だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

サマーリーグ感想

ケルどんうるさい。声でかい、よく喋る、客が少なくて音が通るの三位一体で会場に鳴り響く大声。ただのDREBで「アアアアアオオオオオ!」、ウォーカーのシュートなのに自分でいったかのような「アアアアアアアアア!」、元気の精かお前は。この辺の天然の明るさとか、試合後インタビューでもあの丸い顔でニコニコニコニコしながら受け答えする感じとか、もう、カワイイ……。この可愛さは性質としては孫の可愛さ。目の前にケルドンいたら絶対「アイス買っておいで」つって1000円あげちゃうな。

この選手はアスレチックだとは言われるものの、そんなにスピードがあるわけではない。プレーがパワフルなのでフィジカルエリートに入れるのには首肯しますが、NBAレベルでアスレチックと言われるときにイメージするようなクイックネスとかジャンプ力はない。特にlateral quicknessはむしろ遅いぐらいで、例えばクイックネスが優れているドウェイン・ベーコンとマッチアップするたびに簡単に抜かれていました。フットワークは重い部類でしょう。ユーロステップのベタベタした感じにアンダーソンの幻を見る。ディフェンスは技術面、特にフットワークで要改善な印象。オフェンスはもっと要改善。ドリブルは高いし、ドライブはストレートラインドライブだけ、パスもあまりうまくない、自分でスペースを作ることはできない、と基本的にボールを持たせておいていい選手ではない。パワーがあるのだからドライブしたときにはもっとリムに近づくことを意識すればいいのになと思うのですが、ジャンプするのが早くてフローターに頼りがちなところがもったいない。シュートフォームはやはり良く、FTもよく入っていたのでシューティングはまず伸びると思います。ただの3&Dに収まる器ではないと思うので、オールラウンドに技術を伸ばしてほしいと思います。

サマニッチとケルドンで指名順位が逆だったらコンセンサス的には自然かなと言うドラフトでしたが、身体能力・技術・視野の広さとほぼ全てでサマニッチが上でした。サイズを考えるとあらゆる面でNBAの標準以上、19歳でこれは恐ろしい。身長6' 11"であのクイックネスとボールハンドリングスキル、シューティング技術があって、ペリメーターに引っ張り出されて対応できるビッグマンはそうはいない。パスもうまい。更にここから技術的にもフィジカル的にもどんどん伸びるだろうし、オフェンス面ではどこまでも行けそう。TO(特にトラベリング)とファールが多いのは気になりましたが、ルールの微妙な差異に戸惑っているのかなという感じだったので、慣れれば問題ないでしょう。シュートタッチはかなり良く、逆にFG%こんな悪いんだとあとで驚きました。ホーネッツ戦でブリッジスにダンク決められた次のポゼッションで自分でドライブしてポスタライズダンクやり返そうとしたり、割とプレーはギラついていました。現に実力も高く伸びしろもいっぱいある、ロマンがあります。

ウェザースプーンは自分のストロングポイントをよく理解して効果的なプレーをしていた印象です。ボールハンドリングがうまいしガードとのマッチアップであればほぼパワーで勝るのでリムまでボールをもっていけるし、FTも稼げる、パスもうまい、ケルドンとは逆でとりあえずボールもたせておくとなんとかしてくれるタイプ。オールラウンドでどこを切り取っても堅実。なんだかウェザースプーンの技術とインテリジェンスを移植したケルドンが最強のケルドンのような気がするぞ。ガードが厚いので出番は少ないと思いますが、今年のドラフティーでは最も即戦力になる。来年保証契約でいいんじゃないですかね。背番号は15らしいです。スパーズ最大のレジェンド背番号なので、番号に恥じないよう、選手生命を削ってでもシューティングファールを稼ぐぐらいの覚悟で頑張ってもらいたい。

ウォーカーは別格。相手チームの選手も含めて、身体能力も技術も一人だけ異次元のプレー。プルアップのミッドレンジシュートをまるでレイアップを決めるように簡単に沈めるのが恐ろしい。ユタでは3Pが怪しいかなと思いましたが、試合を経るごとにプレーの質を上げていってラスベガスでは普通に入れてたので問題なさそう。去年のホワイトよりもすごい。他はちゃんと見てないのであれですが、多分今年のサマーリーグ全体でもナンバーワンでしょう。ディフェンスで気を抜くのがよくないなー、というぐらいしか改善点ないのでは。2年目の選手にはサマーリーグでトップレベルのプレーをしてほしいと思いますが、それにしても格が違いました。返す返すも、よく去年のドラフトで18位まで落ちてきたな……。

2年目といえばメトゥのプレーも見たかったが、怪我で出場機会なし。プレシーズンマッチまで謎に包まれた存在で居続けるメトゥ。2巡目の選手といきなり契約することが殆どないスパーズで(ブロッサムゲームを追い越して)3年契約を勝ち取ったり、Gリーグでもそこまで立派な成績じゃなかったのにウェイブされる気配が全然なかったり、もしかして今想像を超えるすごいレベルまで急成長しているんじゃないかという期待感だけが膨らんでいて、Kの中では伝説の聖獣みたいな存在になりつつあるメトゥ。

ついでに。モリスのどっちかは結局来ませんでしたが、ああ言う迷惑なことをする人間はスパーズには必要ない。サンズ時代の言動からして大丈夫かね、スパーズ合わないのではと思っていましたが、ダメなやつはどこまで行ってもダメだな、と思いました。ライルズが代わりに来ることになりましたが、こういうことを言うような人間なので全く期待していません。なんで契約したんだろう?多分失敗する可能性のほうが高いと思います。本当に期待できるのはお前だけだ、メトゥ……。

キャロルがスパーズにやってくる、サマーリーグあれこれ、トンプソンとデュラントの復帰後を予測する

キャロルがスパーズにやってくる

ウギャー!楽しみ!2年1200万ドルは安い、のかなあ。多分安いんだけど、今年の相場感覚があまりないのでなんとも言えない。Kは「地味だがかなり効く」系のハードワーカーが好きで好きで……キャロルはまさにその典型でかなり好きな選手なので本当に嬉しいです。昨期はレナードとグリーン出した挙句にデローザンってなんだよ耄碌してんのかというトレードと、序盤に本当に最低のディフェンスを見せられて見る側のモチベーションも落ちたままでしたが、キャロルが来るならやる気が出ます。来期で33歳、スタッツは既に下がり気味であまり過大な期待はできないだろうと思いますが(eFG%、STL%、Box Plus/Minusが怪しい)、ラプターズを出る際にアイソレーション偏重でパスしないことを批判していたぐらいの男なのでスパーズのやり方に合うのは疑いない、特に2ndラインナップで。

ゲイとも契約延長、2年3200万ドル。昨季はオルドリッジ、ゲイ、ホワイトのおかげでプレーオフ出れたと思います。スパーズもゲイを残すことを優先しててゲイもスパーズに残ることを優先していたような話だったので、既定路線でしょう。

これにドラフト1巡目の二人と契約で15人保証契約が埋まるので今年のFAはほぼこれで終わりでしょう。早く決まるならそれで良し。サラリーは合計で1億2500万ドルぐらい。タックスラインには余裕がある。ロースターはこうかな。

  • 1st:マレー、ホワイト、デローザン、オルドリッジ、ポートル
  • 2nd:ミルズ、フォーブス、キャロル、ゲイ、バルタンズ
  • 3rd:ウォーカー、ベリネリ、ジョンソン、ルカ様、メトゥ
  • Two-way:ウェザースプーン、ユーバンクス

ポートルは相手のスターター次第だけど、昨期の後半はだいたいスターターだったので1stはこれが基本だろうと思います。クラッチタイムはポートルの代わりにゲイが入るラインナップになるでしょう。やっぱりガードが多すぎるし力のあるPFが欲しい感じはする。飛び抜けたものはないが、1stも2ndも水準以上の力を持った選手が揃っていて、まあ昨期よりは強そう。特に2ndはかなり厚く、殆どのチーム相手に優位に立てるのではないか。スパーズらしくていいですね。

今年のFAは初日にほとんど片付いた上にサイン&トレードが多くて状況がよくわかりません。サイン&トレードって年に1回もない印象なんですが、今年は随分多い気がするなあ。毎年それなりにあったのかもしれませんが、この時期の動向に詳しくないのでよくわかりません。

サマーリーグあれこれ

ソルトレークシティのロースター。ラスベガスも同じかな。注目はやはり当然のような顔をしてそこにいるジェフ・レッドベターさん。多分いつの間にか引退していつの間にかオースティンのコーチになっていると思う。

ウォーカーがどれぐらいうまくなっているか、というのも重要。1年NBAやGリーグでやって2年目のサマーリーグってこれまでみんなかなり強力な数字を残してきたので、ウォーカーも明らかな向上が見えるプレーをしてほしいものです。ユーバンクスはそもそも昨期Gリーグでかなり優れた成績を残しているので、サマーリーグレベルでは敵無しぐらいのプレーはするだろうと思います。メトゥは怪我で出ないみたいなのでどうにもなりません。今年のドラフティたちは苦労すると思いますが、どれぐらいできるのかは楽しみ。たまにルカ様のアップが抜かれて「ギャッ!顔面は今日もダブルスコア……」とか思える機会があればいいんじゃないでしょうか。あとウェザースプーンお前背番号15番て。大学11番だったじゃん、と思ったらそういやフォーブスが11番でした。こんなに軽くていいのか15番。

レギュラーシーズンと違って結果を気にしないで見れるし、若手の成長がはっきり見えるので楽しいです、サマーリーグ

トンプソンとデュラントの復帰後を予測する

Nylon Calculusのトッド・ホワイトヘッド記者の記事。2000-2001シーズン以後のデータから、クレイ・トンプソン(ACL損傷)とケビン・デュラント(アキレス腱断裂)の復帰後のプレータイムやプレーの質・傾向を予測するもの。

まず怪我の威力ですが、ACL損傷した選手でも、その後数百試合も出場できた選手はたくさんいますが、アキレス腱断裂の場合30%近い選手が復帰できずにキャリアを終え、1から100試合しか出れなかった選手は40%超、この2つを合わせた数は70%にのぼり、501試合以上出場した選手の数が0など、ACL損傷が軽症に見えるほどの深刻な怪我、「ほぼ致命傷」と言ってもいいぐらいの大怪我と言えます。ACL損傷も復帰後100試合以下の出場数でキャリアを終えるのが全体の50%なので致命的な大怪我ですが。

ホワイトヘッドは、プレーヤーのNBA在籍年数・年齢・怪我の性質(怪我の種類、復帰後の年数)によるプレータイムの変化、更に同様にショットセレクション(FGAのうちのリム付近のシュートの比率と3PAの比率)とシュート精度(その2つのそれぞれの成功率)の変化をモデル化し、トンプソンとデュラントの今後5シーズンのプレータイムとシューティングの変化を予測しています。

これによるとトンプソンはこれまで毎シーズンのように2500分以上プレーしてきましたが、怪我がなかった場合と比較して来期は327分のプレータイムが減るだろう(怪我のタイミングが悪かったため実際はほとんど出れないだろうが)、その後は怪我のなかった場合と比べて1シーズンあたり156分少ない程度まで持ち直すだろうが、それでも1シーズンあたり2000分以上プレーすることはなくなるだろうと予測しています。また、ショットセレクションやシュート成功率は怪我がなかった場合と比べてもあまり変化はないだろうと予測しています。

デュラントの場合は、来期は怪我がなかった場合と比較して291分プレータイムが減る(同様に実際はほとんどプレーできない)、その後は怪我がなかった場合と比べて1シーズンあたり284分プレータイムが減るだろうと予測しています。ACL損傷の場合と異なり、一般的なモデルとのプレータイムの乖離が縮まっていくことはないと予測しているようです。1シーズンあたりのプレータイムも2000分を超えることはなく下がる一方と予測しています。アキレス腱断裂の場合はショットセレクションに明らかな変化が出ると見ていて、FGAのうちのリム付近でのシュートの比率が怪我がなかった場合と比べて4%から5%も減ると予測しており、また逆に3PAの比率は増えると予測しています。これは脚力が大幅に衰えることによってドライブのスピードとパワーも衰え、リムを攻めるようなプレーができなくなるからだろうということです。一方でシュート成功率はいずれも大きな変化はないだろうと予測しています。

このモデルが正しいとすれば、おそらくネッツのデュラントとの契約は失敗に終わるのではないか、という気がします。トンプソンは来期ほとんどプレーできないでしょうしプレータイムも今後減るでしょうが(プレーできなくなるから減るのか、プレーさせないようにするから減るのかはわかりません)、身体能力は怪我がなかった場合のところまでほとんど戻るでしょうしプレーの質も変わらないでしょう。二者択一でどちらかを選ぶとしたら、ウォリアーズは正しい選択をしたことになるだろうと思われます。シュート成功率に関して、ACL損傷後もアキレス腱断裂後も大きな変化はないと予測しているのは少し興味を惹かれる部分です。「体力は衰えても技術は衰えない」という観念を過去のデータが証拠付けていると考えられるかもしれません。

怪我をしないに越したことはありませんが、怪我を防ぐというのはとても難しいことです。前に取り上げた話ですが、ACL損傷に関しては予防は困難で、おそらくほとんど運次第ではないかと思います。それ以外の怪我も含めて怪我全体でのことであれば、休養やプレータイムの制限は効果があると思われます。

ゲイはアキレス腱断裂後にプレータイムを回復してきており、昨期は1842分プレーしています。シューティングの効率はキャリアで最高の数字を記録しましたが、リム付近でのシュートの比率は過去に比べれば減っています。チームによるプレースタイルの違いもあるでしょうから一概には言えませんが、今のところはデュラントに対してなされた予想と近い変化をしているのではないかと思います。

2019年ドラフトーク

荒れた!

荒れた!リアルタイムでは見れませんでしたが、あとで指名一覧をながめながら変な声がいっぱい出た……サンズなんなんだあいつ……。

不作年のドラフトはだいたい荒れますが、それにしても荒れた。2016年を超えてるかも。不作ぶりで言うと、一覧ながめても、例えばディアンドレ・ハンターを指名するのに4位指名権が必要とか、コビー・ホワイトが7位とか。例年だったら彼らは10位台でしょう。去年は下手するとNBA史上最高のドラフトだったかもしれないぐらいの豊作だったので比べると差が出すぎますが、上位のウィングであればハンターとか6位のジャレット・カルバーなどは去年だったら10位のミケル・ブリッジスよりも下で評価される選手でしょう。今年2位のジャ・モラントも去年5位のトレー・ヤングと同じぐらいの評価で収まっていたのではないでしょうか(ヤングは指名は5位ですが、コンセンサスは8位程度の評価でした)。流石に2013年とか2016年よりはマシな結果になるのではないかと思いますが、これなら頑張って上位指名しなくてもトレードダウンしたり将来の指名権と交換したりしたほうがいいよなと思います。来年も割と不作臭い雰囲気ですが、2021〜2023年はおそらくかなり豊作になるでしょう。2021年は結構充実しているような情報が漏れ聞こえています。2022年は高卒ドラフト解禁年と予想されるので2年分のプロスペクトがまとめて押し寄せてくることになり、この年は史上最大の豊作年となることがほぼ確実です。また、2022年の集中を避けるために2021年にドラフトにかかれるように進学を早めたり、あるいはエントリーを1年遅らせるプロスペクトが増えるだろうとも考えられるので、2021〜2023年は豊作が続くと思われます。したがって今年や来年の指名権をこの期間の指名権に交換できれば、長期的には有利になるのではないかと思います。今年は2巡目で一部そのへんに食い込んだトレードがあったみたいですが、全体ではそうでもないかな。来年は目先のドラフトで焦っているチームでミスるところが出てきそう。

また、今年の荒れっぷりにもう一つ貢献したのがドラフト当日のトレードの多さでしょうか。リアルタイムで見た人は実際は今どこが指名しているのかわからなくなる場面が結構あったんじゃないでしょうか。ESPNのトラッカーで見てもよくわからなくなります。20位以降はなんで君らがそこでそいつを指名しているんだ?という感じで、指名一覧を見ているだけでは頭の中がハテナだらけ。

ドラフトは荒れるほど面白いです。毎年荒れて欲しい。

スパーズ

コンセンサス的には19位と29位が逆だと自然な感じの指名。ビュフォードの発言は抑えましょう。youtubeにもあがっているのでこっちで自動字幕つけると理解しやすいです。(今現在は公式サイトの動画に字幕がついているのでそちらで見ましょう)全体の講評としてはSAENのマイク・フィンガー記者の記事あたり。

ルカ・サマニッチはビュフォードGMが向こうまでスカウティングに行っていたのと、かなり本気で狙っているというような報道もいくつかあったので、優先順位が高そうな印象はありました。19位で評価の高い選手がいっぱい残ってましたが、「残っている中で一番いい選手を選んだ」とビュフォードが言っているのでかなり高く評価していたようです。

スカウティングはこのビデオが良いです。この選手は6' 11"も身長があるのに対して身体能力がかなり高い。NBA Draft Combineのデータを見てもレーンアジリティやシャトルランはガード並みの数字を残しており、ジャンプ力も非常に高い。技術面ではあらゆる面で基礎がしっかりしており、コートビジョンも良いようです。特にボールハンドリングがうまくクイックネスが素晴らしく、相手のビッグマンは簡単に抜き去れる。これでプルアップスリーが入るようになったらオフェンス面でほとんどの選手にミスマッチを作れるようになるのでは。ディフェンスでは逆に全ポジション守れるようになれる資質が十分あると思います。弱点としてはフィジカルコンタクトが弱いことと3Pの率が悪いことですが、シュートフォームは無駄も癖もないように思うので鍛えれば良くなるでしょう。技術的に特別優れた部分はないものの穴になる部分もなく、基礎ができているので伸ばせば全部伸びるのでは。ウィングスパンがあまりないのはどうにもなりませんが、若いしアスレチックだし伸びしろがいっぱいある。素材型の選手だと思うので出てくるまで1年2年はかかると思いますが、スタッシュはしないですぐ加入するということなので、イングランドやハーディに徹底的に鍛えてもらってほしい。ドラフト&スタッシュはもはや良い戦略ではなくなってきているので、1巡目指名の選手は、キャップスペースも減るし(勘違い、失礼しました)、スタッシュしないですぐ契約したほうがいいですね。2017年のオフにNBAの実績のないボグダン・ボグダノヴィッチが3年2700万ドルNBAのスターターでいいプレーができることが既に分かっているボヤン・ボグダノヴィッチが2年2100万ドルですよ。リスク回避どころかリスキーなやり方になっています。

それにしても美男子……ルカ様……。

ケルドン・ジョンソンはなあ。ドラフトプロセスが始まる頃ぐらいに、今年は流石にウィング取らなきゃまずいだろうということで、20位あたりで指名できそうなウィングの中で一番将来性が高いのは誰かな、ジョンソンが一番いいんだけど落ちてくるかどうか微妙だな、などと考えていたのですが、そんなときにTMZにこんなもん撮られてたのを見てこりゃダメだと。ジョンソンがドラフトに残ってケンタッキー大に戻らないことを公表したのが4月17日、この動画を撮られたのが19日。随分と気の早いことで。まだドラフトにもかかっていない段階で将来の年俸を担保にして買ったのか、それとも周囲の人間が買い与えたのか。前者なら現実が見えてないし、後者なら周囲の人間に問題があるように思います。前者の場合であれば29位まで落ちたことで一回鼻っ柱が折れただろうしこれからGリーグ漬けの芋洗いの1年でもう一回は折れるだろうからいいんだけど、後者の場合だとしたらちょっとなー。ビュフォードは「ウィングの中でトップの評価」みたいなことを言っているけど、人間的な面で本当に大丈夫なの?という不安が拭えない。

(6/24 21:15 追記:SAENのトム・オースボーン記者の記事。ジョンソンの人となりについてよく書かれている。人柄に対する周囲の評価はかなり高いみたいなのでだいぶ安心しました)

スカウティングレポートとしてはシーズン初めのESPNのビデオstats.nba.comThe Stepienあたりが良いと思います。高校時代はシューティングの精度が悪かったみたいですが、大学でかなり良くなっているのは好印象。ケンタッキー大に他にいい選手がいっぱいいるというのもあるでしょうが、オフボールでスペース作ってキャッチアンドシュート、というのが基本だったみたいで、映像を色々見ても意外とスペース作るのがうまい。この手の選手って俺が俺がになることが多いですが、USG%も低いですし結構アンセルフィッシュで自分の仕事守れるタイプなのかなと思います。シュートフォームも良いのでもっと伸びると思います。その他のオフェンス面の技術は評価が低く、よく鍛える必要があろうと思います。ディフェンス面で一切手を抜かないハードワーカーぶりは素晴らしい。このサイズの選手としては異常なフィジカルコンタクトの強さで、一回り大きな選手にも全く押し負けない。身体能力が高いと言われる一方でクイックネスやジャンプ力が意外とないと言われたり、フィジカル面の特徴がよくわかりません。身長6' 6"ウィングスパン6' 9"という数字から受ける印象に比べると背は大きく、腕もかなり長く見えます。多分頭が小さくて肩幅が狭いのだと思います。身体能力馬鹿系かと思いきやスペーシングとショットセレクションが良かったり、じゃあ意外と賢いのかと思いきや相手のフェイクによく引っかかり、身体測定値で受ける印象より見た感じでかい長い、見た感じ細いがやたらフィジカルが強い、などなど不思議がいっぱいです。それにしても、身体能力が高くてシュートフォームが良くて規律があって強力なペリメーターディフェンダーで若くてポテンシャルが高い、29位まで落ちてくる選手ではないなあ。なんで落ちてきたんだろう。基本的にはどこも必要でしょうに。

49位クインダリー・ウェザースプーン。コンバインでかなり評価を上げている雰囲気はありましたが、ノーチェック。この選手はとにかくスタッツがすごい。マイナス面はTO%が高いことぐらいで、後はすごい数字ばかり。特に2P% .564、TS% .622、FTr .437、STL% 2.9%あたりは目を見張るものがあります。SECみたいな強豪カンファレンスでガードでこれは相当なものです。しかも1年からずっといい成績を残し続け、向上させ続けているのが素晴らしい。3Pとリム付近に集中したショットセレクションの良さとFTを稼ぎまくれることで効率が非常に良い。コンバインの数字は、ジャンプ力はありますが、レーンアジリティ他平面のスピードはそれほどでもない、というかサマニッチより遅いぐらい(サマニッチが速いとも言える)。ハイライト動画を見てもクイックネスは普通。しかしボールハンドリングはうまくパスもうまそうなので、単なるシューターでは終わらなそうなところも良いです。フィジカルコンタクトはかなり強く、そのおかげでリムまでボールをもって行けてFTも稼げるのだろうと思います。3&Dみたいに言われてますが、もっと万能型の選手じゃないかな。ビュフォードは「人間性を評価している」と言っていたのでこっちは安心。

1巡目は二人とも若くて身体能力の高い伸びしろがかなりある選手。2016年にサンダーにやられて以来アスレチックな選手を指名し続けていますが、それ以前は必ずしも優先していなかった部分だと思うので、ここが新しい傾向として明確になってきたかなと思います。

全体の感想

1位から順に1チームづつ。てきとうです。面倒なのであまりリンクは貼りません。

ペリカンズはドラフト以前にアンソニーデイビスのトレードでレイカーズから搾り取れるだけ搾り取ったおかげで、このドラフトを含めてあらゆる面で有利に事を運べている。リッチ・ポールが「レイカーズかニックス以外は延長しない」と情報を流したこと、にもかかわらずセルティックスが参入してきたこと、レイカーズ志望とみなされていたポール・ジョージがサンダーに残ったことで希望チーム云々は1年で変わりうるという認識が広まったことで競り上がったのだと思います。それにしても出しすぎ。レイカーズは実質的に今後5年間の1巡目指名権をペリカンズに与えてしまったわけですが、レブロンも衰える一方だろうし、5年後までにはいなくなっている可能性も高い、それまで強豪で居続けるのは困難では?そもそも現状強豪ではないし、デイビス一人で勝てないのはペリカンズがこれまで証明してきたことでもある。デイビスが残ることを前提として、「そこそこ勝てるけど優勝には明らかに届かない」ぐらいのシーズンを3回ぐらい続けて後は落ち込んでいくんじゃないかな。ペリカンズはトレードで若いPGとウィングを強化、1位でザイオン・ウィリアムソン、8位でジャクソン・ヘイズで今年一番のPFとC、シューターにかなり堅実と思われるニキール・アレクサンダー=ウォーカーと足りないところに確実に埋めていくような指名。トレードダウンで来年のキャブスの1巡目を手に入れていますが、これは10位までプロテクト、プロテクトされると21年と22年の2巡目に変わるので(多分来期もキャブスはこれに引っかかる順位になるでしょう)、21年と22年は豊作としても微妙。ペリカンズはただでさえ将来の2巡目指名権を大量にもっているので今後持て余しそう。ともあれ、満点以上のオフシーズンだろうと思います。

グリズリーズ。コンリーなあ、引退までいてほしかったが……ガソル弟もだけど。ブランドン・クラークはホント好きそう。モラントも経歴が泥臭いからなあ。グリズリーズはいつもグリズリーズみたいな指名をするので安心します。トレードでアレン、コーバー、クロウダーとシューターもらってきたのも良。アレンとクロウダーはディフェンスもいかついし、チームカラーに合いそう。アンダーソンはいかついメンツの中で唯一の軟体生物として隙間にズルっと入り込んで埋めるようなバスケで頑張りましょうね。

ニックスは派手指名。足し算、足し算の人生です。ニリキナ以外にディフェンダーもボールをつなぐハブになれそうな選手もいないのでは。一人で点取るようなスコアラーばっかり。多分ニリキナのことも干すとまでは言わないけど重視しないだろうし。コーチが大変そう。しかしあれだな、「もうそういう時代ではない」という声が多くなってても、レイカーズとかニックスっていうのはやっぱり特別なブランドなんだなあ、と思わせるRJ・バレットやADの言動でした。ブランドにふさわしい人にオーナーになってもらいたいものですが……。

ホークスはペリカンズ以上にうまいドラフトとチームづくり。ヤングを中心として周りをボール持たなくても力を発揮できる選手を揃える意図でしょう。コリンズがPFにいてハーターがウイングとセカンドボールハンドラーとして期待以上のプレーをしていて、さあ後はウィングとCだというところにディアンドレ・ハンターとキャメロン・レディッシュの両取りにブルーノ・フェルナンドとケチのつけようのない指名。レディッシュが残っていたのは多分ホークスにとっても想定外で、おそらくここでヘイズに行くつもりだったんではないかな。ペリカンズはいい選手を揃える一方でシューティングにかなり疑問が残るチームづくりをしているのに対して、ホークスはサイズと機動力があってアンセルフィッシュでシュートレンジが広い選手を揃えている点で現代的なチームづくりに遥かに成功しています。ヤング中心なんだけど、そのヤングが持ちすぎ&ディフェンス弱すぎなのがむしろ修正しがたい穴で、うまく行くことは確実だけど同時に決定的な穴も抱えるというジレンマが悩ましいところです。しかし、たった2年でこれほど完璧なチームの再構築をやってのけたのは素晴らしいの一言。来期から普通にプレーオフ争いできるし、3年ぐらいで優勝争いに絡んでくるんじゃないですかね。

キャブスは何がしたいんだ、ボールもって離さないタイプの我の強いガードを去年今年で3人も揃えて。ディラン・ウィンドラーはオフボールでスペース作るのが抜群にうまいのでどんなチームでも合うと思うけど、セクストンなんかは全然パス出さないからオープンになっても生かされないよなあ。ケビン・ポーターはそもそもオフボールで何もしないらしいし。そういや他にナイトやクラークソンもいるんだった……ニックス以上に足し算のチームづくりでしかもニックス以上に足すところが偏っている。かなり大丈夫じゃないチームづくりをしているように見えます。先述の通りトレードしている指名権もプロテクトされているし、トンプソン他レブロン末期の高額契約の債務処理も来期限りで終わりなので、来期は遠慮せずタンクして再来期をスタートにしたほうがいいですね。

ウルブズはジャレット・カルバー。はい。あまり言うことがない……。タイアス・ジョーンズの契約延長は大丈夫かなあ、かなりキャップスペースが苦しいと思うんですが。ティーグとジェンの契約が重い。

ブルズ7位コビー・ホワイト。ウィングはポーターとラヴィーン、ビッグマンはマルカネンとカーター、軸になる選手がしっかりいるので後はPGというところで順当な指名。アーチディアコノが2番手としてはリーグ屈指の堅実さなので、火力のあるホワイトはいいですね。ただ、PGと言うよりはコンボガードという感じなので、ゲームメイクはスターターレベルとしてはどうかという印象ですが。2巡目のダニエル・ガフォードは今ドラフト有数の顔の良さ。うちのルカ様といい勝負。NBAでもあのきれいなウィンドミルダンク決めてほしいですね。腕が長いからかっこいいんだよなあ。選手も揃ったしキャップスペースにも余裕があるので、来シーズンからプレーオフ戦線に復帰してくると思います。

9位ウィザーズは八村塁。率直に言って9位は過大評価。サイズとフィジカルコンタクトの強さ、ミッドレンジジャンパーの精度の高さ、相手ビッグマンに対してはクイックネスとボールハンドリングスキルで優位に立てることが強みでしょうか。攻守での状況判断の悪さ、3PA比率が低く3Pシュートの質に疑問符がつくことが主な弱点でしょう。最も強みになるのはミッドレンジジャンパーの質ですが、今のNBAはいかにミッドレンジを削ぎ落として3Pとリム付近とFTで得点するかの戦いになっており、ミッドレンジの得点力は評価として後回しです。ディフェンスでは逆にペリメーターディフェンスとリムプロテクト能力が重視されますが、八村はいずれの評価も低い。フィジカル面ではディフェンダーとしての資質は高いですが、IQが大学レベルでも低い、ペリメーターでは相手のガードやウィングに簡単に抜かれる、クローズアウトが遅く外のジャンプシュートをコンテストできない、ジャンプ力がなくリムプロテクト能力が低い、注意力が低くオフボールで正しいポジションを見失いがち、というのが各種レポートの評価でしょう(例えばThe Stepienは否定的)。FTを稼げること以外の八村の強みは今のNBAでは優先度の低い要素で、弱点(特にシュートレンジとペリメーターディフェンス)は致命的な性質のものです。今のままNBAでプレーさせても攻守とも効率性の低いプレーヤーになってしまうでしょう。シュートフォームは良くレンジもだんだん拡大しているので時間をかければNBAレンジでも3Pが入るようになると思いますし、ディフェンスも経験と練習で向上しますが、そこまでチーム側が待てなければ、中途半端な使いみちのない選手に落ち着いてしまう可能性もあります。ポテンシャルは高いもののまだまだ素材型の選手ということになりますが、年齢は来シーズン中に22歳になるので、素材型としても歳がいっているというのがNBA界隈の標準的な見方になるかと思います。ウィザーズは経営は下手ですが、そのわりに若手のスカウティングと育成はまずまず良いのでそれは八村にとって良いことだと思います。少なくとも、事前に予想されることの多かったウルブズやホーネッツは若手が全然育たないチームなので、日本のファンは少し安心していい点だと思います。日本のNBAファンやこれから関心を持つ人はみんな八村を応援するでしょうから、Kは「あまり関心のない東のあまり関心のないチームの一選手」という程度で肩入れしないでおこうかと思います。

サンズ。笑

ホーネッツは堅実な指名。面白みがないとも言う。同じPFならドゥンブヤに行く勇気がほしいぞ。36位ケイレブコディ・マーティンもなあ、多分52位で取れるし。技術の高いウィングとPFで選ぶなら12位でラングフォード、36位でパスカルとか。完成度の高いすぐ使える万能型選手、という狙いが見える指名だがもったいない気がする。

ヒートはタイラー・ヒイロとKZ・オクパラ。3Pはもとより全体的にスコアリングが弱いのでヒイロの指名はそういう狙いかな。ディフェンスでは穴になりそうだけど、ヒートなんで全体でカバーするか。オクパラの指名はちょっとまずいと思います。いい選手だと思いますが、これ取るために将来に2巡目指名権を3つもトレードしている。ただでさえ4つも出してるのに。よそからもらった2022年の2巡目も一つありますが、これも当然出して自分とこの2022年も出すはず。これは将来首を絞めるのでは?2021〜2023年は2巡目も価値が大きくなると思いますが。

セルティックス。ブラウン、テイタムに更に似たタイプのウィングのロミオ・ラングフォードを獲得。近年のセルティックスらしい指名。22位のグラント・ウィリアムスがどうなるか興味深いところ。サイズや身体能力ではNBAレベルに足りないんだけどバスケットボールIQは天才レベルという、こういう選手がどこまでいけるかは今後の各チームのスカウティングにも影響してきそうな気もします。勉強の方も3年で学位をとった秀才ですが、ブログドンとかディンウィディーとか、学業成績が極めて良くドラフト2巡目上位でかかれるぐらいの実力のある選手がNBA入りしてからどんどん成績を伸ばしているので、ウィリアムスが活躍すれば、1巡目下位から2巡目ぐらいの指名でそのへんを重視するトレンドが出てくるかもしれません。カールセン・エドワーズとトレモント・ウォーターズは、また小さいガードに回帰するのかなあ、という指名。エドワーズはパスしないタイプなのでどうかな、デフェンス面での怪しさも含めてリスキーだと思うけど。

ピストンズはかなり面白い指名。セクー・ドゥンブヤはポテンシャルで見たら今年のトップ3かも。よく15位で拾えたなあ。ウィングスパンが6' 11"らしいですが、もっと長いように見える。サイズと身体能力、フィジカルコンタクトの強さという素材の良さに加えて、ペリメーターでプレーできる技術、更に今年の12月23日に19歳というルール上ドラフトにエントリーできるギリギリの若さ、かーっ、羨ましい。ロマンの塊ですな。37位デヴィダス・シルヴィディスはサイズがあってバスケットボールIQの高い、19歳になったばかりのシューター。45位アイザイア・ロビーはペリメーターからリムまで全部守れすウィングスパンの大きいバーサタイルディフェンダーで、シューティングが向上して筋量がつくと化ける。57位ジョーダン・ボーンは今年のコンバインの身体能力番長、シューティングの良いPG。とまあ、ロマンたっぷりの指名の連続で将来に思いを馳せるだけでご飯のおかずになりそう。バックスとのトレードでスネルも取ったし、短期でも長期でもかなり良い動きをしたのではないでしょうか。あとは育てられるかどうかの問題。

16位マジックはチュマ・オキキ。2巡目上位指名濃厚でしたが、ここ。今回屈指の大荒れポイント。ACL損傷しているので多分来期は全休かな?実力はあるが怪我で評価が落ちている選手を確実に指名するという、2016年のキャリス・ルヴァートと同じような指名ですな。実力は16位で妥当なぐらい。スタッツを見るのが早いんだけども、2P%も3P%も良くて効率的、USG%が低くて自分本意でない、更にSTL%もBLK%も高いバーサタイルディフェンダー、と問題はTO%がやや高いぐらいでほとんど隙きのない万能ぶり。今のNBAでは理想的なPFです。この選手のウィングスパンは7' 0"で、この後ドラフト外で獲得のダクアン・ジェフリーズもウィングスパン7' 0"、今年もウィングスパンのある3&Dを揃える意志が明確なマジックでした。PGどうすんの。

ペイサーズはバーサタイルなCのゴガ・ビターゼでヨキッチの夢を見る。多分。本当は絶対ウィング指名しないといけないんだけど、よほど日頃の行いがいいのか、まさかサンズがタダでTJ・ウォーレンくれるんだもんな。先述通り32位はヒートに売って、これは長期で見ると多分倍で返ってくると思います。ロースターがスカスカで今夏大変そうですが、善業を積んでいるのでいずれ良いカルマが返ってきますよ。

シクサーズ、20位、マティス・サイブル。いや、去年ミケル・ブリッジスをそのまま持っておけば良かったものを……。

サンダーはダリアス・ベイズリー、これは結構ギャンブルか?世代最高レベルのウィングでサイズ・身体能力・技術の3つがハイレベルで非常に面白い素材。ただ、ウェストブルックの横でプレーするとやることが制限されるので伸びるものも伸びないんだよなあ。ポール・ジョージと一緒にプレーすると多分伸びるんだけど、ウェストブルックと一緒にプレーすると伸びないというジレンマを構造的に抱える謎環境。ファーガソンも他のチームだと多彩なスラッシャーになっていたかもしれないのに。あとタックスラインを毎年超えてるんだけどそろそろやばいのでは?再建の時期だと思う。

サンズ。笑。って笑ってばかりもいられないのですが。一体何がしたいんだ……。別にウォーレンがいてもサラリーキャップに余裕あるよね?十分ラッセルやブログドンにMAXふっかけられると思うんですが。バックスの来年の1巡目(多分20位台後半)出して24位ってギリギリわからんでもないけど、タイ・ジェローム……ウォーレンと一緒にペイサーズに出した32位で取れたのでは?例年なら2巡目上位レベルのPGにそんな頑張らんでも。トレードや11位含めてめちゃくちゃ笑いましたが、サンズファンのメンタルが心配。毎年トッププロスペクトを指名してチームがぐちゃぐちゃでまとまってないし全然伸びないので、もう育成諦めて我が強くなくて出来上がったの買うか、ぐらいの感じでしょうか。あとドラフト全然関係ないのですが、スタジアムでオーナーを野次ったファンが逮捕されるというソ連ジョークみたいなのをかましてくるのでサンズは本当にすごいっす。今、最も目が離せないチームです。

ブレイザーズが25位でナシール・リトル、ってよく残ってたな。アミヌとフッドがいなくなって今期でハークレスとターナーの契約が切れる、ビッグマンとガードはいるから長期的に計算の立つ次のウィングが欲しい頃だったと思うので渡りに船というところか。素材むき出しで育成が大変そうですが、25位で取れる選手ではないなあ。荒れるとこういうことがある。

クリッパーズは27位フィアンドゥ・カベンゲリ。56位と来年のシクサーズの1巡目と交換。特に何も言うことないです。

ウォリアーズがジョーダン・プール!ワークアウトの評判がいいような話は目にしたものの、確か50位ぐらいの予想じゃなかったかな。謎すぎて見た時思考止まりましたね。39位のアラン・スマイラギッチはGリーグで子飼いにしていた選手で各モックで58位で指名するな、と揃って予想していたので、今年のどこがだれとるかわからない謎指名の嵐(特に35、36、37)で焦って39位にトレードアップして指名したんだと思います。41位はもともとパスカル狙い(取れなかったらスマイラギッチ)で58位スマイラギッチだったと思いますが。これで出したのが2021年と2023年の2巡目だったのではたしてどうかな。カリーがいればそうそう弱くはならないでしょうが。

2巡目はすごかった。2巡目の可能性すらないかなっていうのが上位で指名されたり、単純に「誰だお前」という全然字面を見たこともないのが指名されたり、大学バスケファンご自慢のボル・ボルが44位まで落ちたり、ESPNご自慢のルージェンツ・ドート(1巡目指名予想)が指名漏れしたり、同じくESPNご自慢のテイレン・ホートン=タッカーがレイカーズに指名されてレイカーズクラッチスポーツの草刈り場であることが露呈したり、謎と笑いとトレードの嵐で、カオスでした。面白い……。ネッツは27位をトレードしつつ31位でKご自慢のニコラス・クラクストンを取れたの運が良すぎる。大切にしてね。キングスのジャスティン・ジェイムズって誰……カイル・ガイは絶対取ると思ったけどね、スタウスカスの幻影をいつまでも追い続けるが良い。ジャズのジャレル・ブラントリーってマジで誰……。

てなところで。

リハビリお写真帳 Vol.09

(クリックで拡大。1600x1070px。はてなfotolifeにオリジナル

登山道のある山を登るの久しぶり。しかしまあ、無名低山でヤブ漕いでる方が面白いですね……。

NBA Draft Combineの数値2019、ドラフトロッタリーの新しいオッズはどれぐらいタンキングを抑止したか

NBA Draft Combineの数値2019

とにかくテネシー大のジョーダン・ボーンの身体能力がすごい。特にレーンアジリティ9秒台なんて初めて見ました。驚愕。過去に一人いるみたいですけど。Max Vert以外は全部門で1位、そのMax Vertも1位のジェイレン・レキューに0.5インチ差の42.5インチでほとんど誤差みたいなものでしょう。これほど全方位で最高レベルの数字を残している選手は過去にもいないと思います。コンバイン史上最高レベルの身体能力値ではなかろうか。しかしこの選手はウィングスパンが6' 3.25"しかないのが厳しい。あの小さいカールセン・エドワーズとスタンディングリーチがほぼ同じ。AST/TOで見ると良いものの、TO%は3年間通じて14%ちょいでほとんど改善しておらず、ゲームメイカーとしてどうなのかなと疑問はあります。ワークアウトの動画やハイライトを見るに、非常にバランスが良く下半身の力がボールにスムーズに伝わっているお手本のようなシュートフォームで、3P%以上に質が高そうですが、シューターとして考えるにもサイズが、というところ。今回のコンバインで評価は上がったと思いますが、それでも2巡目でも指名はされないかな、という印象です。

サイズは、でかいのが分かっている選手はやっぱりでかかったね、というぐらい。予想を裏切るすごいウィングスパン、とかはなく、有力選手の数字も過去に比べればおとなしい印象。と言うか、事前に認識されていたよりもウィングスパンが短い選手が有力選手に多い。具体的に言うとPJワシントン、グラント・ウィリアムス、アイザイア・ロビー、タイラー・ヒーローあたり。ブランドン・クラークは、もともと腕が長い印象は全くありませんが、たった6' 8.25"しかないとは。これであれだけブロックとスティールが多いのだから、どれだけ身体能力と勘がいいのか。タッコ・フォールとボル・ボルがでかいのはわかりきったことですが、それにしてもフォールのウィングスパンは一般的な予想以上ではないかと思います。8' 2.25"って。ウィングスパン/靴なし身長比も1.10なので、この比で見てもウィングスパンが大きい(平均は1.06ぐらい)。ただでさえでかいのに余分に腕が長いのでどえらいことです。

個人的に注目しているのがニコラス・クラクストン。3月にThe Stepienのベン・ルービンのレポートが出てから急激に注目を集め始めた選手で、とにかくサイズと技術の組み合わせが面白い。もともと6' 9"のSFだった選手だけあってオフェンスでもディフェンスでもウィングの技術を持っていながら、サイズはさらに成長して完全にCのそれ。つまり、オフェンス面ではボールハンドリングがうまくゲームメイクができてフロアをストレッチできて、ディフェンス面ではペリメーターからリムまで全部守れるという今のNBAで最も理想とされるビッグマンに限りなく近い能力を持っています。プレースタイル的にはCよりもPFでしょう。もともとウィングだったからインサイドプレーヤーとしての能力が劣っているかといえばおそらくそうではなく、例えばより上位で指名が予想されるジャクソン・ヘイズブルーノ・フェルナンドと比べてもBLK%は大差がなく、FTrはむしろ高く、リム付近が主戦場のCと比較してもコンタクトプレーを厭わず「ビッグマン的な能力」はおそらくそこまで差がないのではないかと思います。REB%はやや物足りないものの、STL%が1.9%でビッグマンとしては良い数字。以前少し書きましたが、どうもスティール能力にはプレーヤーの才能が反映されるのではないかと思われるところがあり、これが高いというのは特に良いことだと思います。改善点は明白でとにかく得点効率が悪いこと。NBAでうまく行くかはここの改善にかかっているのでなるべくシューティング育成に長けたチームに指名されてほしいものです。1年目から2年目にかけて全面的に大幅に成績を伸ばしており、今回のコンバインでもレーン・アジリティやジャンプ力はこのサイズの選手にしてはかなり良く身体能力も高い、年齢も20歳になったばかりで若い、1巡目下位から2巡目上位ぐらいで指名予想されている選手の中ではダントツのポテンシャルだと思います。最近の評価の上がり方から見ると10位台の指名もあり得るかなと思います。

他に目のついたところでは、ブルーノ・フェルナンドがCとしては走力が高いことと、外のシュートをほぼ打たなかった割にシューティングドリルの結果が結構いい。NBAレンジからクラクストンとほぼ同じぐらい入っている。FT%が高いのは知っていましたが、案外この選手も現代的なビッグマンになれるかもしれません。あとディラン・ウィンドラーの身体能力が意外と高い。メジャーカンファレンスとそうでないところの差は技術よりもフィジカルな部分が大きいと思いますが、サイズ的にSFの標準以上かつ身体能力で優位に立っているのは良い兆候ではないかと思います。非メジャーカンファレンスのドラフト候補としてはミイエ・オニのほうがアスレチックな印象だったので意外でした。クリス・ウィルクスもウィングとして標準以上のサイズと身体能力があって技術のある選手なので、このへんは2巡目指名なら面白いところ。

ドラフトロッタリーの新しいオッズはどれぐらいタンキングを抑止したか

Nylon Calculusのトッド・ホワイトヘッド記者の記事。タンキングによる下を目指す戦いを防止するためNBAは今年からロッタリーのオッズを変更、負けるインセンティブを減らすことでタンキングを抑止せんとしていますが、それで実際どれぐらい抑止できているのか。

この分析で面白いのは勝敗ではなく、それぞれのチームの、プレータイムで加重平均したチームの平均年齢でタンキングしてるかどうかを判断しているところ。タンキングしているチームは実力ある主力ベテランプレーヤーのプレータイムを減らしてベンチの若手にプレータイムを割くことで、来期に向けたチームの実力の底上げと今期の敗北の両方を得ようとするだろうという考え方でしょう。

結果を見ると、プレーオフに出れなかったチームの中で、そのようなチームの平均年齢がシーズン最初の試合に比べて同じか上がったチームは昨期が3に対して今期は6、平均年齢が下がったチームは昨期が11に対して今期は8とだいぶ減っている。一番下にあるチャートでプレーオフに出れなかったチームに限定して昨期と今期を比較してみるとわかりやすいですが、明らかに年齢が下がりにくくなっています。ただ、昨季は今期と比較して西で上と下の差が大きく早期にプレーオフ行きを諦めるチームが多かったからこうなったのではないかという気もします。有利さの度合いが減ったとはいえ、結局負けるほどドラフトで有利なのは変わらないので、昨季並みに実力差があればやはり昨季並みにタンキングが起こったのではないか。14チームで1位から3位ぐらいまでを引く確率を完全にフラットにすればまずタンキングは起こらないでしょうが(いや、8位と9位の間で負けるインセンティブが生まれるか)、今回のルール変更がどれぐらいタンキング抑止に有効かはまだ判断しにくいように思います。タンキングしない利益があるのはプレーオフに出れるかどうかのところで争っているプレーオフ圏外の東西各1〜2チーム程度ですし、そのへんのチームはルール変更の有無にかかわらずタンキングをする利益はないでしょう。それ以下のチームはルール変更にかかわらずやはり負けるほどいいわけですから、そういったところも行動は変わらない。今年のロッタリーは荒れましたが、過去にも下から9番目のブルズが1位指名権を得ることもあり、荒れた結果があったからと言ってタンキングはなくならないのではないか、負けるインセンティブがはっきりと存在する以上は負けるための行動をほとんど抑えられないのではないか。これから10年ぐらい結果を積み上げないとルール変更による効果の有無は明確にはならないように思います。

(5/19 20:15 追記)

The Ringerのロジャー・シャーマン記者の記事。新しいオッズによって14チーム中の真ん中前後がそれまでと比べて大幅に有利になった結果、プレーオフに出れる可能性があったチームもそれが難しいとわかった途端により低い順位目指してタンキングしだすということをペリカンズとレイカーズを例に示しています。ロッタリー指名権を得るチームの中でタンキングするメリットのないチームは結局全体の下から14位か13位ぐらいで、それ以下のチームのオッズが大幅に改善した結果むしろ負けるインセンティブが増加すらしているのではないかという感じもします。