だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

ウマ娘の因子厳選と因子周回――私の考え方と実践

因子厳選

ウマ娘において因子はサポートカードの質とともに決定的に重要だ。しかも因子はサポートカードと異なり、無課金にも廃課金にも平等に現れ、機能する。無課金や微課金の人間が高課金・廃課金勢とチャンピオンズミーティングで同じ土俵で戦って勝つためには、因子の質を徹底的に良いものにする必要がある。もっと言えば、因子が最大にしてほぼ唯一の武器だから、因子厳選にこそ努力を払わなければならない。以下はチャンピオンズミーティングを想定して、無課金からデイリージュエルパック程度の課金にとどめている層が強い馬を作るための因子厳選について考えていく。

因子には青因子、赤因子、固有スキル因子、白因子の4種類があり、白因子にはスキル因子とレース因子があり、合計で5つのカテゴリがある。固有スキル因子は星の数であまり大きな影響がないため、ここでは問題にしない。どの固有がどう強いかということは各自で調べて欲しい。

ウマの強さを決めるのは、まずはステータスだ。スキルはウマのステータスが近い場合に差をつける要素になるが、基本的にはステータスの差が実力差ということになるだろう。私のような無・微課金勢はサポートカードのトレーニング性能とレースボーナスの限界からステータスとスキルの二兎を追うことは困難だ。スキルを追うよりまずステータスを完全なものにしなければ高・廃課金勢と同じ土俵に立つことすらできない。したがって、ステータスを引き上げる青因子とレース因子が最重要となる。レース因子と言っても、URAシナリオ以外の因子は継承したところでほとんど誤差みたいなものだから、追求すべきはURAシナリオ因子ということになる。つまり、因子厳選とはレンタルを含めて青3URA3を持つウマを揃えていき、最終的には青9URA9を目指していくプロセスのことだ。とりあえず、この記事ではそういうこととして話を進めていく。

赤因子は重要で、特に距離適性因子は非常に価値がある。距離適性がSになるとスピードが上乗せされ、1200を超えられる可能性があるからだ。ただ、青3因子とURA因子のセットを求めつつ赤因子も思い通りのものを追求するのはかなり難しい。結果的になにか良質なものがついたらラッキーぐらいの気持ちでいたほうがいいだろう。赤因子の厳選というものもあるが、それは基本的に特殊な用途(ダートマルゼンスキー、逃げエルコンドルパサーなど)のために使われるもので、青因子と白因子の質とバリエーションを犠牲にするので育成が難しくなる。赤因子厳選は、強力なサポートカードを持っていて、青因子や白因子の質が足を引っ張ったとしても強い馬を作れる人向けのものだと思うので、ここでは問題にしない。

URA以外も白因子は多ければ多いほど良い。が、これもついたらラッキー程度のものだろう。白因子がついたからと言って、実際にそれが確実に継承できるわけでもないのだから。それにスキルが取れたからと言ってそれに使えるスキルptが最終的に残っているとは限らない。URA因子継承は強い馬を作るために不可欠な大きな上ブレ要素だが、それ以外の白因子は貰えればちょっと儲けたという小さな上ブレ要素だ。一方で、チャンピオンズミーティングは条件が事前に設定されており、それに特化した育成ができる。そのため、条件が合えば確定で発動してスピードの限界を超えられる可能性のある緑スキル、具体的には右回り・左回り、春夏秋冬ウマ娘、春夏秋冬ウマ娘を継承するフェブラリーS天皇賞春・宝塚記念天皇賞秋の因子の価値は急上昇している。良馬場、根幹距離なども価値がある。右回り・左回り、春夏秋冬ウマ娘は意外と取るのが難しいので、これらの白因子はかなり価値がある。また〇〇直線・〇〇コーナー系の速度スキルも効果時間が長く、下手な金スキルよりも効果的ですらある。終盤加速のスキルは全て価値がある。これらのスキルを取得できるときは必ず取得しておきたい。

因子周回

上記の理解を前提として、後は良質な因子が出るまでひたすら育成を続けることになる。これが因子周回だ。これにも効果的・効率的な方法がある。

  1. 青3因子を出しやすくするためにSS/B/B育成を心がける
  2. URA因子を出しやすくするために親・祖が全員URA因子を持ったウマを継承する
  3. 金スキルを獲得し下位スキル因子を出しやすくする
  4. 継承相性を高めるために素の継承相性の高いウマを使い、出られる中央G1に全て出して全部勝つ
  5. 赤因子を脚質補正以外にするために脚質適性Aが一つのウマを使う

以下順に説明する。最後に因子周回に向いているウマ娘を示し、私が実際に因子周回どう行っているかを動画で示す。

青因子:SS/B/B育成を心がける

最も重要なのは青因子だろう。継承されるかどうかわからないURA因子よりも、まずは確実に継承される青因子を良質なものにするのが因子厳選の前提となるだろう。

各因子の出やすさや星の数の分布について、現在ではかなりの部分が明らかになっている。青因子についてはウマ娘攻略データステーションポチのツイートを参照。

これらの情報から分かるのは、青3因子を出すためにはステータスをB以上にする必要があること、SS以上にすることでさらに青3出現率がほぼ倍になること、親が同じ種類の青因子を持っている数が多ければその種類の青3因子の出現率が上がるかもしれないことだ。

賢さと根性はあまり重要なステータスではなく、無理に因子で補強する必要はない。したがって、スピード・スタミナ・パワーの3種類をB以上にし、なおかつ可能な範囲でSS以上に伸ばすことでこの3種類の青3因子の出現率を上げていくことを目指すべきだ。これら3種に20%と10%の成長補正があるウマはSSを2つ以上にすることも十分可能だ。スピードを叩けばパワーが上がり、パワーを叩けばスタミナが上がるので、スピードとパワーの補正があるウマは因子をスタミナに多めに振って、ひたすらスピードとパワーを叩くことでSS/B/SS育成が比較的容易に可能になる。ただし、サポートカードが充実していない場合は、トレーニングに集中したうえでそれなりに上ブレしないと難しく、継承相性を高めるためになるべく多くの重賞に勝たなければならないことを考えるとトレーニングにターンを費やせないため、無難にSS/B/B育成を目標にするほうが良いだろう。SS/B/B育成であればだいたい4〜5%ぐらいの確率で青3因子を出せるはずだ。体感的にもそんなところだろう。

スピードをSSまで叩けばパワーは大概Bまで上がるため、スピードをSSにしたSS/B/B育成が最も簡単だ。因子をスタミナに振って、初期スタミナのあるスタミナサポートカードを1つ入れ、適宜スタミナを叩けばBまでは簡単に乗る。他のサポートはスピード5か、スピード4+たづなでひたすらスピードを叩き続ければ良い。スピードだけの補正があってパワーにない場合はパワーがBに届かない可能性がでてくるが、因子を多少パワーにも振り、イベント選択肢をパワーが上がる方で選んで補強しておけばまず大丈夫だろう。マイル・中距離型のウマはスピードに補正がある場合が多いので、このスタイルで育成すれば容易にSS/B/Bを達成できる。

中・長距離型のウマはスタミナに20%の成長補正がある場合が多く、こうしたウマは素直にスタミナSSのSS/B/B育成を目指すのが良い。私は因子をスピード・スタミナ・パワーになるべくバランスよく振って、スピード3スタミナ3のサポート構成でスピードとスタミナだけを叩き続ける方法を取っている。中長距離型のウマはたいてい中距離G1を走ることになりURAファイナルズは中距離になるため、スピードがないと最後まで勝ち抜けないのでスピードを十分上げる必要がある。一方でスピードSSまで叩くわけではなく何もしなくてもパワーBまで上がるということはないので、ある程度パワーにも因子を振る必要がある。さらに、十分なスピードを得ようとするとスタミナを叩くターンが減るので、スタミナ因子がゼロだと今度はスタミナをSSまで上げられなくなるという本末転倒な状況になってしまうこともあるため、スタミナ因子もある程度振る必要がある。スタミナSSのSS/B/B育成はスピードのそれと比べて難しい。試行を重ねて因子のバランスやサポートカードの編成を見極めていく必要がある。

白因子:取得したい因子を持つ親を揃え、金スキルを取得する

白因子の取得率や星の分布についてはポチのツイートを参照。

要は親が同じ白因子(星の数は問わない)を持っていればその白因子の取得率が上がるということだ。親・祖6人誰もURA因子を持っていないウマがURAファイナルズを勝ち抜いた場合URA因子が得られる確率は20%だが、6人全員がURA因子を持っている場合は35.43%まで上がる。この差はかなり大きい。因子周回でレンタルする際は必ず親・祖が全員URA因子を持っているウマをレンタルすべきだ。さらに言えば、継承して手元に残るのは代表の因子だけなので、代表の因子の良質さに特にこだわるべきだ。つまり、因子厳選という観点から言えば、代表の因子が青3URA3でなおかつ祖二人もURA因子を持っている(星の数は問わない)ウマをレンタルすべきということになる。自前の因子もこの条件を満たすものを優先すべきだろう。もちろん、状況によって必要な因子も変わってくるので柔軟に考えればいいが、これが基本線だ。

他の白因子も同様に、親・祖で同じ因子を持っている数が多ければ、子が同じスキルを取得したりレースで勝ったりした際にその白因子を取得できる確率が上がる。また、金スキルを取得すると下位スキルだけを取得した場合と比べて因子の取得率が倍になるため、金スキルは積極的に取得すべきだ。一方で○→◎と上げてもそれほど白因子取得率は変わらないため、2段階上げるよりもその分のスキルポイントで他のスキルを取得したほうが良いだろう。ただし、上記の通り右回り・左回り・春夏秋冬ウマ娘・根幹距離・良馬場などはチャンピオンズミーティングで非常に有効なため、少しでも因子取得率を上げるために二重丸まで上げても良いと思う。役に立つかどうかわからないスキルを取るよりは、役に立つとわかりきっているスキルの因子取得率を上げるほうが有意義だろう。

継承相性:素の継承相性の良いウマを選び、出られるG1全部に勝つ

継承相性に関してはヴァス=梶原の分析が完全なものだろう。この人が作った継承相性表も素晴らしく、大いに活用させてもらうと良い。

強い馬を作るために大事なのはURA因子をできるだけ多く継承することだ。そのためには継承相性をできるだけ高めて因子継承を発生しやすくしたい。継承相性を高めるには、素の継承相性の良いウマで親・祖のセットを構成し、親・祖の間で勝ち重賞レースをできるだけ多くかぶらせる必要がある。

個々のウマの素の継承相性については上記の相性表を参照。個別の継承相性は良いに越したことはない。というのも、継承する子と同じウマが祖にいる場合(個別の継承相性が0になる)、青因子が継承されないことがあるからだ。継承相性が極端に悪いハルウララの育成で、祖にハルウララがいないのに青因子が継承されないケースを経験したこともある。おそらく、全体の継承相性だけでなく、子と親・祖の個別の継承相性にも因子の継承されやすさは影響されるのではないか。だからこそ、全体の継承相性を引き上げるだけでなく、そもそも素の継承相性の高いウマで親・祖のセットを作っていくのがベターだと思う。継承ループは子と祖が同じになる傾向が強いのでやらないほうがいい。

因子周回に使うウマを決めたら、次に継承する親を決める。これは、親が良質な因子を持っているセットを優先する。親が良質な因子を持つということはどういうことかというと、白因子の項で書いた通り、青3でURA因子を持っていてURA因子の星の数が多いセットということになる。例えば私の手持ちの因子では、親がスタミナ3URA3が1セット、パワー3URA2が1セット、その他の青3はURA1かURA因子なしなので、基本的にどのウマに対してもスタミナ3URA3とパワー3URA2のセットを継承する。結果として手元に残る因子を良質なものにすることが因子厳選の目的なので、基本的に親の因子を問題にし、周回に使うウマの継承相性が○だとか◎だとかは問題にしない。成長補正の弱いところに因子を振るとか、特定の白因子・赤因子をなるべく残したいとか、そういう理由があるときはパワー3URA2のウマを他の青3URA1に変えるときはあるが、基本的には青3でURA因子の良質なものを最優先する。

親と祖の間で勝ち重賞レースがかぶると継承相性値がかぶった数だけ上がる。しかし、レースに出すぎるとそれだけでターンが消費され、SS/B/B育成が困難になる。青3因子を出すことが前提だから、継承相性値を上げるために青3因子出現率を下げるような格好になってしまうのは本末転倒だ。

G1を端から勝つと、クラシック三冠や春シニア三冠、秋シニア三冠などの特別な実績が得られる。これらの特別な実績がかぶることでも相性値が上がる。したがって、効率よく継承相性値を上げるためには、出場する重賞を中央G1に絞り、出られるG1は全部出て全部勝つのが良い。同じG1を2度勝っても上がる相性値は1なので、1回勝てば十分だ。また、目標レースを3戦目にすればリスクなく3連戦できるので、秋シーズンはそれを利用してG1を連戦すると良い。例えばオグリキャップであれば、2年目は菊花賞エリザベス女王杯マイルCS(目標)で3連戦し、3年目はジャパンカップチャンピオンズカップ有馬記念(目標)で3連戦といったローテーションを組めば、リスクも無駄もなく秋華賞以外の中央秋G1を全部勝つことができる。同日開催のレースは、選べるならば目標レースに設定されていることの多いレースを選ぶべきだ。朝日杯FS阪神JFなら朝日杯FSを、牡馬三冠と牝馬三冠であれば牡馬三冠を選ぶこと。もちろん、SS/B/B育成が前提なので、ステータスの上がり方に余裕がないときはトレーニングを優先させてローテーションを柔軟に調整したほうがいいだろう。その場合も、そのターンのトレーニングの質によるが、目標設定されることの少ないレース(チャンピオンズカップヴィクトリアマイルなど)を外すようにしたい。一方で優秀なレース因子を取得できるレース、具体的には春夏秋冬ウマ娘が継承されるフェブラリーS天皇賞春・宝塚記念天皇賞秋、根幹距離が継承される大阪杯マイルCS、非根幹距離が継承されるエリザベス女王杯は優先したい。G1はレースボーナスも多く、緑スキルを覚えられることもあるから、白因子を増やす観点からも出られるG1は全部出たい。

これらをきちんとやっていれば十分に継承相性は引き上がるので、継承ループなどというものは気にする必要もやる必要もない。継承相性を引き上げるのはそれ自体が目的ではなく、強いウマを作るための手段だからだ。

赤因子:脚質適性Aが一つのウマを周回に使う

赤因子はあまり追求しなくても良いと考えているので、もしついでに狙うなら、という程度の話だ。ウマ娘攻略データステーションポチのツイートを参照。

赤因子で価値があるのは馬場適性と距離適性だ。脚質適性は賢さを少し上げたり下げたりする程度であまり意味がない。賢さ自体にあまり大きな意味がないからだ。強いて言えば、デバフ用の追込ルドルフやハルウララのスキル発動率を上げる(というか下げない)ために追込補正があると少し嬉しいね、というぐらいだろう。

赤因子は馬場・距離・脚質それぞれの適性の中からA以上のものがランダムに選ばれる。さらに、選ばれたものから星1が20%、星2が70%、星3が10%の確率で得られる。例えば補正なしのアグネスタキオンであれば、芝・中距離・先行のどれかの赤因子が33%の確率で選ばれる。

あまり意味のない脚質因子をつけたくないならば、脚質適性Aが2つ以上ないウマを選んで、補正せずに使えば良い。さらに、赤因子の中で特に意味があるのは距離因子なので、距離適性Aの比率を高くして距離因子を取得しやすくするのも良い。例えばウオッカは適正Aが芝・マイル・中距離・差しなので距離因子を取得できる確率が50%になる。ミホノブルボンを長距離・マイルで補正すれば、芝・マイル・中距離・長距離・逃げが適正Aで、距離因子を取得できる確率は60%になる。距離因子なら何でもいいというわけではないなら、狙う距離適正Aを持っていて脚質適性Aが一つのウマをそのまま使う。マイルが欲しいなら、ウオッカよりもマルゼンスキーのほうが33%で取得できるので確率が高い。長距離が欲しいなら、メジロマックイーンゴールドシップナイスネイチャなどを使えば25%で取得できる。

なんにせよ、青因子とURA因子が因子厳選の目的なので、狙った赤因子を取るための努力は後回しでいいのではないか。

因子周回推奨ウマ娘(マイル・中距離型)

マイル・中距離型のウマの利点は、マイルから長距離まで幅広い距離を走れる馬が多いことで、つまり継承相性を引き上げやすいということだ。この距離を走るウマはスピードに成長補正がある場合が多いので、スピードSSのSS/B/B育成が基本になる。

オグリキャップスピード20%パワー10%の成長補正があまりにも強力でスピードSSパワーBが簡単に達成できる。マイルA・中距離A・長距離Bの距離適性でマイルから長距離まで全てのG1に勝てるうえ、ダートBのおかげでダートG1も問題なく勝てる。スピードSSを目指す育成をしているとスタミナが相対的に不足して3000m級のレースでは勝てなくなるが、わずか覚醒レベル3で食いしん坊という最良の金回復スキルを取得できるため勝ちやすくなる。目標レースが全てG1なので無駄に重賞レースを走ってターンを消費しない点も有利(有馬記念は2回走るが)。継承固有スキルはシンボリルドルフトウカイテイオーとともに最も強力なもので、オグリの良い因子を作ることは差し・追込育成では重要だ。素の継承相性も良好。

エルコンドルパサーオグリの良いところがほぼすべてエルコンドルパサーにも当てはまる。パワーでなく賢さに10%補正がある点、金回復が覚醒レベル5でマニーがかさみ食いしん坊に比べたら効果が薄い可能性がある点がやや弱い。継承相性は良好だ。脚質相性が先行のため、先行ウマが多い中・長距離型のウマと全体的に継承相性が良い点に特に魅力がある。エルコンドルパサーとオグリは補正無しで中央G1を18種類勝つことができ、特別な実績も7種類得られるはずだから、中央G1だけのローテーションで勝ちが重なると相性値が最大25上がるはずだ(多分。特別な実績がそれだけカウントされるかわからない)。

ダイワスカーレットエルコンドルパサー同様に幅広く継承相性が良い。逃げ適性が高く固有スキルも強力で確実に発動するので非常に勝ちやすい。覚醒レベル5で、食いしん坊とともに最も効果的な金回復のレースプランナーを覚えるので、天皇賞春も問題ない。桜花賞秋華賞と目標レースにされることの少ないレースが目標になっている点、牝馬3冠を獲得しても継承して実績を合わせられるウマが少ないためダービーに行かざるをえず特別な実績を一つ無駄にする点、マイルCSとJCの両方を勝つために2年目の11月後半にリスクありの3連戦をする必要がある点、スピードの成長補正が10%という点で上記二人に劣る。一方G1以外の目標レースはチューリップ賞だけ、2年連続で同じレースを走る必要がなく、ダートG1は出ないのでローテーションに余裕があり、スピードの成長補正が10%でもSS/B/B育成は上記二人と比べて難しくなるわけではない。また、超長距離はスタミナよりむしろ根性不足が要因で負けるケースが多く、根性に20%の成長補正があるダイワスカーレットのほうが天皇賞春に対応しやすい。安定して勝ちやすいウマでストレスなく育成できるのが最大の魅力。

ミホノブルボン距離相性が短距離・マイル・中距離と3つもあり、実は継承相性が全方位的に悪くない。特別に相性が良いと言えるのはサイレンススズカマルゼンスキーぐらいだが、相性が悪いウマも少ない。スプリント・マイルウマから見ればむしろ良好だ。1200mから3200mまでダート以外は全部勝てるので、継承相性を引き上げるのが非常に容易。レースに勝ちまくって良い因子を獲得できたミホノブルボンは、短距離型から長距離型まで誰にでも使える魅力的なものになる。ただし、成長補正がスタミナ20%パワー10%と完全に中・長距離型のそれで、スプリントから超長距離まで出るローテーションとSS/B/B育成の両立は難しい。いっそSS/B/B育成は諦めて、スピード高めのB/B/B育成で重賞を30戦以上するファン周回的な育成をしたほうがいいのではないか。それで良い因子ができたらマルゼンスキーに継承し、同じローテーションで継承相性を徹底的に引き上げる。マルゼンスキーの継承固有スキルは非常に強力だが、素の継承相性が悪すぎるのが弱点だ。マルゼンスキーの因子周回の前準備としてミホノブルボンがいると有利だろう。

その他:グラスワンダーはスピード20%パワー10%の成長補正が強力でSS/B/B育成が極めて容易だ。マイル〜長距離で適性が高く、目標レースが少なくG1が殆どなので無駄なく柔軟にローテーションを組める。一方で自前の金回復がないため、マエストロ等をもらえないと菊花賞天皇賞春を勝つのが難しいのが因子周回では惜しい。素の継承相性もあまり良くない。それでも育てやすく多くのレースで勝てるので因子周回に有用なウマだろう。ウオッカはスピード10%パワー20%の成長補正が優秀。長距離適性がないため継承相性の引き上げが難しい。有馬記念の負けレースでターンを消費するのは残念。目標レースがダスカとかぶるのでどちらかで良い因子ができれば継承相性を上げやすい。逃げ適性が高く安心して逃げ育成ができる。

因子周回推奨ウマ娘(中・長距離型)

中・長距離型のウマは互いに継承相性がかなり良い。目標レースもほぼかぶるので中・長距離型のウマで継承を繋げば簡単に相性◎が作れる。マイル適性がないウマが殆どで、マイルG1に出さなくても良い分ローテーションが楽でトレーニングにターンを使える。スタミナ20%の成長補正のあるウマが多く、スタミナSSのSS/B/B育成が基本になるが、スピードが低いと負けることもあるので、ローテーションに余裕があるとしてもやや難度が高い。パワー不足になりやすいので工夫が必要になる。最後まで勝ち抜かないことにはURA因子は得られないので、安定的に因子周回をするならマイル・中距離型で行ったほうが良い。

メジロマックイーン継承相性値の合計が全キャラで最も高く、中・長距離型のウマとはすこぶる相性が良い。マイル・中距離型の差しウマとはイマイチなので注意。逃げ適性が高く固有も発動しやすいので勝つのが容易。自前で春ウマ娘と長距離コーナーという非常に有力なスキルを覚えられる点も良い。脚質適性Aが先行のみなので長距離因子を最も出しやすいウマの一人。アニメ2期のキャンペーンと6月のレジェンドレース、限定セールでピースがかなり貯まるはずなので、3月中旬ぐらいまでに始めた人であれば女神像を20〜30個突っ込めばピースを150個にできるのでガチャで当てなくても入手できる。(追記:持ってないウマのピースは女神像で交換できないのでこれは間違い。失礼しました。)

スペシャルウィーク相性番長その2。脚質相性が差しのため、差しウマの多いマイル・中距離型とも相性が良い。同世代が多く相性が引き上がる相手も多い。継承相性の悪いサイレンススズカとすら相性が良く、平均以上に相性が悪いのはダイワスカーレットぐらいで、とにかく誰とでも相性がいいのが魅力。マイル適性がCのため、2段階引き上げられれば(マイル因子が合計4以上)マイルから長距離まで全部勝てる。食いしん坊を覚醒レベル3で覚えられるため、スピードSS育成を目標としても3000m級のレースを問題なく勝てる。スピードの成長補正が無い為苦しいが、完凸スピードSR・SSRを4か5枚揃えられるなら、マイル補正をしてマイルから超長距離まで全部勝った上でスピードSSを目指す育成も可能で、継承相性が極めて高いセットを作れる。

ナリタブライアン相性番長その3。スペシャルウィーク同様に脚質相性が差しなので継承相性の万能性が高い。マイル適性がBのため、1段階の補正でマイルから長距離まで全部勝てる。何なら補正なしでもマイルG1を勝てるだろう。スピード10%スタミナ20%の成長補正があまりにも優秀。高難易度ルートを選ぶことでレースボーナスが増えるのでステータスも多少あげやすい。金回復がないためスピードSSを目指す育成で超長距離を勝つのは苦しいかもしれないが、最終的にスピード800・スタミナ1100を超えるようなバランスの育成をしていれば金回復なしで問題ないし、マイルでも勝てるのではないか(未所有のため未検証)。因子周回用途では、かなり扱いやすいウマだろう。

テイエムオペラオー相性番長その4。逃げ適性が高い。秋シニア三冠で全ステータスが10以上引き上がるイベントがある。2年目でも可能だが、継承相性を考えると菊花賞を取りたい。目標レースが重要G1のみなので無駄にターンと体力を消費せずローテーションにかなり余裕があり、育てやすい。

シンボリルドルフ上記4人に比べると継承相性は良くないが、全体としては良いほうだ。逃げ適性が高く、イベントでのステータス向上も大きく、育てやすい。マイル適性がCなので引き上げればマイルも勝てる。マイルも勝とうと思うならばスピードSS育成をしたいが、成長補正がないのでサポカの質が重要になる。スペシャルウィークと異なり金回復がないのでスピードSS育成をしてマイルから超長距離まで勝つというのは難しい。継承固有スキルが発動しやすく威力も最高なので、ルドルフの強力な因子は差し・追込み育成で必須と言ってもいい。可能なら所有して因子周回に使いたい。このゲームの最強ウマ筆頭の一人だが、中距離デバフウマとしては間違いなく最強なので、今後も中距離が中心となるであろうチャンピオンズミーティングで活躍の余地が大きい。星3引換券の対象としてオグリと並んで最も魅力的だ。

ゴールドシップチャンピオンズミーティング最強ウマ(今のところ)。継承相性は良くなく、特にマイル・中距離以下の距離適性のウマとは相性が悪い。スタミナ20%パワー10%の成長補正が強力。概してパワー不足に陥りがちな中・長距離ウマの中で、スピードを十分叩けばパワーも楽にBに乗るありがたい存在。追込のスピード補正も強力で、スピードが700もあればURAファイナルズも簡単に勝ち抜ける。どのウマも育成は基本的に脚質適性を問わず逃げ戦法を取ったほうが良い。育成で負ける要因は第1に前づまり、第2にスピード不足だからだ。しかしゴルシの場合は外を回ってくる傾向が強く、前づまりのリスクが低く、追込のままで大丈夫だ。脚質適性Aが追込のみで、先に書いた通り脚質補正で唯一価値があるのが追込なので赤因子も無駄なく良いものをくれる。ただし、赤因子がつくことが多い先行・差しがBなので、継承で意図せず適性がAに上がってしまうことも多い。マイル適性がCなので少し補正すればマイルG1も勝てて、有効な金回復も自前で用意できることからスピード偏重育成でも超長距離を勝てる。初期プレイアブルキャラで誰でも持ってるのも美点。チームレースでもチャンピオンズミーティングでも因子周回でも、このゲームの中心にいるウマだ。

トウカイテイオー長距離の距離相性を持っていないため継承相性はあまり良くない。スピード20%スタミナ10%の成長補正が非常に優秀。金回復はもっていないが、ローテーションに余裕があるため、天皇賞春まではスピード・スタミナを同じか少しスタミナよりに育てて、終わったら一気にスピードだけを叩いて最終的にSSまで伸ばすといった芸当も可能。適性Aが芝・中距離・先行に限られているので中距離赤因子を出しやすい。チャンピオンズミーティングは中距離中心になるはずだからこの点で魅力がある。継承固有スキルは最良のものの一つ。オグリ・ルドルフと同様に、テイオーの良い因子を作ることは差し・追込育成では重要だ。マックイーンと同様の理由でピースが貯まるので、ガチャで当てなくても入手できる。(追記:持ってないウマのピースは女神像で交換できないのでこれは間違い。失礼しました。)なお、赤テイオーは覚醒スキルで有効な金回復を2つも持てるのでスピード偏重型育成でも超長距離は問題ないが、継承固有スキルが劣るので青テイオーのほうが因子厳選の対象としては良いだろう。

因子周回の実践

(ほぼ)無課金勢がタウラス杯プラチナ称号を得るまでのプロセス

このブログはNBAの話題を取り扱うためのものだが、私は最近はウマ娘にかまけている。ウマ娘のことを書くならば別にブログを作るべきかとも思ったが、私が書けることはせいぜい記事2つ分といったところなので、ここに書いてしまう。NBAは、スパーズも終戦したことだし(プレイイン・トーナメントなどという催しは金輪際やめるべきだ)ドラフトも近いので多少書くことはあるかもしれないが、頑張って書くべきことがある気もあまりしない。ドラフト候補のプレイヤーに対する評価の仕方を今年に対しても同様に当てはめれば、最も注目すべきはトルコのアルペラン・シェングンだとは言っておきたい。

ウマ娘はとても楽しいゲームで、大好きだった競走馬のことや、ダビスタで強い馬を作るために数限りなく生産したことを思い出すよすがにもなる。運に左右される部分は他のジャンルのゲーマーには苛立たしい部分かもしれないが、ダビスタ以来の競馬シミュレーションゲームの伝統に則っていて、制作側も相当にやりこんでいたのだろうし、ウマ娘を作る上で参考にしたんだろうという感じがする。マスクデータが多く複雑な要因が絡んで結果につながる部分もそうだ。なかなか奥深いゲームだと思う。

さて、タウラス杯のグレードリーグだ。私はこれが「全ユーザー中のトップを決める大会」だと思っていたし、すなわち廃課金勢中の廃課金を決める大会だと思っていたのだが、そういうことではなかった。実際は参加者中の8%ぐらいはAグループの最後まで勝ち抜けたのではないだろうか。もちろん、しっかりと課金して良いサポートカードを揃えている者が大方だろうが、私のようにほぼ課金していない、貧弱なサポートカードで勝ち抜いたものもいるだろう。

f:id:k-dayo:20210524122019j:plain

私は、今月頭にデイリージュエルパックを980円払って購入したが、それ以外に課金はしていない。それを買ったのもタフネス30が切れたためで、「毎日タフネス30を5個くれるサービス」として買ったものだ。これによって余分にガチャができたという実感はない。ゲームを始めるのが遅かったのでイベントのSSRスペシャルウィークも持っていない(心底欲しい)。以下のサポートカードが全てだ。

f:id:k-dayo:20210524121956j:plain

f:id:k-dayo:20210524122002j:plain

重要なのはスピードSRだが、最も強いのが3凸ナリタタイシン、その次が1凸のスイープトウショウキングヘイローエイシンフラッシュに至っては持ってすらいない。SSRスーパークリークは今月のピックアップで持ってる石を端から突っ込んで、やっと2枚手に入れた。私は最近まで育成ガチャを多くやりすぎていたため、無課金でこれよりまともな人はいっぱいいると思う。それでも勝った。無課金の人にとって多少参考になる部分もあるだろうから、どう勝ったかを書くことにする。

結論から

タウラス杯を勝つということはこういうことだったと思う。

  1. スタミナが十分ならばスピードで勝負が決まる
  2. スピードで差がつかないなら速度スキル・パワー・脚質補正で勝負が決まる
  3. スピードデバフを使うことはこちらのスピードを底上げすることと同義で勝負に直結する

具体的には、スピードカンスト付近・スタミナ900(+根性300以上)に金回復2つのウマを作れば、相手が両方ともデバフネイチャを持ってきたとしても潰されず、これを満たさないウマをエースに持ってきている限りは大方勝てた。これを満たすウマ同士の戦いであれば、より優れた加速・スピード補正を備えたウマを持ってきたほうか、スピードデバフで相手のスピードを自分のウマよりも激しく削ったほうが主に勝った。一時期話題になった燃費理論などは全く無意味で、タウラス杯は純然たるスピードの戦いだった。それがわかってた人は勝ち、わかってなかった人は負けただろうと思う。

無課金勢の弱点は、サポートカードの貧弱さからくるトレーニング効率とレースボーナスの悪さだ。無課金勢でも先の条件を満たすステータスとスキルのウマを作れるが、それ以上の速度スキルやパワーを積み上げる余裕はまったくない。できることは、優れた因子と最大限効率的なトレーニング手法で上記のステータスとスキルを持つウマを作り上げること、相手のスピードを最大限削るデバフウマを作ることだ。

効率的なトレーニング方法は2種類しか無い。因子をパワーに振ってサポートをスピードとスタミナに限定しスピードとスタミナだけを叩く方法と、因子をスタミナに振ってスピードとパワーだけを叩く方法だ。今回は金回復を2つ積む必要からスーパークリーク必須だったため前者の方法を取ろうとしたが、スタミナの要求が大きかったため、因子はスタミナを多めに盛ることになった。できたエースは次のオグリとゴルシだ。

f:id:k-dayo:20210524121830j:plain

f:id:k-dayo:20210524121836j:plain

f:id:k-dayo:20210524121756j:plain

f:id:k-dayo:20210524121801j:plain

デバフは独占力が強力だ。今回相対的に強かった差し・追込ウマに確実に効かせるため、ルドルフを追込で運用した。

f:id:k-dayo:20210524121935j:plain

f:id:k-dayo:20210524121940j:plain

終戦はデバフで相手のスピードを潰して、オグリが差し切った。1と1/2馬身差ぐらいだったと思う。ゴルシはハナ差3着で、比較的楽で確実なレースだった。

準備――メインストーリーのミホノブルボンベンチマークにする

天気と馬場を除き、タウラス杯と同条件で行われるメインスターリーのダービーの夢はベンチマークになるだろうと多くの人が考えていたし、私も「このブルボンに勝てるウマを作ればまあまあ行けるのではないか」と考え、それが可能なウマを作ろうというところから私のタウラス杯は始まった。タップダンスシチーのリーダーの人の動画で、タウラス杯用のウイニングチケットを作って実際にブルボンに勝ってみせるものがあり、「あれって本当に勝てるんだ」と認識できたことが最も大きい。感謝してます。ダスカのファン100万人周回の動画とか面白すぎるのでみんなも見よう。

f:id:k-dayo:20210524121738j:plain

これに勝つ。スピードはカンストしてないが、左回り○がついているので実際は1200を超えている。スピードをカンスト付近までもっていき、パワーで上回れば加速力の差で勝てるのではないかと考えた。ウマは、スピード20%パワー10%というあまりにも優秀な成長補正と最強クラスの固有スキルを持ち、更に自前で最も優秀な回復スキルを持つオグリキャップを使用した。テストとしてスピード・パワー育成法で作ったのが次のものだ。

f:id:k-dayo:20210524121852j:plain

f:id:k-dayo:20210524121859j:plain

これはスタミナが足りず、全く勝てなかった。おそらく根性が低すぎるのだろうと考えた。同じ育成法でスタミナ・根性を上手く盛れたのが次のものだ。

f:id:k-dayo:20210524121905j:plain

f:id:k-dayo:20210524121911j:plain

これは10回中2回ぐらいの割合でブルボンに勝つことができた。食いしん坊が発動したときはスタミナがもったが、そうでないときはスタミナ不足で沈んだ。4コーナー以降の加速はすばらしく、直線に入った段階でブルボンの前に出ていることも多かったが、スピードの差で直線に入ってからは引き離される一方だった。勝てるケースは、残り200mで2馬身差以内の差で済んでいて、固有スキルの威力で逆転できた場合だった。ここで、スピードがカンスト付近でなければ勝負にならないのでは、また金回復は2つないと安定性に欠けるのではないかと考えるに至った。また、スピード・パワー育成法は根性が全く伸びず、最低限の根性を確保することを意識すると育成の難度が高くなると考え、マエストロを追加する必要もできたことから、スピード・スタミナ育成法に変えた。そしてできたのが次のオグリだ。

f:id:k-dayo:20210524121819j:plain

f:id:k-dayo:20210524121825j:plain

このオグリは10戦したら7回か8回ぐらいは勝てるものとなった。スピード・パワーともブルボンにわずかに劣るが、直線に入ってからはほぼ同じスピードで走るため、直線に入った段階で2馬身差以内の位置にいれば固有発動で差しきれた。これをエースにしようと決める。

このオグリの育成で理解したことは次の点だ。

  1. スピードは全てに優先され、カンスト付近まで伸ばすことが大前提になる
  2. その上で2400mスタミナ切れを起こさず走り切るには、スタミナ800(+根性300)前後に有効な金回復が2つあれば良い
  3. この2つを満たした上で最大限のパワーを乗せることがスピードを活かすことになる

タウラス杯前にはデバフウマ、特にナイスネイチャの流行が予想されており、影響を受けづらい追込ウマの有利が予想されていた。そのため同様の理解に基づいて以下のゴルシを育成した。

f:id:k-dayo:20210524121744j:plain

f:id:k-dayo:20210524121749j:plain

この時点でタウラス杯まで前日と迫っており、3人めができていなかった。急造でウオッカを用意した。

f:id:k-dayo:20210524122026j:plain

f:id:k-dayo:20210524122032j:plain

絶対スタミナが足りないと思ったが、金回復が最良のタイミングで出れば猛烈なスピードを発揮できるステータスとスキル構成ではある。まぐれでも1回はブルボンに勝っている。この、一応はブルボンに勝てる3人でタウラス杯に望むことにした。

ラウンド1――5連敗と5連勝

私のタウラス杯は5連敗で幕を開けた。今となっては、開幕してすぐの12時台前半に挑んだことも悪かった気がしているが、なんにせよ最初のチャレンジで5連敗した。これはショックだった。ブルボンに7割勝てるオグリがことごとく沈んだ。スピードがあるのに最終コーナーから直線で伸びずに沈む原因を考えてみたが、パワーが十分高いことを考えても、スタミナ不足としか考えられなかった。毎回デバフネイチャを相手にまわしていたわけでもないと思う。必ずしもスピード・パワーで相手が優れていたわけでもなかったと思う。となると、根本的にスタミナに対する要求水準がメインストーリーのそれとよりも厳しく設定されているようにしか思えなかった。

これ以上にスタミナを盛ったオグリは用意していなかったので、ゴルシだけを変えてふたたびチャレンジしてみた。冒頭にあげたこのゴルシだ。

f:id:k-dayo:20210524121756j:plain

これはレンタルをパワー9因子に振るつもりが間違ってスタミナ9にしてしまったことで出来上がったものだが、怪我の功名だった。変えた途端、5連勝でラウンド2のAグループ進出を決めた。うち4勝はこのゴルシで、1勝はウオッカだ。オグリはやはり沈んだ。その後2回チャレンジし、いずれも3勝2敗で勝ちはすべてゴルシだった。ここで、今回のスタミナの要求水準をスタミナ900(+根性300)以上に金回復2個と理解し直した。デバフをもらいにくいゴルシでそうなのだから、先行オグリであればスタミナ900以上でスタミナ+根性が1300ぐらいが基準になるのではないかと考えた。そこで作り直したのが冒頭にもあげたこのオグリだ。

f:id:k-dayo:20210524121830j:plain

根幹距離○があるのでスタミナは+40になるらしい。更にスタミナを過剰盛りしたスペシャルウィークも作ってウオッカに変え、スタミナの重要度を測ることにした。

f:id:k-dayo:20210524122009j:plain

f:id:k-dayo:20210524122014j:plain

本当はスピード1100・スタミナ1000ぐらいにしたかったが流れでこうなってしまった。しかし、これが勝てるなら今回はむしろ3000m級のレースのつもりで望んだほうが良いことになるため、テストとしてはむしろ好適と言えた。

このメンバーでラウンド1の2日目に挑み、確か4回中3回勝ち越すことができた(負けたのは12時台)。勇気づけられたのはオグリがかなり勝てたことで、デバフネイチャ二人を相手にしても全く沈まず、更にスペシャルウィークが全く勝てなかったことで、「スピードカンスト付近にスタミナ900以上(+根性300)と金回復2個」が今回の最適解であると確信が持てるようになった。

環境と補正

ところで、変更前と変更後のゴルシで、どちらが強そうに見えるだろうか。

f:id:k-dayo:20210524121744j:plain

f:id:k-dayo:20210524121756j:plain

おそらく、タウラス杯の攻略を頑張っていた人の多くは変更前のゴルシのほうが強いと考えるのではないだろうか。道悪○と追い上げが死にスキルになっているし固有のレベルも3なのが問題ありだが、中距離Sと春ウマ娘○があるためスピードは1200を超えているはずだ。パワーの差も130と大きい。後者の一匹狼は強力だが、発動機会は多くはなかった(勝利の鼓動は強力だったとは思う)。しかし、勝ちを重ねたのは後者だ。

更に変更前と後のオグリを比較しよう。

f:id:k-dayo:20210524121819j:plain

f:id:k-dayo:20210524121830j:plain

ステータス・スキルとも非常に似通っているが、前者は20戦0勝で後者はかなり勝っている。良馬場◎がついているが、これはパワー+60のはずなので、前者のほうが速いはずだ。

このオグリとゴルシの実績の違いから分かるのは、タウラス杯ではカンスト付近のスピードに対して900以上(+根性300)と金回復2つが求められていたということと、メインストーリーのブルボンがこの点でベンチマークとして十分機能していなかったということだ。

おそらくだが、ブルボン戦は1200mあたりから完全に二人だけが抜け出し以後全く競り合いが発生しないため、スタミナの消耗が普通のレースよりもずっと少ない、特殊な環境なのではないか。そのため、ブルボン戦で十分なはずのスタミナがタウラス杯では全く十分でないという状態に陥ってしまった。もちろん、デバフの流行も作用していただろう。しかし、ブルボン戦を通じて得たスタミナの必要水準に対する理解が間違っていたことは確かだ。今後メインストーリーの負けレースをベンチマークとする際は、そのような環境の特殊性を認識した上で活用しなければならないというのが、今回学んだ重要なことだろう。

ところで、ブルボン戦を通じて学んだことがもう一つある。脚質によるスピードの補正だ。どうも、最終直線(あるいは終盤)に入ってから差し・追込はスピードが大きく加算されるようだ。

例えば先行オグリであれば、終盤から最終直線に入るまではブルボンにどんどん迫っていくのだが、最終直線に入ってからはつかず離れずのスピードで走る。言い直せば、スパートに入ってから最終直線に入るまでの間には先行は逃げに比べてスピード(あるいはパワー)にプラスの補正がされるが、直線に入ってからはスピードに補正差がない、ということになる。

一方で差し・追込ウマは、スタミナが十分ならば最終直線に入ってからもブルボンよりも速いスピードで走る。特別速度スキルがなくても明らかにブルボンよりも速い。これはつまり差し・追込に結構強力なスピードのプラス補正があるということだ。補正の度合いで言えば、追込>差し>先行=逃げという関係ではないだろうか。

今回全体的に差し・追込ウマ、とりわけ追込ウマの有利が叫ばれたが、主要因はこの脚質によるスピード補正だろう。今回は9頭立てで、差し・追込につきものの前づまりのリスクやコーナーの外回りによる距離のロスといったことがほとんど問題とならなかったため、この脚質補正の効果が如実に出たように思う。最初の方に書いた通り「スタミナが十分ならばスピードで勝負が決まる」のであって、脚質によるスピード補正の差がスピードの差となり勝負を決めたケースがかなり多かったのではないか。逆に言えば、今後も9頭立てで行われるのであれば、距離を問わず東京や京都など直線の長い競馬場で行われるチャンピオンズミーティングでは同様に差し・追込の有利は揺るがないように思われる。

ラウンド2――スピードデバフ

ラウンド1の2日目はルドルフにやられることが多かった。スペシャルウィークの出番がないこともわかったため、素直にルドルフを作ることにした。

f:id:k-dayo:20210524121924j:plain

f:id:k-dayo:20210524121929j:plain

エストロがないことから分かる通り、育成に失敗した。時間もなくこれが手一杯で、仕方なくこれで行くことにしたが、もちろん、まるで勝ってくれなかった。

しかし、スピードデバフの独占力の威力が凄まじく、独占力で足を止めてオグリかゴルシが差し切るという展開を何度も見ることになった。スタミナを十二分に盛っていればデバフネイチャなどはいないに等しくなるのだが、スピードデバフは避けようがない。そしておそらく、皆スピードとスタミナで手一杯でパワーを十分上げられないからだろうか、スピードを落とされてから再加速できず立ち直れないままゴールしてしまうように見えた。自分のウマについても、スピードデバフをもらうほうが嫌だなという感覚があった。ここで、いっそルドルフをスピードデバフ特化で育成したらどうかという考えに至った。

f:id:k-dayo:20210524121935j:plain

f:id:k-dayo:20210524121940j:plain

独占力を相手追込ウマにも効かせるため、また追込専用スキルのまなざしを使うため、適正Cだが追込で運用している。それ以外には逃げためらいと追込ためらいをもたせ、終盤に入ってから三重に相手全体にスピードデバフをかけて潰すことに特化させた。まなざしは、実質的には前方にいる相手すべてに作用するため、事実上束縛のように機能する。追込適正はCで、これは賢さを20%減殺すると見られているが、元々700まで上げているので減っても560で全く問題ない、スキルの発動率という観点から言えばほぼ差がないと判断した。むしろこれで出遅れて相手のゴルシの後ろを行ってくれるならなお良しだ。先行ためらいと差しためらいも欲しかったが、流石に全て揃えるのは難しいし、相対的に強い追込ウマを徹底的に潰すことを最優先していたので、これだけあれば十分と判断しこれで行くことにした。

このデバフルドルフは強力だった。最終直線で相手のウマのスピードををまるごと潰してくれるので、結果に安定感が出てきた。堅実に勝てるし、負けるとしても惜しい2位ぐらいには入ってくれるようになった。ラウンド2の2日目も確か4回中3回勝ち越したかと思う。

決勝の月刊トゥインクル増刊号によると、私の全体の勝率は57%だったらしい。あえてガチ勢が集中すると思われる12時台にもチャレンジしていたので、個人的には満足できる数字だ。単純計算で勝率33%、ましてほぼ無課金でここまで勝てるなら、この結果は偶然ではなくプレーヤーとしての実力の証明になると思う。

決勝――最後は運

決勝のマッチングはリアルタイムではない。ゆるい20時台などに狙って参加できるここまでとは違う。しかも一発勝負だ。はっきり言って、運にかなり左右される。チームレース最上位の人が負けたりしている。かくして私は、本当に運が良かった。

スクリーンショットを取っていないので、相手のステータスはうろ覚えだ。しかしながら、相手は二人共、ここまで見定めてきた勝てるステータス・スキル構成を備えておらず、パドックの段階で勝ったと思った。

まず、A+のゴルシを見たときは「まずい」と思ったが、スピード700・スタミナ1100・パワー1100といった内容のA+だったので問題にならないとすぐわかった。他もスピード1000を超えるウマがいなかったので、全く問題にならないと思った。

もう一人の方はエースが逃げマヤノで、ブルボンと逃げ2頭出しで競らせて休ませず、直線に入る前に固有を発動させて大きくリードを取ってそのまま逃げ切るという、システム理解に基づいた正しい戦略を立てていて、負けるならこっちだろうと思った。月刊トゥインクル増刊号を見ると勝率も高かった。しかし、スピードは1080ぐらいで、パワーも600を切っていたと思う。単純にスピードの差でオグリ・ゴルシが追い上げるだろうし、逃げの相手にはルドルフのスピードデバフが三重に効くので楽に潰せてしかもパワー不足から立ち直れないだろうと考えた。デバフが全部でなくても、逃げためらい+まなざしか、独占力が1回でも出ればそれで勝負がつくだろう。ついでに言えば、相手は二人共デバフ要員がおらず、私のエースのオグリとゴルシ(特に先行で普段から相手のデバフに狙われやすいオグリ)がのびのび実力を発揮できる環境だった。よほど運が悪くない限りは勝てるレースだと思った。

展開と結果は完全に予想通りだった。相手の逃げマヤノが大幅にリードを取って直線に入るも、スピードで勝るオグリが追い上げ、ルドルフが8番手からデバフを全部だして相手(特に3つ全部入るマヤノ)を潰し切り、オグリが固有発動で楽に差し切った。「この構成でこういうレースがしたい」という理想通りのレースで、非常に満足できる内容でAグループ優勝ができて本当に嬉しかった。

総評と今後の展望

タウラス杯はとにかく楽しかった。このゲームを初めて以来、最も本気で育成を頑張ったし、ほぼ無課金でも最高の結果を得ることができることがわかって大変満足できた。完凸SSRを当たり前のように持っている人を、ほぼ無課金の人間がシステム理解と因子と効率的なトレーニングと戦略で出し抜く、これができたときの気持ちよさと言ったらなかった。「自分はこのゲームを攻略できている」という実感が強く持てた。チームレースで点を取ることと強い馬を作ることの間には深い断絶があるが、私は「できる限り強い馬を作りたい」という気持ちが強いので、チャンピオンズミーティングは性に合っていると思う。今後も頑張りたい。

ブルボン戦やタウラス杯を通じて理解したのは、このゲームは結局スピードの戦いだということだ。2400mでそうなのだから、少なくともそれ以下の距離では当然そうだ。3000mクラスの超長距離でもおそらくそうだろう。まず第一にスピードをカンスト付近まで上げる、その上で十二分なスタミナと回復スキルを確保する。マイル以下ならスピードとパワーのカンストが前提だ。ここまでできた上でどれだけプラスアルファを積み上げられるか、そこで差がつくのだろう。そのプラスアルファを積み上げられる余地の大きさは、当然サポートカードの質に依る。完凸SSRやSRをたくさん持っていて私に負けた人は、第一に運や展開が悪く、第二に非効率的だったと思う。「そんなに根性や賢さを叩くなら、もっとスピードとスタミナを叩いたら?」と思える人は本当にたくさんいた。

チャレンジする時間帯は重要だ。いろんな時間に分散してみたが、サンプルが少ないので以下は話半分に読んで欲しい。12時台のチケット更新直後は、完凸SSRを当たり前のように複数持っている人とばかり当たった。こういう人たちとまともに戦って勝つのは本当に難しい。廃課金の人の殆どは社会人で昼休みの時間にちょうど当たるわけだし、自信があって負けるつもりのない人は早めに勝負をつけたくなるのだろう。勝ちを増やしたい人はこの時間帯は避けるべきだろう。次に厳しいのは6時台。これもやはり社会人の出社前の時間で、前日夜のうちに作り直した強い馬を出すケースも多いだろうから、比較的厳しくなるのではないか。しかし12時台と比べたら相当緩く、私は大体は勝ち越せた。私がやった範囲で最もゆるいのは20時台と22時台。また、14時台に一度チャレンジしたときもやや緩かった。結局、チケット更新から早い時間帯を避ければ、いつやってもそれほど大きな差は出ないのではないかと思う。

次回は天皇賞春と同条件だ。育成をやっていれば分かるが、3000mクラスの超長距離レースは実力差がはっきり結果に出る。運に左右される部分が少ない。無課金勢が因子だけで戦うのはかなり大変で、サポートカードの質の差が如実に結果にでるだろう。スピード・スタミナカンストで金回復が3つでも4つでも、というのが理想だが、私には到底無理だ。スピード1200・スタミナ1000、スピード1100・スタミナ1100、スピード1000・スタミナ1200、このどれかに金回復を3つつけたウマを作るので精一杯だろう。適切なベンチマークもない。こうしたウマを複数作り、実戦で様子をよく観察しながら最適なステータスとスキルを探していくしか無いだろう。

次回は因子厳選・因子周回について書こうと思っている。

2020年ドラフトーク

スパーズ

特にどうということもない普通の指名でした。もっと上で指名される選手が落ちてきたとか、そいつ指名すんのかいという変な指名もなく、普通。妥当。トレー・ジョーンズは35位前後の指名で自然な感じがしますが、まさか41位まで、というわけでもない。ロバート・ウッダートあたりが落ちてきたら面白いと思いましたが、40位でした。まあでも本当に欲しいと思ったら41位に現金つけて適当な順位にトレードアップすればいい、そこまでしないということはジョーンズの評価がかなり高いということでしょう。

KENS 5のトム・ペトリーニ記者がGM、ヴァッセル、ジョーンズのリモート取材の映像を全編アップしているので、それは一通り見ておいたほうがいいのではないか。この記事自体も、インタビューの内容を踏まえつつドラフトの総評としてよく書けているので読んだほうがいいでしょう。映像はyoutubeのKENS 5のチャンネルにもあり(GMヴァッセルジョーンズ)、こっちは字幕をつけられるのでこちらで見るのがいいと思います。なるべくGMのインタビューは見ましょう。

GMのインタビューで注目すべきは、真っ先にヴァッセルとジョーンズの人間性についての評価を述べており、その後の質問でも人間性が大事だと繰り返し強調していることです。チームの最も重要な価値観に適合する選手を加えようと探している、というコメントをしていますが、その後人間性の評価がドラフトプロセスの重要な段階だと言っており、インタビュー全体の文脈から考えても、チームにとって一番大事なのは人間性だという考えだと理解していいでしょう。これはGMが変わって新体制になってもスパーズの文化の核心は変えないという意思がはっきり伝わるところで、ファンとしては安心できます。昨期はモリス兄弟のどっちかと契約合意したはずなのに反故にされ(代理人クラッチスポーツは依頼者とちゃんとコミュニケーションをしてるのだろうか?)、それを前提としてキャロルとの契約を2年から3年に伸ばしたこと、バルタンズをタダでトレードしたことが全て無駄になりました。またドラフト前にはウォリアーズと、オルドリッジ+11位指名権対ウィギンズ+2位指名権というトレードの比較的信憑性の高い情報がリークされていました。モリス兄弟は元々人間性に問題ありと言われていたわけだし、ウィギンズもwork ethicに問題があると言われ続けているわけで、本来だったらどちらもスパーズが取るような選手ではないはずです。このGM人間性を軽視しているだろうか、だとすればスパーズがドアマットになるのはそう遠くないなと思っていました。実際はそういうトレードはなかったし、ドラフトもきちんと妥当な選手を選んだと思うので、まあ良かったんじゃないでしょうか。

指名選手両者に対してGMが共通に評価していることは、インタビューでネガティブな印象を受けることは全く無く、人間性に対して非常に高い評価をしていること、高いIQを持っていて正しいバスケができる賢い選手であること、主役としてプレーするだけではないアンセルフィッシュな選手であること、競争力が高くタフであることです。ヴァッセルに対しては、良いシューターになると見ている、他のプレーヤーのためにプレーできるなど様々な異なる方法で良いプレーができる、体は人によって異なるから単純に体重を増やすことは求めないが機能的な強度を上げることは必要だ、複数ポジションでプレーできることが今のNBAで重要なことだが機能的な強度を上げることでもっとできるようになるだろう、と評価しています。

ヴァッセルに対するKの評価は前回書いた通りです。振りかぶる系のフォームはレナードも直してきたことなので、余り問題に思ってないかもしれません。大きく手を付けないで細かいところを治すのかもしれませんが、いずれにしろシューティングは大丈夫だとコーチングスタッフが判断したようなので大丈夫なのでしょう。フィジカルコンタクトの強化が最重要でしょうか。ロッタリーピックとはいえ、1年目はやはりあまり出番なしだろうと思います。

ジョーンズは得点力のなさという点を除けばPGとしては足りない部分が全く無いので良い選手だと思います。シューティングはなんとかなるのでジョーンズにとっても良いチームに指名されたのではないかと思います。ミルズが契約最終年で、来季32歳でこれからは身体能力の衰えがプレーに出てくるので、長期的にミルズを置き換えるということで考えると良い選択でしょう。2巡目の選手にあまり期待してもしょうがないのだけれど、2nd ラインナップのPGとしては中の上ぐらいのところまでは確実に育つだろうという期待は持てます。PGというポジションと役割が長期的にNBAで求められるか、というのは別の話だけれども。

二人共大学2年間で大幅かつ全面的に数字を改善しており、成長力には確信が持てます。ギャンブル性の低い指名だと思います。

前回名前をあげた選手であれば誰を指名してくれても文句はなかったのですが、11位で指名できそうな選手ではパトリック・ウィリアムズが最良だろうと考えていましたが、その後の評価の上がり方が尋常ではなかったのでとても指名できなさそうな状況でした(実際4位指名だし。ワッサーマンの代理人は評価引き上げるのが本当にうまいなあ)。アチュワはいくらポテンシャルがあると言ってもスタート地点の実力とバスケットボールIQが低すぎるし、ヴァッセルとネスミスだったらサイズや身体能力、シューティング以外の能力(特に視野の広さ)と言った点から考えればヴァッセルのほうがポテンシャルがあるだろう、11位の時点ではヴァッセルが良いと考えていたので、実際そういう指名になって良かったです。ハリバートンが残ってるのはいくらなんでも話が違うよというところでしたが、流石に1巡目でPGもう一人は苦しいよなあ。サンズはクリス・ポールを獲得してなかったらハリバートンに行ってたのかしら。なんにせよキングスは大儲けの指名でした。

オルドリッジとデローザンが契約最終年なので、トレードアップするならアセット的に今年だけがチャンスでしたが、正直そんなに頑張るような年でもないし、そもそも彼らにアセットとしてそれほど価値があるとも思えないし、対価にウィギンズとか押し付けられたら迷惑だし、無理にトレードをしなくてよかったと思います。

全体の感想

今年全然荒れなかった。不作年は荒れる、の一方で来年以降が豊作なので将来の指名権を絡めたトレードは少なかろうからそんなに動かないだろうという面もあり、どうなのかなと思ったら、動くは動くんだけど派手なトレードも変な指名もそんなに無いという、あまり面白みのないドラフトでした。特に上位に価値がないのでトレードアップもしづらい、複数指名権を持っているチームが少ないのでトレードダウンもしづらい、など色んな要素があったんだろうなあとは思います。多少の前後はあってもコンセンサスから過剰に離れた指名は少なかった言えます。

評価のコンセンサスとしてはHoopsHypeのAggregate Mock Draftが最も良いでしょう。指名一覧はNBA.com、チームごとの指名一覧としてはSporting Newsの記事が見やすいか。以下感想を書きますが、各チームのロースター状況はちゃんと把握していないのでチーム状況に合っているかどうかはよく分からないで書いているものも多いです。指名が早かった順にチームごと。

1位はウルブズはアンソニー・エドワーズ。タウンズとラッセル中心のチーム状況から言えば自然な指名ではある。が、かと言って本気で指名したくてしたわけでもないだろうなあとも思う。消去法だよねこれ。この選手はメンタリティに問題あり、モチベーションが低いと言うような評価が多く聞かれました。これは28位のジェイデン・マクダニエルズにはもっとあてはまって、試合中に思い通りに行かないと不貞腐れてプレーが雑になるという、文字通り目に見えてメンタリティに問題がある選手です。どれだけ才能があってもメンタリティに問題のある選手は失敗する、個人としてそれなりの成績を残してもチームメイトやコーチとの関係を悪くしチーム全体のパフォーマンスを悪化させるというのは過去何度も繰り返されてきたことです。例えば直近では、サンズの指名ですがマーキス・クリスは試合中にすぐカッとなってプレーに悪影響が出る選手でした(今年は数字がまあまあいいですが、どんなもんだったんでしょう、ウォリアーズの試合を見てないのでわかりません。いずれにせよ結果として8位指名の価値はなかった)。ウィギンズもそうですが、こうした選手を指名したウルブズは能力に対する評価に寄りすぎていて、メンタリティに対する評価をないがしろにする傾向がないか。若手が伸びないのは育成力以前にスカウティングで見誤っているのではないか。エドワーズの指名もなるべく避けるべきで、ラメロを欲しがってるようなチームと少し無理してもトレードダウンすべきではなかったかと思います。まあ、上位指名権を持ってるチームは弱いから持ってるのであって、そういうチームは来年の指名権も好条件になるだろう(しかもかなりの豊作年と見られる)からそれは出したくないし、アセットになる選手もあまりいないから下位なのだろうし、難しいか。ともあれ、苦しい指名をしているように見えました。

2位ウォリアーズ、ジェームズ・ワイズマン。特に何も言うことのない妥当な指名だと思います。「ワイズマン」と聞くと装甲騎兵ボトムズを思い出しちゃってダメなんだよね。ワイズマン家の引き出しを全部開けてあげるので「ヤ、メ、ロ……キ、リ、コ……」って言いながら死んでほしいなとか、そんなことばかり考えてしまう。ワイズマンとボトムズごっこがしてえよ……。それにしてもクレイ・トンプソンが死刑囚化するとは思わなんだ。前に少し書きましたが、アキレス腱断裂したら選手生命はほぼ終わりです。パフォーマンスが100%もとに戻ることはありませんし、最大限まで戻っても大幅に能力は落ちます。カリーは年齢的に下り坂だし、ドレイモンドは早くも不良債権化しかけているし、ウィギンズはサラリーに見合うプレーヤーじゃないし、高額長期契約の4選手でチームサラリーがひどいことになっていて他にまともな選手取れないし、かと言ってこれらの選手を引き取ってもらおうと思ったら指名権も普通以上に出さなきゃいけないだろうしでどん詰りですな。ウォリアーズが優勝候補の地位に戻ることはしばらく無いと思う。その地位に戻る頃には全く違う顔ぶれになってるんじゃないかな。デュラントでさんざんやってリーグをつまらなくしてくれたので、タックス地獄含めてしばらく割食ってもらいましょ。

いやー、ラメロはね、個人的に全然評価してないんだな。結局シューティングが良くないと他がどれだけ良くてもダメで、スペース開けて守られるとドライブ封じられてそこからの展開が難しくなるし、スペースあるからと入らないシュート打ってもチームの得点効率下げる、選択肢が大幅に制限されてしまう。フォームがひどくてBEEFが全然できてないので、よくなる見込みがないと思います。変なフォームで効率のいい選手というのはごくまれな例外で、ラメロもその例外には当てはまらず極めて効率が悪い。部分的に修正してどうかなるレベルじゃなくて、0から時間かけて作り直すしか無いのではないか。さらにディフェンスがうまいロンゾと違ってこっちはかなり悪い。サイズがあってボールハンドリングとクイックネス、パスセンスは本当に素晴らしいと思いますが。まあでもせいぜいロンゾレベルじゃないかな。「ロンゾは2位で指名する価値のある選手だったか」と問われて「その価値はある」と答えられる人はほとんどいないでしょうが、ラメロについても同じことじゃなかろうか。今年は2017年と違って不作なのでしょうがない部分はあるんだけど。それにしても、最上位圏で「こいつ指名しておけば大丈夫」というのが一人もいないというのは2013年以来だろうか。本当に難しいドラフトだったと思います。32位のヴァーノン・キャリーはアズブーキと並ぶワーストペリメーターディフェンダー。ペリメーター守れない、ストレッチできない、パスできないビッグマンはどんどん淘汰されていくこのご時世に取る選手か?ビッグマンならティルマンに行ったほうが良かったんじゃないの?体重をかなり落としたみたいだけど、それでクイックネスが上がるということはそれほどないと思う。ザイオンみたいに重くても速い選手は速いし、軽くても遅い選手は遅い。アズブーキよりも足が短くて同じぐらいのフットワークしかできない選手が体重落としたところでなあ、という認識です。その点で言えば42位のニック・リチャーズは最もペリメーターディフェンスの良いCの一人で、シューティングフォームが良くてレンジも伸びる余地があるので個人的にはこっちのほうが好きなんですが。ただし、56位のグラント・リラーもそうなんだけど、年齢が高いので将来の成長がどうとかいってる時間もない。年齢が高いとポテンシャルがないというのは間違いだ、とはたしかに言いたくなることではあるが、NBA入りしたときの年齢と成績の間にははっきりとした逆相関(NBA入りしたときの年齢が若いほど良い選手になる)があるのは確か。もちろん個別のブレは大きいんだけども、全体としてその傾向は確かにある。それについては面白い記事を最近読んだのでいずれまた別に紹介しようと思います。というわけでホーネッツの指名は個人的には好きではありません。

ブルズの4位パトリック・ウィリアムズはサプライズピックということになっているが、今年の上位の層の薄さとウィリアムズの急激な評価の上がり方を見てるとそこまで驚くようなものでもないのでは、という認識です。オコロやアヴディヤより資質の劣る選手だとは思いません。他のチームでも4位持ってたらウィリアムズ、というところは多いでしょう。それより、大学ではっきりとしたわかりやすい良い成績を残した、ある程度出来上がった選手しか指名してこなかった保守的なブルズがこういうポテンシャル志向の指名をしたことには驚いてます。今年からフロント変わったんだったかな?長期的には足りないのはウィングだし、なかなか勇気のある指名で、良いと思います。好きな選手なので、育成頑張ってね。顔はいかついけど、お家がお花屋さんで喋ってる時もじもじしてて可愛いやつだよ。

キャブスの5位アイザック・オコロは、特にどうということもなく。ガードでなければ誰でもいいという感じじゃないでしょうか。ボール持たないでいいプレーができる選手じゃないと今のメンツではダメだと思うので、その意味でもアヴディヤよりは理解できる指名だと思います。肝心のシューティングが悪いので育成は相当頑張らないといけない。

ホークス6位オニエカ・オコングー。過去2年でガードとウィングを重点的に指名したので次はビッグマンというわかりやすい順当な指名。ヤングを中心としたチームの中で、アンセルフィッシュで効率的で万能型ディフェンダーのビッグマンというのはぴったりではないかと思います。あと、50位のスカイラー・メイズは、キネオロジー(運動生理学みたいなやつ)専攻で2年時にGPA4.01でアカデミック・オールアメリカ2ndチーム、3年時にGPA4.01と4年時にGPA3.93で1stチーム、4年時にはアカデミック・オールアメリカン・オブ・ザ・イヤーとめちゃくちゃすごい学業成績。はっきりいって研究者になったほうがいいのではないか。ドラフト指名されるレベルでこれだけ成績がいい選手も珍しい。ボナーさんぐらいまで遡らないといないんじゃないの。大学の学力の差とかはよくわからんけど。

ピストンズはすごい頑張って指名してメディアの評価も一様に高い。7位のキリアン・ヘイズは、多分オーストラリアよりもレベルの高いリーグで、ユーロカップフットボールにおけるヨーロッパリーグにあたるもの)でも殆ど変わらないいい成績を残していて、ラメロよりよほどいい成績なので、単純にラメロよりいい選手だとみなしているんですが。ロースタースカスカでドゥンブヤのいるPFを除いて全ポジションで力のある若手が足りないですが、残ってる中では一番いい選手を指名したのではないかと思います。アイザイア・スチュワートはハッスルプレーヤーで、フィジカルな魅力とシュートレンジ拡大の期待が持てて、人間性も良さそうなので個人的に好きな選手ですが、この不作年に将来の指名権までトレードして16位はちょっと頑張り過ぎではないかという気もします。ドラフト前のプロセスで評価を上げている印象はありましたが。出した指名権の詳細がわからないのでなんとも言えませんけど、どんな年でも今年より不作の年になる可能性は低いでしょうし、ピストンズの成績がすぐにすごく良くなることもないと思うので、基本的にはロケッツに利益のあるトレードではないかと思います。本当に欲しかったんだろうね。ケナードは膝の故障持ちでルーキー契約最終年ということでリスキーな存在で、あの得点力は捨てがたいんだけど、今後の扱いが難しい。下手に長期高額契約して怪我で不良債権化したら厳しい。サディック・ベイと交換したのは十分良いトレードだろうと思います。ガード、ウィング、ビッグマンとポジションかぶらせることなく指名したので全体としてやはり良かったと思います。

ニックスの8位オビ・トッピンは良かったんじゃないでしょうか。PGかPFのどっちかだったと思うんですが、PGの若手はいないわけではないし。ちゃんとニリキナ使え。ドラフト前だと5位から下には落ちそうもないというような評価だったので、ある程度運も良かった。あとなんかごちゃごちゃトレードして25位でイマニュエル・クイックリーは、ないんじゃない?3PとFTで点を取る以外は水準よりだいぶ下でしょう。ゲームメイクができる感じでもないしディフェンスもガード相手でしかできないし。マリク・モンクの二の舞だと思うぞー。今年の1巡目で本当に意外な指名と言えるのはクイックリーとアズブーキでしょう。ディフェンスなんか知らんという力強い指名ではありました。

ウィザーズは9位アヴディヤ。これは運がいいのか。遠からずウォールとサヨナラしなければいけないだろうからハリバートンでもいいと思いますが、どっちでも正解でしょう。個人的にはFT%の低さ、ユーロリーグレベルでは通用していないことから懐疑的ではあります。少なくともドンチッチとは実績が天と地ほども違うので、比較して夢を見るのはやめましょう。2巡目のカシアス・ウィンストンはあのサイズで身体能力が低く、ディフェンスで殺されるのは目に見えてるのであまり期待しないほうがいいぞ。オフェンスで一人の力で勝つのは大変だけど、ディフェンスは一人の穴で結構負けるからな。まあ、だから53位まで落ちたのだが。

HCがまともなだけでこんなに変わる。今NBAで一番魅力のあるチームといえばもちろんサンズ。「はじめ良ければ終わり良し」「終わり良ければ全て良し」を見事実践してみせたサンズ(最終順位はともかく)。勝っても負けても試合が面白い、本当に素晴らしいチームです。急に褒めだしてなにかというと、去年のドラフトークでキャメロン・ジョンソンの指名でゲラゲラ笑っちゃってゴメンね、ってコト!今でも20位で指名できただろとか、タイ・ジェロームであんなに頑張らなくてよかっただろとか、ウォーレンをタダで出したのはイカれてるとか思ってるけどさあ、ジョンソンがあんなにやるとは流石に想像もできん。お見事でした。そんなサンズは今年も10位でジェイレン・スミスをファンタジスタ指名、ブルズとともにメディアの酷評を受け止めるのでした。まあでもこれも分かる指名。スミスは2年目に全面的に成績を伸ばして成長力に疑問がないし、普通にロッタリー下位指名の予想がされてたので、たとえセルティックスあたりとトレードダウンしても11−13位で指名されても別におかしくはなかった。というかセルティックスや他のチームが10位にトレードアップしたいと思ってたかどうかもわからないし、取りたいならここで行くしかなかったろうと思います。欲しいポジションもPGかフロアをストレッチできるPFというところだったと思うので、スミスでも合理的な指名。酷評されているのは主に「ハリバートンいるならそっちいけよ」ということでしょう。クリス・ポールが来ても2年でいなくなるか衰えて契約延長が難しくなるわけだから、その後を考えてハリバートンでも合理的ではある。何ならそっちのほうが合理的まである。でもそこで行かないのがサンズの魅力だから……。

何度も書いてるけど、キングスは12位でタイリース・ハリバートンで、大勝利。オフェンス効率のことしか考えられないオーナー様も大満足。もう1年分の運使い果たしたでしょ。2巡目もすごくて、更に2022年の2巡目をグリズリーズからもらったのも良し。こいつら本当にキングスか?本物のキングスならもっと謎ドラフトしろ。でも「当事者の合意していないサイン&トレード」という珍ムーブをしてくれたのはさすがだったので許す。RFAの選手をFA解禁前にサイン&トレードなんてできるのかな、タンパリングになるんじゃないかしら。

ペリカンズ13位カイラ・ルイス。個人的には去年から注目していました。飛び級しているのか、1&Dルールに年齢制限の方で引っかかる珍しい事例だったので。しかもシーズン中17歳だったのにかなり成績が良かった。今年も素晴らしく、1年生選手と同年齢(というか大部分の1&Dドラフティーよりも若い)としてみたらかなりすごい成績です。

セルティックスは今年もウィング。ウィングだけが人生です。アーロン・ネスミスは使ってもらって生きる選手なので、まともなチームなら基本どこに入っても活躍するとは思います。他の指名もまあ分かる。が、正直タイレル・テリーに行くと思ってたので指名しなかったのは意外でした。グラント・ウィリアムズとかオジェレイとか頭のいい選手を取る傾向があるチームだと思っていたので。30位でも行かないのね。

毎年ドラフトークで「マジックはPGどうすんの」と書き続けてきたけど、ついにPG指名、コール・アンソニー。誰がどう見てもPGが不透明だった。ただ、「ボールホグでスコアリングファーストで非効率なPG」ってチームを負けさせるには最高の選手なので、かなりちゃんと教育しなきゃならんでしょう。今のままの君でいいのよとか言ってたら一瞬でチームがダメになると思います。

サンダーはアレクセイ・ポクシェフスキーを指名。7フッターなのにプレーはガードのようでもありウィングのようでもあり、面白い。こういう選手は評価が割れるんだけど、ほぼコンセンサス通りのところに収まったも面白い。サンダーの指名は全員ヨーロッパの選手なんだよね。37位のとか全然名前も見たことない。スタッシュしまくりでしょう。トレードで確実に戦力を強化しながらもドラフト指名券は手放さないそのトレード上手ぶりをこのブログでも褒め称えてきたプレスティGM、本気で指名権を集めるとここまでやるという1巡目指名権コレクターぶりを現在見せていますが、それでも結構しっかりした戦力を揃えているのが凄まじい。すごい男ですよ。ただ、これだけの指名権を毎年使うと、どんどんルーキーを入れ続けなければいけないので、若手をしっかり育てることもできないし力のあるベテランを獲得する枠もなくなるので明らかに持て余すでしょう。トレードアップも他のチームの思惑が絡むのでそう簡単ではないし。トレードアセットとして使おうにも数が多くて毎年毎年トレードを繰り返し続けなければならなくなりそうで、どのみちロースターの継続性が失われて、安定して優勝を狙えるようなチームを作るのはかえって難しくなるのではないか。もうトレード自体が目的化しちゃってんじゃないのかという印象すら受ける。

マブスは18位のジョシュ・グリーンも堅実だけど、2巡目もすごい。言うことなし。

20位ヒートはプレシャス・アチュワ。育成大変だと思うけど頑張ってね。アデバヨの再来的な評価が目立ちますが、そもそもこの選手は本質的にウィングであってビッグマンではないので、そこと比較してもしょうがないだろうと思います。問題はウィングなのにウィングとしての技術がからっきし無いことなのだが……。

シクサーズはメディアの評価が一様に高い。指名された3人共「メディアの評価に基づけばもっと高い順位で指名されていたはず」ということで高評価されているのでしょう。個人的には全員好きじゃないのでなんとも。タイリース・マキシーは、全体的に中途半端でいいところを探すのが難しいな、という印象です。何よりこのサイズならゲームメイクができないと使い道がなくなるんだけど、そこが怪しい。ヘイゲンズとクイックリーとで役割を食い合ってたので、そういうところでパッとしなくなってる部分もあるかな。

ナゲッツは22位でジーク・ナージと24位でRJ・ハンプトン。24位のために2023年の1巡目(ロッタリープロテクト)を出したのは、基本的にやるべきではないトレード。というのも、コロナのあれでいろいろなことが遅れていて、高卒ドラフトの解禁が2023年になるかもしれないという観測が出てきてるから。仮に2022年に解禁されても、2022年にエントリーして評価を下げるくらいならとエントリーを遅らせるプロスペクトも出てくるから、いずれにせよ2023年も豊作になる可能性が高い。ナゲッツは2021年は強いと思うけど、2023年に関しては確実な予想ができるわけではない。ハンプトンはなんだろうね、非効率でエゴイストでディフェンスもゲームメイクもあまりできないという印象で、チーム全体に対してプラスになる要素が少ないと思います。ナージはかなり好きな選手。いいところはいっぱいあるけど、「ビッグマンとしては」という但書が不要なぐらいシューティングフォームが良いのが一番魅力的。顔面もかっこいい。ディフェンスは怪しい。

ジャズの27位アズブーキは驚き。Cの仕事をさせたら世界一だと思いますが、NBAに今Cの仕事ってたいして無いでしょうよ……。クイックネスが全然ないので、ペリメーターに引っ張り出されたらヘルプでペイントエリアに戻れないですよ。ペリメーターディフェンスもひどいから誰でも抜けると思う。クローズアウトも本当に遅い。どうやって使うつもりなんだろう、逆に楽しみになってきた。サラリーダンプでトレードしたトニー・ブラッドリーは、確かスパーズが指名しそうだからとトレードアップして指名した選手なんだけど、その時出した42位指名権でレイカーズが指名したトーマス・ブライアントがあの活躍だから、世の中わからんよなー。というかジャズは古典的Cを過大評価し過ぎではないか。

ラプターズのマラカイ・フリンは特に感想が思い浮かばない。PGの長期的な置き換えを期待してるんだろうなあというのは分かるけど。

グリズリーズは相変わらず土臭い指名でたまらん。グリズリーズの指名には故郷のような安心感がある。ゼイビアー・ティルマンはとても好きなので頑張ってほしい。Two-Wayでキリアン・ティリーというのもいいけど、もう一人のショーン・マクダーモットという選手は個人的に注目していました。シューターなんだけども、通算の2P%が.619とか異常な数字で、TO%やUSG%の低さといい、非効率的なプレーは絶対しないという鉄の意志を感じるスタッツです。レベルの高いカンファレンスで、プレーを制限していながらあらゆる種類の発展的スタッツが極めて高いのがすごい。例えばT−RankのPORPAGATU!という面白い指標では、有名選手がズラッと並ぶ中で、USG%が20%を大幅に切る選手として唯一上位に入っています。Kの目から見ればかなり異様な光景です。サイズもウィングとして十分ですし、6' 6"で体重もそこまで重くない選手としてはREB%が高いのも不思議で(チームメイトが結構サイズがあるのでリバウンドの中心にはならなそうなのに)、相当勘のいい選手ではないかという印象を数字からは受けます。年齢がもう24歳らしいので残された機会は多くないと思うんですが、頑張ってほしい。数字を信頼するなら、グリズリーズは根拠のある良い指名とTwo-Way契約をしたと思います。

2巡目だけのところには触れません。デヴォン・ドットソンが指名なかったのは驚きました。ESPNのランキングで急に評価を落としたなという印象は受けましたが、指名から漏れるとは流石に思わなんだ。

全体としては、やっぱり不作だなあと思いました。今年のオフの裏テーマ「ロケッツにとってアリーザとはなにか」については手に余るのでみんなで考えて。

おしまい。

(スパーズについては)シーズン終わる、ドラフトロッタリーと少しの予習

(スパーズについては)シーズン終わる

今年はNBA自体をあまり見ていなかったので、あまり書くべきことがありません。コロナ中断もあり、見たいという気持ちが湧きもせず続きもせずという具合で。スパーズはディフェンスが全く良くならなくてうんざりしましたね。ディフェンスのいいチームが好きだからスパーズが好き、という面がもともと強いので、実に見る気の失せるつまらないチームになっちゃったなあと。ペリメーター偏重の今のNBAでスターターにフォーブスとデローザンを並べてたら「殺してくれ」と言っているようなもんだな、と見てて思いました。リーグ再開後はまあまあという感じでしたが、別に良くはない、リーグ平均以下のディフェンス力だったことは否定できないでしょう。ガード偏重のチーム作りをするとどうなるかということがわかっていないとは思いませんが、スパーズがどれだけかっちりディフェンスをするチームだったとしても、本質的にディフェンス力のない選手やアンダーサイズな選手を揃えていたらどうにもならない、このことを2年かけて実証してくれたので、もう同じ間違いはしないでほしい。ゲイやケルドンが出ている時間帯のディフェンスの良さを見ても、今のバスケはウィングがやるスポーツだということは明白で、一芸に秀でた選手とかよりも攻守両面でバーサタリティの高い選手を多く揃えて育成する方向でちゃんとやってほしいです。過去のドラフトでマレー・ホワイト・ウォーカーの3人を連続して指名したのは、彼らのサイズや資質からして間違いということは全くありませんが、まともにプレータイムを得た11人のうち本来ガードに分類される選手が7人を占めるというのは異常であり、更にビッグマンが3人いるため、ウィングがゲイだけ(せいぜい加えてもデローザン)というバランスの悪さは必ず修正する必要が有るでしょう。勝てないチーム構成でやはり勝てなかったということを確認したシーズンと言えます。

プレーオフを逃したことは当然のことで、むしろよく再開後にあれだけ粘ったなという印象です。昨季プレーオフから落ちてもそれはそれで自然なことだったと思います。来季はリーグ再開後に見せたような、若手中心の、誰のUSG%も25%を超えないような攻守両面でバランスの良いバスケをしてほしいものです。

ケルドンがあれだけやれるとは思いませんでした。リーグ中断後に相当伸びたのでは。規律がしっかりしていてやるべき仕事をきっちりやる一方、自分で行くべきと思ったら躊躇なく行く判断力の良さというか速さを感じました。かなり活躍していた一方でUSG%がわずか15.6%というのが素晴らしい。技術も身体能力もサマニッチのほうがいいはずなんだけど、結果残すのはケルドンなんだよな。シューティングは短期的に良い方にぶれたという面が強いでしょうが、これからが楽しみです。ディフェンスのフットワークが重いのは改善しないといけないでしょう。サマニッチは顔面がますます良好になっていたのですごいと思いました。顔面にも伸びしろはある。

優勝予想、バックス。

(追記)バックス、アホー!!去年と今年どっちか優勝しなきゃだめだろ!!

ドラフトロッタリーと少しの予習

1位引く確率は下から1〜3位で同じなのでそのへんのブレは普通のこととして、可能性の低いところに飛び込めたホーネッツとブルズ大勝利オメデト。現有戦力から見て1位エドワーズ、2位ワイズマンはほぼ確定かな。ホーネッツは確信を持てる選手がいないので誰に行ってもおかしくない、ブルズは長期的にはウィングが薄くなる可能性が高いんだが、年増好きを発揮してトッピンとかやりそう。3位以下は何がどうなるやら予想がつかんですな。豊作年ならプレーヤーの序列が明確になるのでそれほど動かないんだけど、今年はホントさっぱり。全体で見れば去年よりマシというか10位以下はどれも似たりよったりで、逆に言うと20位台や30位台でまずまずの厚みがあるとも言える。来年以降の指名権を絡めるトレードは2巡目含めても少ないだろうと思います。その意味で、荒れはするものの去年ほどの謎ドラフトにはならないのではないか。

予習として、プレイヤーランキングは一応ESPNを標準としてみるのがいいでしょう。スカウティングレポートとしてはThe Stepienが詳細を極めており、ダントツで優れているのでここだけ抑えておけばそれ以上は必要ないと思います。スカウティングビデオはHoop Intellectが過不足なく十分なものだと思います。アダム・スピネラのチャンネルもコンパクトにまとまっており、ドラフトにかからない可能性が高い選手も扱っているのでHoop Intellectを補完できます。また、RSCIはプレーヤーの資質を測る上でなんだかんだあてになる指標だと思います。

前に書いたように、STL%とTS%はプロ入り後の成績を予測する指標として優れているので、ポジションを加味しながら、指名が予想される範囲でこの両方が優れている選手をあげてみます。

こんなところでしょうか。このあたりは指名レンジの中では比較的成功率の高い選手と思われます。サイズを加味するとドットソンとフリンはディフェンス力に不安が有ります。リーグのレベルの差というものは確実にあるので、スタッツを見るにはそれを考えるべきです。アメリカの大学とそれ以外の国の差ということで言えば、ユーロリーグに参加しているレベルのチームは皆大学よりもレベルが高いでしょう。今年で言えばデニ・アブディヤがそれに当たります。イスラエルリーグのレベルとユーロリーグのレベルは全然違うので成績は分けてみるべきです。各国リーグの中ではスペイン、ロシア、トルコは大学以上のレベルでしょう、ギリシャあたりも大学以上ではないかと思いますが、詳しくないのであまり確定的なことは言えません。アメリカの大学はBig Ten, ACC, Big12, Big East, SECが5大リーグで、それに次ぐPac12とAACを加えた7つのリーグがいわゆるメジャーカンファレンスで、WCC以下はいわゆるミッドメジャーということになるかと思います。5大リーグとそれ以外、メジャーとミッドメジャーの間にはレベルの差があり、また5大リーグでもBig TenとACCがトップを走りBig 12とBig Eastが追いかけSECが少し離されるという状況があります。つまりティリーやフリンの成績は割り引いて考え、ヴァッセルやティルマンの成績は重みのあるものと見るのがいいでしょう。大学生の中ではハリバートンが頭一つ抜けて優れた成績を残しており、ヘイズとともに今年のPGでは最も期待できると思われます。また2巡目で予想される中ではティルマンがどこを切っても素晴らしい成績です。ティリーは、ミッドメジャーの特異的に強いチームの一員なのでかなり割り引くべきですが、数字自体は極めて優れています。この中でウィングと呼べるのはヴァッセルだけなので注目に値します。ベイはプレースタイル的にウィングと言っていいものやら。

スパーズは11位(再開後の勝率が指名順位に影響しなくてよかった)で、このへんはウィングの選手が指名候補に多いので良かったですね。てかちゃんとウィング指名しろよ、流石に。指名候補になるのは、ヴァッセル、プレシャス・アチュワアーロン・ネスミスパトリック・ウィリアムズあたりか。

ヴァッセルの魅力はウィングとしては理想的なサイズと身体能力、3P%の高さ、ディフェンス面での万能性、チームのリーディングスコアラーなのにUSG%が20%という規律の高さなどでしょう。完成度の高い即戦力に近い3&Dというような見方をされているのではないかと思います。個人的にはちょっとそれは怪しいのではないかと思います。まずシュートフォームが特殊で、振りかぶって投げるようなリリースの仕方や、腕が少し右に流れるような動き方で、安定したシューティングができるフォームには見えません。実際3Pがよく入るのとは対象的にミッドレンジはかなり率が悪い。FT%がシューターと呼ぶには悪いこともあり、一般的に認識されているよりもシューティングは信頼できないのではないか。スコアリングはもっぱら3Pとトランジションに依存しており、それ以外の能力は高くない。身体能力が高いと言ってもクイックネスはそれほどでもなく、ボールハンドリングもうまくない、更にコンタクトに弱いため、リムまでボールを持っていく能力がなく率の悪いミッドレンジを打たされるのが常のようです。FTrも低く、ドライブからファールをもらうというようなこともできない。またTOは極めて少ないものの、パスがうまいというわけでもなく、ゲームメイクができるタイプでもない。ということでオフェンス面ではバーサタリティが低く、評価されているシューティングも怪しい面があります。ディフェンスはオンボールもオフボールも素晴らしいですが、クイックネスが高いとまでは言えないこと、フィジカルコンタクトが弱すぎるため、クイックなガードやビッグマン相手のディフェンスは苦しく、NBAのフィジカルなプレーヤー相手に言われているほどのバーサタリティを発揮できるかは疑問。体型的に本当に肉つくのかなという印象も受けます。けして完成度の高い選手ではなく、育成に結構手がかかるのではないかと思います。

アチュワはフィジカルな才能に関しては今年のドラフトで一番じゃないでしょうか。腕が長い選手は総じて足も長く、足が長いとフットワークが重くなる傾向があるように思いますが、ワチュワはこのサイズにしてクイックネスが高くガード相手でもついていけますし、C相手でも全く当たり負けしない頑強さもある。身長が高すぎないのもいいところで、真にNBAレベルで1番から5番まで守れる才能のある選手だと思います。ボールハンドリングがこのサイズの選手としてはうまくフットワークもいいですが、それ以外のあらゆる技術が洗練からは程遠い。バスケットボールIQも低く視野も狭い。オフェンス面で将来どういうことができる選手になるのか全く想像つきません。年齢が21歳で技術的には全然ということで、指名するチームは勇気がいるし相当我慢して育成する必要があります。

ネスミスの3P% .522と言うのは、今年NCAAの3Pラインが伸びたことを考えると本当に驚異的。怪我して14試合しか出てないので上ブレしているところが当たった&強いところとあまり試合してないというのは注意が必要です(とは言ってもSMUやオーバーン相手に6割以上の確率でバカバカ決めているが)。シュートフォームはケチの付け所ゼロで、このフォームならそりゃ入るでしょ、という感じです。オフボールの動きも素晴らしく、スペースを作るのが本当にうまい。シューターとしてはおそらくバディ・ヒールド以来最も良い選手でしょう。問題はそれ以外で、ジャンプ力やクイックネスが高くなく、ボールハンドリングも下手で視野も狭いのでシューター以上にはなれなさそうな印象です。シュートフェイクからペネトレイトなどしてもそこから効率的なオフェンスに繋げられる能力がありません。特にジャンプ力の不足からかリム付近での得点力が低いのは問題。ウィングとしては理想的なサイズでフィジカルコンタクトも強い一方クイックネスが不足しているので、ディフェンダーとしては悪くはないが高い素質があるとも言えないところです。ただ現状ではディフェンダーとしてまずまず良い評価を得ているので、3&Dウィングが欲しいチームにとっては確信を持って指名できる選手でしょう。

ウィリアムズはサイズに身体能力の高さにフィジカルコンタクトの強さ、攻守両面でのバーサタリティの高さ、バスケットボールIQの高さを兼ね備えており、更に19歳になったばかりの若さもあり、素材としての魅力はピカイチでしょう。フィジカルな才能ではアチュワのほうが優れていますが、それ以外の点ではウィリアムズのほうがはるかに優れています。ヴァッセルに足りないフィジカルコンタクトの強さはウィリアムズにとっては全く問題ではなく、ボールハンドリングもうまくピックアンドロールボールハンドラーとして驚くほど良いパスを出せるなどゲームメイカーとしての才能もあり、シュートフォームもオーソドックスなきれいなフォームでシューターとしての資質も高い(FT%はヴァッセルより10%も高く.833、ミッドレンジの成功率もおそらくヴァッセルよりも良い)、ヴァッセルにとって問題になりそうなことをことごとくクリアしている。問題点は技術的にまだ洗練されておらず特別に優れた部分がないことと、ディフェンス面でのクイックネス不足があげられます。技術に関してはシーズン中18歳だったわけだしまあそんなものでしょう。ジャンプシュートのリリースが遅いというのは言われることですが、膝をしっかり使って正しいフォームでうつことを意識している印象で問題ない思います。TOは多いものの、パスミスは少なく殆どはトラベリング、アウトオブバウンズ、オフェンシブファール由来だそうで、余り心配する必要はなかろうと思います。ディフェンスに関して、STL%もBLK%も高く、ペリメーターからリムプロテクトまで評価が高く、特にチームディフェンダーとしてポジショニングやヘルプ、コミュニケーションに関する評価は非常に高く、ディフェンダーとしての資質は疑うところがないでしょう。ただしフットワークはウィングとしては重く、クローズアウトやマークマンを追いかける場合、ガードやアスレチックなウィング相手のディフェンスなどで苦しくなります。この点の改善がウィリアムズにとっては最も重要で必要なことです。

ここであげた中では、最も資質が高く、伸びしろが大きいのはウィリアムズだと思います。規律がしっかりしていてコーチの言うことも聞くタイプでしょう。このインタビューでなぜFSUに来たのかについて答えていますが、「他のリクルートしてきたチームはオフェンスの話をしてきたのにFSUはディフェンスの話をしてきたのが良かった。ディフェンスを改善したいと思ってたから」みたいなことを答えていますが、このあたりは普通の5つ星選手のメンタリティとは違うなと思います。この動画も面白い内容です。高校入ったときはPGでそこから身長が伸びて今のサイズになったらしく、それでガードのスキルが揃っているようです。個人的には、派手なダンクやブロックを決めても一切アピールせずにすぐ次のプレーに移るところも好ましいと思います。大学入ってからではなく高校の時点でもそんな調子みたいなので、生来浮かれない性格なんでしょう。そういうところがリーダーシップがないとか言われるんでしょうけども。というわけでウィリアムズが最もおすすめです。

2巡目はティルマンでもティリーでも、あとジョーダン・ウォラとか、残ってる中で評価の高い選手でも指名してくれればいいかなと思います。2巡目かかるかどうかぐらいのところだとラミーン・ジェネーという選手が面白い。身長は6' 7"でウィングとして理想的ですが、強烈に手足が長く多分スタンディングリーチはビッグマン並みにあるでしょう。それでいて身体能力も高く、ガード並みのボールハンドリングとゲームメイクスキルがあるという結構とんでもない素質があります。線が細いのとシューティングが悪いのが弱点でしょうし、USG%が40%近くてどういうチームでプレーしてるんだという感じですが、持ってるものが面白すぎるので気になってます。

シーズン始まる

はい始まった。ニックス戦。勝ったはいいが今年もペリメーターディフェンスはダメそうだなという印象で、また見ててストレスが溜まりそうな……。ベリネリがマークしている相手のシュートがとことん入るのはなぜだ。ベリネリだけが悪いわけでもないと思うんですが、ベリネリの上を通ったシュートは全部入る呪いでもかかっているのかと思いながら見ました。キャロルかウォーカー出せという気持ちです。デローザンも今年もダメそう。キャロルかウォーカー出せという気持ちです。モリスにマッチアップさせるなんてミスマッチもいいところなのでかわいそうだなとは思いましたが。フォーブスは結構良かったと思います。まあ全体としては、スモールにしたことの弊害で、サイズのあるウィングやビッグマンを一人余分に相手に出されるとリムまで持っていかれる印象でした。今期もペリメーターディフェンスが問題。

良い方で言うとやっぱりマレーが素晴らしい。オフェンスでもディフェンスでもマッチアップした相手選手がかわいそうになるぐらい全部で上回っていた印象です。デニス・スミスとか全く勝負になってなかったですね。多分24分ぐらいのプレータイムでしばらく制限していくと思うんですが、24分で残すスタッツじゃない。マイナスはパスミスが多かったぐらい(これはチーム全体でひどかったけど)。試合通じで楽しそうにプレーしていたので良かったです。1年越しの試合だし、契約延長の直後だったので気合も入っていたのでしょう。4年6400万ドル(全保証)+ボーナス600万ドルらしいですけど、ずいぶん安いなあ、オフェンス面で全く成長が見えないシーズンになったり怪我でもしない限り、オフの契約更改ならこれよりは安くならないだろうと思いました。昨期の契約であれば例えばダンテ・エグザムの3年3300万ドルディンウィディーの3年3400万ドルあたりが比較になるところでしょうか。今季であればルヴァートの3年5250万ドルとか。ディフェンスの質まで考えれば多分この辺よりも実力は上(総合的に見てディンウィディーとどっこいぐらいか)、オフェンス面での伸びしろは遥かに大きいと思うので、最低でも妥当、普通に伸びていったら割安という評価じゃないでしょうか。マレーが今後4年間で今より悪くなる要因があるとしたら怪我ぐらいしかない。随分といい契約してくれたなあ、という印象です。こういうツイート見るとよくコミュニケーションできていたのかなと思います。LOYALTYですよLOYALTY。あと代理人のリッチ・ポールなんだけど、あいつなんかやたらスパーズに優しいような気がします。モリスのどっちかとの当初の契約内容も2年2000万ドルでかなり安いし、ライルズも2年1100万ドルで2年目は100万ドルだけ部分保証とやたら条件がいい。ノエルの契約で失敗して強気一辺倒路線をを修正した面もあるでしょうが、それでもアンソニーデイビスのトレードではあれだけ振り回したわけだしなあ。キャブスやレイカーズみたいに付け込まれるのではだめだけど、良好な関係保てるなら仲良くしておいたほうがいいんじゃないでしょうか。

で、ライルズなんだけど、基礎がしっかりしていてかなり堅実、思ってたのよりかなりできる。こういう選手だっけ?もっと山っ気のあるタイプだと思ってましたが。リバウンドでボックスアウトきちんとやって、タイミングもいいししっかりボールをつかめるのでかなり確実にDREBを拾ってくれるという安心感があります。手がでかいなあと思って調べたら実際でかい。ポートルも同じサイズなんだけど、こっちはやたらボールが手につかなくてポロポロこぼすんですが、何が違うんでしょうか。ポートルのポロポロは見てて本当にイライラするので、ライルズがスターターでこの調子で行けそうなら、攻守両面でプレーエリアが広いし、大変結構だと思います。デローザンもいらんしポートルもいらんし本当にクソトレードだったなあ。デローザンとの契約延長は合意にはかなり遠いということですが、延長せずプレーヤーズオプションも行使せずで今期限りでいなくなるのが一番傷が浅くなる方法でしょう。算数ができればデローザンがスターターレベルの選手としてせいぜい並程度の結果しかもたらさないことはトレード前からわかりそうなものですが。トレード当時に書いたこの記事は、あまりに腹が立ってボロクソ書こうかと思いつつ、かなり抑制してこういう書き方をしましたが、最初からボロクソ書いておけばよかった。今期いきなり3Pがボコボコ入るようになる可能性もありますが、あのディフェンスと安定感のなさじゃチームの中心には置けないだろうと思います。デローザンをレナードとグリーンと交換する価値のある選手だと思うようなチームは優勝なんてまずできないと思うので、失敗を引き伸ばさないで最短で債務処理するのが得策でしょう。

フォーブスは、スペースが少しあれば簡単にシュート決めてくれて素晴らしいです。デローザンレベルだったディフェンスも今期はもう少し良くなってそうだし、デローザンより点取れるし、やっぱデローザンいらんなあ。デローザンの美点ってなんだろう、ショットクリエイション能力がやたら高いぐらいしか思いつかない。まあ、そうやって打ったシュートがあまり入らないのだけど。クリエイションはホワイトもかなりできるし、マレーも戻ってきたし、オルドリッジにポストアップさせたほうが得点力も高いし外のスペースも広げやすいし、やっぱりどうしてもデローザンである必要がない。今期はデローザンが更にどうでもいい存在になるのを眺める1年になりそうな気がします、今のところは。