だいたいNBA

Kだよ。だいたいNBAのことを書くのです。だいたいスパーズのことを書くのです。

キャロルがスパーズにやってくる、サマーリーグあれこれ、トンプソンとデュラントの復帰後を予測する

キャロルがスパーズにやってくる

ウギャー!楽しみ!2年1200万ドルは安い、のかなあ。多分安いんだけど、今年の相場感覚があまりないのでなんとも言えない。Kは「地味だがかなり効く」系のハードワーカーが好きで好きで……キャロルはまさにその典型でかなり好きな選手なので本当に嬉しいです。昨期はレナードとグリーン出した挙句にデローザンってなんだよ耄碌してんのかというトレードと、序盤に本当に最低のディフェンスを見せられて見る側のモチベーションも落ちたままでしたが、キャロルが来るならやる気が出ます。来期で33歳、スタッツは既に下がり気味であまり過大な期待はできないだろうと思いますが(eFG%、STL%、Box Plus/Minusが怪しい)、ラプターズを出る際にアイソレーション偏重でパスしないことを批判していたぐらいの男なのでスパーズのやり方に合うのは疑いない、特に2ndラインナップで。

ゲイとも契約延長、2年3200万ドル。昨季はオルドリッジ、ゲイ、ホワイトのおかげでプレーオフ出れたと思います。スパーズもゲイを残すことを優先しててゲイもスパーズに残ることを優先していたような話だったので、既定路線でしょう。

これにドラフト1巡目の二人と契約で15人保証契約が埋まるので今年のFAはほぼこれで終わりでしょう。早く決まるならそれで良し。サラリーは合計で1億2500万ドルぐらい。タックスラインには余裕がある。ロースターはこうかな。

  • 1st:マレー、ホワイト、デローザン、オルドリッジ、ポートル
  • 2nd:ミルズ、フォーブス、キャロル、ゲイ、バルタンズ
  • 3rd:ウォーカー、ベリネリ、ジョンソン、ルカ様、メトゥ
  • Two-way:ウェザースプーン、ユーバンクス

ポートルは相手のスターター次第だけど、昨期の後半はだいたいスターターだったので1stはこれが基本だろうと思います。クラッチタイムはポートルの代わりにゲイが入るラインナップになるでしょう。やっぱりガードが多すぎるし力のあるPFが欲しい感じはする。飛び抜けたものはないが、1stも2ndも水準以上の力を持った選手が揃っていて、まあ昨期よりは強そう。特に2ndはかなり厚く、殆どのチーム相手に優位に立てるのではないか。スパーズらしくていいですね。

今年のFAは初日にほとんど片付いた上にサイン&トレードが多くて状況がよくわかりません。サイン&トレードって年に1回もない印象なんですが、今年は随分多い気がするなあ。毎年それなりにあったのかもしれませんが、この時期の動向に詳しくないのでよくわかりません。

サマーリーグあれこれ

ソルトレークシティのロースター。ラスベガスも同じかな。注目はやはり当然のような顔をしてそこにいるジェフ・レッドベターさん。多分いつの間にか引退していつの間にかオースティンのコーチになっていると思う。

ウォーカーがどれぐらいうまくなっているか、というのも重要。1年NBAやGリーグでやって2年目のサマーリーグってこれまでみんなかなり強力な数字を残してきたので、ウォーカーも明らかな向上が見えるプレーをしてほしいものです。ユーバンクスはそもそも昨期Gリーグでかなり優れた成績を残しているので、サマーリーグレベルでは敵無しぐらいのプレーはするだろうと思います。メトゥは怪我で出ないみたいなのでどうにもなりません。今年のドラフティたちは苦労すると思いますが、どれぐらいできるのかは楽しみ。たまにルカ様のアップが抜かれて「ギャッ!顔面は今日もダブルスコア……」とか思える機会があればいいんじゃないでしょうか。あとウェザースプーンお前背番号15番て。大学11番だったじゃん、と思ったらそういやフォーブスが11番でした。こんなに軽くていいのか15番。

レギュラーシーズンと違って結果を気にしないで見れるし、若手の成長がはっきり見えるので楽しいです、サマーリーグ

トンプソンとデュラントの復帰後を予測する

Nylon Calculusのトッド・ホワイトヘッド記者の記事。2000-2001シーズン以後のデータから、クレイ・トンプソン(ACL損傷)とケビン・デュラント(アキレス腱断裂)の復帰後のプレータイムやプレーの質・傾向を予測するもの。

まず怪我の威力ですが、ACL損傷した選手でも、その後数百試合も出場できた選手はたくさんいますが、アキレス腱断裂の場合30%近い選手が復帰できずにキャリアを終え、1から100試合しか出れなかった選手は40%超、この2つを合わせた数は70%にのぼり、501試合以上出場した選手の数が0など、ACL損傷が軽症に見えるほどの深刻な怪我、「ほぼ致命傷」と言ってもいいぐらいの大怪我と言えます。ACL損傷も復帰後100試合以下の出場数でキャリアを終えるのが全体の50%なので致命的な大怪我ですが。

ホワイトヘッドは、プレーヤーのNBA在籍年数・年齢・怪我の性質(怪我の種類、復帰後の年数)によるプレータイムの変化、更に同様にショットセレクション(FGAのうちのリム付近のシュートの比率と3PAの比率)とシュート精度(その2つのそれぞれの成功率)の変化をモデル化し、トンプソンとデュラントの今後5シーズンのプレータイムとシューティングの変化を予測しています。

これによるとトンプソンはこれまで毎シーズンのように2500分以上プレーしてきましたが、怪我がなかった場合と比較して来期は327分のプレータイムが減るだろう(怪我のタイミングが悪かったため実際はほとんど出れないだろうが)、その後は怪我のなかった場合と比べて1シーズンあたり156分少ない程度まで持ち直すだろうが、それでも1シーズンあたり2000分以上プレーすることはなくなるだろうと予測しています。また、ショットセレクションやシュート成功率は怪我がなかった場合と比べてもあまり変化はないだろうと予測しています。

デュラントの場合は、来期は怪我がなかった場合と比較して291分プレータイムが減る(同様に実際はほとんどプレーできない)、その後は怪我がなかった場合と比べて1シーズンあたり284分プレータイムが減るだろうと予測しています。ACL損傷の場合と異なり、一般的なモデルとのプレータイムの乖離が縮まっていくことはないと予測しているようです。1シーズンあたりのプレータイムも2000分を超えることはなく下がる一方と予測しています。アキレス腱断裂の場合はショットセレクションに明らかな変化が出ると見ていて、FGAのうちのリム付近でのシュートの比率が怪我がなかった場合と比べて4%から5%も減ると予測しており、また逆に3PAの比率は増えると予測しています。これは脚力が大幅に衰えることによってドライブのスピードとパワーも衰え、リムを攻めるようなプレーができなくなるからだろうということです。一方でシュート成功率はいずれも大きな変化はないだろうと予測しています。

このモデルが正しいとすれば、おそらくネッツのデュラントとの契約は失敗に終わるのではないか、という気がします。トンプソンは来期ほとんどプレーできないでしょうしプレータイムも今後減るでしょうが(プレーできなくなるから減るのか、プレーさせないようにするから減るのかはわかりません)、身体能力は怪我がなかった場合のところまでほとんど戻るでしょうしプレーの質も変わらないでしょう。二者択一でどちらかを選ぶとしたら、ウォリアーズは正しい選択をしたことになるだろうと思われます。シュート成功率に関して、ACL損傷後もアキレス腱断裂後も大きな変化はないと予測しているのは少し興味を惹かれる部分です。「体力は衰えても技術は衰えない」という観念を過去のデータが証拠付けていると考えられるかもしれません。

怪我をしないに越したことはありませんが、怪我を防ぐというのはとても難しいことです。前に取り上げた話ですが、ACL損傷に関しては予防は困難で、おそらくほとんど運次第ではないかと思います。それ以外の怪我も含めて怪我全体でのことであれば、休養やプレータイムの制限は効果があると思われます。

ゲイはアキレス腱断裂後にプレータイムを回復してきており、昨期は1842分プレーしています。シューティングの効率はキャリアで最高の数字を記録しましたが、リム付近でのシュートの比率は過去に比べれば減っています。チームによるプレースタイルの違いもあるでしょうから一概には言えませんが、今のところはデュラントに対してなされた予想と近い変化をしているのではないかと思います。