だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

スパーズは育成が命、CEO代替わり、ノビさんトリビュート、他チームの諸々

スパーズは育成が命

ESPNのマイケル・ライト記者の記事。非常にいい内容。スパーズは強い、単に強いのではなく強く居続けてしまっている。リングや都市環境目当てで有力選手が寄ってくるチームでも必ずしもない。ので、その代償として低順位のドラフト指名権で獲得した選手とドラフト外やFAの選手から過小評価された選手を拾い上げ、叩き上げる、しかもその育成に成功し続けることでしかプレーオフに進み続けるだけの選手層を維持できないわけです。そのために必要なのは優秀なコーチを揃えるだけでなく、コーチ陣を全面的に信頼して自分のプレーヤー人生をかけられる覚悟を持った選手を選ぶこともまた重要だと、この記事を読んで改めて思った次第です。あとやっぱり育成には時間がかかる、それをコーチも選手も我慢ができないとものにはならないですね。たとえ育って戦力になったところでFAで出さざるをえなくなっても、それをやり続けないと戦力を維持し続けることはできないでしょう。

ディフェンスに難があるので個人的には全面的に評価しているわけではないのですが、今期はフォーブスの働きが大きいと思います。マレーの怪我がなかったらスターターで出ることはなかったと思いますが、これまでの2年間の下積み無しでこの役割をこなせたはずもない。それと、たとえ低順位であれ目先の戦力のためにドラフト指名権を安易にトレードするべきではないですね。昨期のマレーにしろ今期のホワイトにしろ、いなければプレーオフには出れなかったでしょう。個々の育成に時間がかかっても、それをやり続けて力のある選手を作り続けていくしかない。

CEO代替わり

ファミリービジネス継続。このチームの場合は変化が少なければ基本的にそれで結構。

ノビさんトリビュート

レギュラーシーズン最終戦のノビさんトリビュート映像。最後の試合がホームじゃなくアウェーでよかったのかなあ、と思う一方でアウェーなら相手はスパーズであるべきだろう、とは思います。マブスにとっては最大のライバルなり目の上のタンコブだろうから。ノビさんが泣いてるのを見たら流石にグッときました。あと最後のシュートが入ったので、結果論から言えばユーバンクスが最後まで真面目にディフェンスしてたのは良かった。片足フェイダウェイじゃないけど、らしいジャンプシュートが最後の一本になったので。

他チームの諸々

コーチ関係の人事が忙しい。いまのところどの人事も「まあわかる」というところです。キングスのイェーガーとレイカーズウォルトンの解任が議論の多いところでしょうか。

イェーガーに関してはオールスターブレーク後に成績が落ちたこと、特定の若手選手と関係が良くなかったことなどが影響しているという報道がある。プレータイムで喧嘩になってフロントの決断に影響を与えそうな若手選手ってバグリーぐらいしか思いつかないんですが、個人的には3PA比率が少なかった(リーグ25位)のが大きいのではないかと思うんですが。オーナーがあの通りゴリゴリにアナリティクス志向の人間なので、せっかくハイペースでスペースを作って3P%がいいのになんで3PAを増やさないんだと言うことではないかと推測しています(今シーズンはオーススター前が.327でオールスター後が.310と比率が減っている)。本当はウォリアーズみたいにオフェンスさせたいでしょうから、それこそレイカーズから離れたウォルトンの獲得を目指せばいいと思います。

レイカーズレブロンが来たからには早かれ遅かれこうなりそうだとみんな思っていたでしょう。レブロンがいると結局レブロンにボールを持たせてじっくり行くようなバスケになってしまうので、ボールを持たせて活きるロンゾやイングラムのような選手と同時に使うとお互いの長所が死にそうな印象はあります。試合を全然見ていないので実際どうかはよくわかりませんが。ラッセルにランドルにズバッツと出ていった選手が軒並み活躍していることで人事が悪いと批判もされていますが、ズバッツはともかく他はレイカーズに残っていたからといって今のように活躍できていたかといえば怪しいので、結果論で批判はできないのではないかと思います。レイカーズが問題なのは、これから数年に渡ってチームをどういうふうにしていきたいのか、思想が全く見えない、あるいは思想がないことのように思います。有望な若手を育成していくのかと思いきや、目先の派手な選手(ロンゾ)が取れそうならその前に獲得したポジションがかぶる若手(ラッセル)を放出し、レブロンが来て育成と勝利の両立を成し遂げようと歩みだしたかと思えばスター(アンソニーデイビス)を獲得するために若手コアをトレードしようとしたり、あまりにもいきあたりばったり。ラッセルを本気で叩き上げるつもりがあったらロンゾをとってもしょうがないし、ロンゾ中心のチームを本気で作っていくつもりならたとえ向こうがその気でもレブロンと契約してはいけないでしょう。ゲームメイク能力は抜群でもシュートはドヘタなロンゾと、ボールを支配して周りのプレーヤーをすべてロールプレーヤー化してしまうレブロンでは明らかに相性の悪い組み合わせだと思いますが。レブロンのいるチームは、レブロンに合わせるために若手やらドラフト指名権やらラグジュアリータックスやらをふんだんに使ってベテラン選手を揃え、レブロンがいなくなったら焼け野原になるのが恒例ですが、レイカーズもそうなるんでしょうか。もしそうならまだマシで、ハワードやナッシュをコービーの横に揃えて全く機能しなかったときのように勝てない上に焼け野原、みたいになってしまう可能性もある。そもそもその後から若手育成方針で来て今まで結局うまく行かなかったので、育成でうまくやれるチームにも見えない。うーん、何かに似ていると思ったら、これ、阪神タイガースでは……。