外堅実なベテランが揃ってたりするので、その辺が難しいというかバランスが悪いというか。3Pは打てないけどスーパーアスレチックでミッドレンジはかなり精度が高いので、もしかしたらSFとして使われるのかも。いや、ないか。しかし、この順位のPFは他にラビシエもデイビスもいたのに、ジョンソンか。多分この2人をワーク・アウトに呼んでなくて、それでギャンブルを避けてそっちに行かなかったのではないかと思いますが、でもジョンソンのほうが単純に現段階の実力と身体能力は上なので間違いではないと思います。

29位のジョンテ・マレーについてはこの前の記事で散々書いたのでもういいです。ただ、この選手がこの位置まで落ちてきたのは、単にこの選手の欠点が他のチームにとって大きかったからだけではなく、やはり今年のドラフトが荒れまくったからだと思います。例えばPFを指名した25位や27位でラビシエが選ばれてたら、キングスが指名していたかもしれない。ルワウ=カバローやコークマスが予想通りもっと高い順位で指名されていたら、シクサーズが指名していたかもしれない。キングスがクリスをトレードしてなかったら、トランジションが好きでガードの育成が上手いサンズが指名していたかもしれない。中位で意外な指名が相次いだ結果、下位に「もっと上位で指名されてたはずの掘り出し物」が残りすぎたために、最後まで剥がれ落ちずに29位まで落ちてきてしまったのだと。なぜ中位で2巡目指名や1巡目後半ぐらいがコンセンサスの選手が次々指名されたかというと、どこのチームもどういう指名順になるか予想できなかったために、「この選手はこの指名権で大丈夫だろう」という確信が持てなかったからでしょう。ビュフォードGMが言うように、結局ドラフトってある程度は運なんですよね、このチームにとっては。本当に運が良かったと思います。

 30位はデイミアン・ジョーンズ。かなりアスレチックな7フッターで、去年のケヴォン・ルーニーと同じくすぐに戦力になることを期待しているのではなく、長期的な成長を期待しての指名でしょう。ウォリアーズは特定の5選手でサラリーキャップの上限近くを使っていて、しかも来オフにカリーとイグダラとリビングストン(もしかしたらデュラントも)がFAで、カリーとデュラントはMAX契約でしょうし、トンプソンとグリーンを足して4人で下手したらタックスラインギリギリまで行きそうな感じで、イグダラとリビングストンはディスカウント無しでの残留は厳しく、来年には4人のスター選手とスカスカのその他という今のクリッパーズみたいな状況になりかねないので、彼らドラフト指名選手の低賃金労働は重要です。特にCは現段階でもうかなり薄いので、ジョーンズの成長は重要です。あと38位のパトリック・マカウを金銭トレードで獲得、いかにもウォリアーズが好きそうなウイングで、既にSGの2番手がいないロースターなので普通に出れそう。まあ何にせよ、今年の指名選手で抜けた穴は埋まらないでしょうから、今年のウォリアーズは前シーズンよりも選手層が薄くなって弱くなってると思います。レギュラーシーズンを主力の重大な怪我がなく安定して戦い抜くにはベンチが重要なので。おそらくクリッパーズが抱えている問題と同じ問題を抱え、前シーズンよりもさらに消耗してポストシーズンを戦うハメになるのではないかと思います。まあそれでも十分強いだろうけどね……。

2巡目幾つか

サンズはまーたケンタッキー大の選手選んだよ、という34位タイラー・ユーリス。いい選手をいい順位で選べたので成功ドラフトと言えそうですが、相変わらずPGばっかり厚くなっていくなこのチームは。ケンタッキー大のカリパリHCいわく「自分の教え子のなかで最高のPG」だそうで。アイザイア・トーマスのこともあるので、小さいから一流選手になれないわけではない、ということで皆応援したくなる選手よね。

ロケッツ指名の37位、チナヌ・オヌアクも好きな指名。やたら頑強でリバウンドがうまくて、ほとんどペイントでしかプレーしなくてディフェンスが良くて、リム付近でしかシュートしないからFG%が良くて何故か妙にパスが上手い、ロケッツがCに求めるものにピッタリではないでしょうか。更にこの選手、フリースローが下手投げなんですよね。1年のとき上から投げて.467でこりゃまずいってんで2年から下から投げるようになって.589に改善したとかで、前に話題にしたESPNの記事でも取り上げられてたりする。NBAで是非みたい。あと変なもみあげも良い。ロケッツにはヒゲの自己主張が強い人がいるので、オヌアクにはもみあげで自己主張していく方向で頑張ってほしい。

以上でござんす。